戦いの幕開け
ドルシネア、ウィンダスのモグハウスに起床。取りあえずステーキを焼く。先日リンクシェルに加わったStさんは、メインジョブがモンクであるという。前衛用の食事の定番、ミスラ風山の幸串焼きを作ってStさんと、セルビナでパーティを組むのに苦労しているCcさんに半ダースずつ送っておく。更に久し振りに毒消しを作り、自分のバザーに補充する。
ユグホトの岩屋に籠もって黒鉄鉱を集めたのは、バストゥークのクエストをクリアするためだった。折角黒鉄鉱が揃ったのに何故ドルシネアはウィンダスへ戻ってきたか。それは黒鉄鉱より以前に入手した「とんがり石」をウィンダスにいるNPCに渡すためだった。これはこれで、クリアするべきクエストなのである。とんがり石を迷えるNPCに手渡すと、思いがけず高額な報酬が手に入った。やっておくものである。
森の区のガードNPCからこれまた久し振りに補給物資を受け取って、やはり久し振りにサルタバルタを歩いて北上する。最近はチョコボに乗って移動することの方が多くなった。青空の下、たまにはのんびり歩くのもいいだろう。
- 川沿いにテンポ良く、元気よく。
ブブリム半島のガードNPCに補給物資を渡した後でドルシネアはタロンギへと戻った。そして北東の洞窟へ。そこはシャクラミの地下迷宮、やはり久し振りに訪れた。ウィンダス・森の区の中央にある池。そこにタルタルとミスラ、二人のNPC冒険者がいる。冒険心を失ったタルタルを焚きつけようとするミスラ。彼女から受けたクエストに必要な物をここで入手することが出来るのだ。
それを手に入れるには、この迷宮に棲むサソリを倒さなければならない。以前シャクラミでパーティを組んだときやミッションで訪れたときに見掛けたことがあったが、結構強いヤツだった筈だ。だがそれからレベルも幾つか上がっている。もしかしたらそろそろ倒せるようになっているかもしれない。様子を見に来たという訳だ。
少し奥に入り、ちょっとした高台になった場所に姿を求めるとヤツはいた。強さを調べると、「丁度いい」と出た。なるほど、丁度良く殺される可能性がある。……今や、「楽な相手」じゃあないと安定して倒せないものなぁ。つくづくソロプレイのキツイゲームだ、FFXI。
だが勝てない相手ではないと思える。ここは一つ、全力で戦ってみるか。もし危なくなったら絶対回避を発動させて、その隙に呪符デジョンを用いれば脱出も可能だ。カバンにMP回復用のメロンジュースがあることを確認し、不意打ちを発動させてサソリの後ろに回り込む。……覚悟を決めた。
意を決して攻撃開始！ だが剣を振り上げたその瞬間、サソリがくるりと振り向いた。その固い甲羅に剣が落ちるも、ダメージは通常攻撃の分しか与えられない。不意打ち不発！ 思わず舌打ちする。クソッ、サソリはカメ獣人・クゥダフと同じ聴覚索敵だったのか！ 後ろからの攻撃を感づかれてしまい、不意打ちを決められない厄介な相手だ。期待したダメージを与えられず、一気に募るプレッシャー。
戦いは続き、剣とハサミが交錯する。ディア、パライズといった弱体魔法をきっちり入れて弱らせる。普段は使わない弱体魔法・スロウも入れておく。そして減ったMPはメロンジュースを飲んで戦いながら回復。サソリの打撃はやはり「楽」レベルの相手とはひと味違い、とても重い。MPの回復が無ければ体力を回復しきれないのは明らかだった。
ジリジリと減るお互いの体力。ハッと思いだして絶対回避を発動させる。30秒の近接攻撃100パーセント回避。この30秒の分だけ、体力に差が出た。なんとか勝利！ だが目的のアイテム、「大サソリの針」は出さなかった。取りあえず、絶対回避の使用を前提とすれば勝てることは分かった。またチャレンジしよう。
心地よい疲れを感じながらシャクラミを後にする。この夜はマウラの宿屋にて、ドルシネアは就寝した。