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Last Modified : 10 JANUARY 2004


巡り逢う運命

冒険者を辞めたドルシネアが始めたことは、リンクシェルのメンバーととにかく顔を合わせるということである。リンクパールを通じた会話は確かに楽だ。メンバーが世界中に散らばっていても、距離を気にせず皆で話すことが出来る。だが、その気軽さがそれぞれの存在を軽いものにしているのではないか。そんな風に思えるのだ。

だから、それぞれの存在をよりはっきりと確かなものにするためには、顔を合わせれば良いのではないかと思う。同じ場所で、同じ時間を過ごせばよいのではないかと思う。レベル上げのパーティでは一緒になれなくても、クエストを解くために協力することは出来るだろう。そこまで求めなくても、町で会って手を振りあうだけでもいいだろうと思う。レベル上げを止めた私には、仲間に会いに行く自由な時間がある筈だ。

ある日はCcさんがジュノへの上京に挑んでいた。ウィンダス方面からの北上を目指すソロムグ丘陵ルート。単独のトライだ。サンドリアに滞在していたドルシネアは、サブキャラクタのヘブンスコープにオレンジを送ってもらい、チョコボを借りてジュノを目指した。

画像・ジュノにて歓迎。
駆けつけたMkさんと一緒に、乾杯でCcさんを祝う。

その後、Mkさんと二人でジャグナー森林に繰り出したり。更に翌日にはブブリム半島の海岸でレベル上げのパーティに参加しているRnさん、Tkさんを見つけ、パインジュースの差し入れに行った。お二人にはしばらく会ってなかったのだけれど、「久し振りに直に会えて嬉しいです」という風なことをTkさんに言われてハッとしたり。やはり直で会うのとそうでないのとでは、違う印象を持っている人はいるのだなと実感した。

ある時、一人でジャグナー森林に出向いた。とあるクエストで、カブトムシの出すアイテムが必要なのだ。暗い雲が覆い、雷が鳴る空の下、トラに注意しながらカブトムシをぽくぽくと叩く。

何匹目かのカブトムシを叩いているときだ。ハッと気付くと相手にしていたカブトムシと一緒に、何故かオークがドルシネアを叩いていた。あれ? なんでオークがいるの? いつの間に? 突然の出来事にしばらく頭が回らない。何処から湧いてきたのだろうか彼は。走り寄る彼の姿を見た覚えは全くない。瞬間的に寝たりしていたのだろうか私は。

考えても仕方がないので、取りあえず戦いながら状況を見守ることにする。カブトムシはこのまま倒せそうだが、問題はオークだ。結構強いが、絶対回避を使えばなんとか倒せないものだろうか。逃げるときは「天国への階段」こと「とんずら」があるから、いつでも逃げ出せるだろう。その妥協点まで、頑張ってみようではないか。

カブトムシを倒し、続いてオークとの戦いに移る。絶対回避も行使するが、だがやはり分が悪そうだ。ならばととんずら発動、敗走に移る。一気にオークとの距離を放し、ドルシネアはラテーヌ高原まであと少しと言うところまで走った。相当の距離を走り、オークの姿は全く見えない。ここまで来れば安心だろうと、しゃがみ込んでヒーリング状態に入った。

しばらく経ったときのこと。レーダー上に赤い点が一つ現れた。真っ直ぐこっちに向かってくる。あれ? まさか……と立ち上がったドルシネアに、一発の打撃が打ち込まれた。あのオークがここまで追ってきたのだ。てっきり振り切ったつもりでいた私は、予想外の出来事に呆然となった。

ラテーヌ高原に逃げ出すことすら考えられず、ドルシネアはそのままオークにより撲殺。そっか、とんずらで距離を取ろうとも、怒りに燃えるモンスターは長い距離を追跡してくるのだな。勉強になった。勉強の代償とはいえレベル上げを止めた今、経験値はとても貴重なものなのだが……と、少々へこみながらホームポイントへ強制送還。ドルシネアはジュノへと飛んだ。

ため息を付きながらレンタルハウスに入り金庫を覗くと、そこには収集途中のタルットカードが。あぁ、これも集めなきゃ。折角ジュノに来たのだから、ちょいと収集にチャレンジしてみるか。そう思い、カードを持ってジュノ下層に足を運んだ。競売所の上、占い屋の前に立ちShout、カードの交換を呼び掛けた。

少し待ち、いつものように反応がないのでその場を立ち去ろうとすると、「あのー、まだカード交換やってますか?」というTellが。驚いて足を止め、急いで返答を入れる。すぐそばにいた彼女の姿を見つけ、手を振った。

画像・タルットカードの交換。
巡り逢ったミスラさんと、カードを交換。

彼女と交換したことで、タルットカードは全て揃った。それを告げ感謝すると、彼女はまだ交換を始めたばかりとのこと。応援してお別れした。その足で占い屋に行き、クエストを終わらせる。

今まで何度かジュノに来てShoutしても、カードを揃えることは出来なかった。今日、ジャグナーでオークに殺されなければ、この時間にここに来てShoutをする事はなかった。この時間にここでShoutしなければ、彼女に巡り会うことはなかったかもしれない。

不思議なものだと思う。ミスをしたからこそ、出会いがあり、クエスト終了という収穫があった。そこに巡り逢いという運命を感じる。この広いヴァナ・ディールという世界で、そして流れ行く時間の中で出会う運命を。

彼女とは恐らくこれきりだろうが、リンクパールという物で出会い、繋がった運命の仲間がいる。カウントダウンしていく残りの時間の中で、彼等とは何処まで運命の先を育むことが出来るだろうか。

冒険者を辞めたドルシネアの、終わりを探す旅が続く。


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