Last Modified : 10 JANUARY 2004
From Dulcinea's diary Part.2 "Dulcet Wind flows Vana-wide".
トパーズトパーズの植木鉢から、水のクリスタルが10個収穫できた。これで倉庫には7ダースの水クリが。……流石にこれ以上貯まると少し困るかな。倉庫の空きにも限りがあるし。リンクシェルのメンバーを確認すると、Tkさんがパーティリーダーとなってル・ルデの庭に立っているのが確認できた。あの頼りなげだったTkさんがリーダーか……立派になったものだなぁと思う。
ヌナイ、セルビナに立つ。倉庫キャラジュノ集合ミッション最初のキャラとして、いよいよジュノに出立だ。パーティを組むためにやってきているレベル10台後半の冒険者がひしめくセルビナ出口を、場違いなレベル1シーフが武器も持たずに走り抜ける。なお、このミッション遂行メンバーの装備は、各種族初期装備にブロンズハーネスとブロンズレギンスで統一している。メンバーの団結を表すような、共通のコスチュームだ。
バルクルム砂丘に出て、マップを開いて驚いた。マップを持っていなかったのだ。
しまった……マップのことを忘れていた。まぁ、ヌナイ達倉庫キャラがジュノまで行くなんて予定はなかったものなぁ。当然この先ジュノに至るまで、全ての地図を買ってない筈。……記憶を頼りに進むしかないか。
バルクルムはもう何度もドルシネアで走ったり、チョコボで走り抜けたりしている。地理で迷うところはほとんど無い。危なっかしいゴブリンを遠回りで避けて、問題なくラテーヌ高原へと入った。……マップのないことが本格的に問題になるのは、地理にあまり明るくないここから先だ。
記憶にあるマップの絵を元に、ジャグナー森林を目指して雨の夜のラテーヌを走る。危険な敵はオークとミミズ、コウモリくらいだ。……コウモリはアクティブ、だよな? ノンアクティブなのかアクティブなのか、相変わらずいまいち分からない。場所にも寄るのだろうけれど、どうにも苦手になってしまった。まぁ、近付かなければいいだけのことではあるのだが。
木々の間を抜け、道なりに東へ、そして北へ。やがて正面に、巨大な白い建造物が現れた。
風の吹き始めた高原を再び出発。冒険者を乗せて走るチョコボを追うように、先に進んだ。ジャグナーへのエリア切替えを前にしゃがんでいるタルタルを発見し、足を止める。見ると幾分体力を減らしている。こういう場合エリア切替えを行うと、その先でいきなり敵に襲われるかもしれない。つまりこの冒険者はエリア切替えでその敵から逃げてきた可能性があるということだ。
しばらくその場で時間を潰し、もういいだろうと足を進めた。エリア切替え。鬱蒼としたジャグナー森林にヌナイが立ち入った。初めてドルシネアでこの森に来たとき、あまりの視界の悪さに酷く苦労したものだ。画面に表示されている木の枝の向こうを見たくて、画面のこちら側で首を傾げて、枝の下から覗き込もうととしていたっけ。もうあれからしばらく経った。チョコボで何度もサンドリアとジュノを行き来している。流石にこの森も、辺りを窺うことくらいは慣れている。
マップはないが、森林の中を伸びる道沿いに行けばいいことが分かっていた。左右に視線……ターゲットを振って警戒しつつ、森の中を前へと走る。やがて夜が明け、森は随分明るくなった。やれやれ、これでだいぶ楽になった。途中ゴブリンとカブトムシに行く手を阻まれ、立ち止まったり戻ったりを余儀なくされる。やっと進んだら今度はトラが登場。近くにいた高レベルの冒険者がトラを狩り始めたところを通り抜けた。レベル1のシーフが何やってるんだと思われたに違いない。
視点を低く、画面に顔を近づけて索敵。森は危険な敵だらけだ。カブトムシ、ゴブ、トラ……そして次に現れたのは歩く大きな「樹」だ。そうそう、こいつの死骸(?)が季節のイベントでクリスマスツリーになったり桜の木になったりして、町中に設置されていたんだよな。大きく避けて先へ。またトラ、しかも二匹だ。加えて獣人・オークまでいるよ!
明るい内に抜けたい森林。出口のガード(衛兵)でホームポイントを設定してもらう。これでこの先死んでもここに戻ってくる訳だ。ウィンダスに帰るのも一苦労……ジュノに行くしかないのだ。意を決してエリア切替え。ジュノに至る最後の難関、バタリア丘陵に足を進めた。
バタリアに立って、ヌナイは大問題に突き当たった。マップがないのは覚悟していたのだが……それがここまでまずい事だとは思っていなかった。ラテーヌ、ジャグナーはマップがなくても道に沿っていけば良かった。だがバタリアには、道がなかったのだ。
大きなデコボコ(古墳)が地平線まで、ずーっと続いていく。ジュノはどっちだ? マップを開くとそこには無情の「NO MAP」の表示。だがそこにも僅かながら光明があった。碁盤の目に線が引かれ、座標は表示されているのだ。自分がその碁盤の目の何処にいるかは分かるのだ。ジュノの正確な位置は分からないが、東の方であるのは確実だ。座標で「ジュノは確かここら辺」と大体の見当を付け、そっちへ向けて走ることとした。
ジャグナーを進んでいたときに、リンクシェルのメンバー・Mkさんがログインしていた。周りのあまりに強すぎる敵にビクビクしながら、Mkさんとの会話で片言の返事を返す。あぁ、トラの黒い影が丘の向こうに! こっちはゴブリンだ! オークもいる! マクロを開いて、いつでも絶対回避を発動できるようにして先を急ぐ。ジュノの入り口、ジュノの入り口。
やがてヌナイは、東の突き当たりに辿り着いた。ジュノの入り口は……見当たらない。おかしい、この辺じゃあなかったか? かすかな記憶を頼りにトラを避けつつバタリアを右往左往する。やがて意外なものを目にする羽目になる。
海なんてドルシネアですら見たこと無いー!(泣) ちょうどその頃、Mkさんが気が付いた。
「む!? 何故レベル1のシーフがバタリアなんかに!?」
ほろりと泣き言が出る。
「道に迷いました……」
仕方なく断崖沿い、そして山沿いに進んでみる。ゴブ、ゴブ、ゴブ。そしてトラ、トラ、トラ。焦燥で時間と精神力を消耗する中、思いがけず目指していた場所が姿を現した。
ヌナイ、ジュノへ。まず一人目が辿り着いた。