1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第二部・目次

Last Modified : 10 JANUARY 2004


特別ミッション発令:倉庫キャラよ、ジュノに集え!

トパーズトパーズが受け持っている栽培で、水のクリスタルを一気に31個も収穫できた。これは嬉しい。水クリは調理において、ジュース作りに必要になる。私は調理スキルを上げるのにジュース作りを好んで行うため、水クリを大量に消費する。まぁ、経験値稼ぎの狩りではその対象としてカニがよく使われる。カニは水クリを出すので、水クリはこの世界に多く流通することとなる。結果、値段はクリスタルの中でもかなり低めだ。別に収穫できなくても、それほど困ることは無いと言えば無い。ま、買いに行く手間が省けた、というところか。

さて、五月である。いわゆるゴールデンウィークに突入した。そこで私は、兼ねてから予定していた行動に移ることにした。その「計画」の発端は、かれこれ二月に遡る。

二月九日、FlさんとMhさん、そしてドルシネアの三人で、初めてジュノへと到達した。ジュノ上京の冒険である。初めて行くパシュハウ沼やロランベリー耕地はとてもスリリングだった。今でもロランベリーのBGMを聞くと感慨深い気持ちになる。後日Nmさんと共に再度上京したときは、ゴブリンに見つかってドル猫は死とレイズを経験したのだった。

だが、その冒険はFFXIの体験を綴る日記サイトで読んだ物とは、少し異なるものだった。私がかつて読んだ、FFXIサービス開始から間もない頃のその冒険譚は、もっと危険度の高いものだった。それは何故か……まだ「MGS系」の魔法やアイテムが存在しなかったからだ。

FFXIの世界の中でスラングとしてよく使われる「MGS」。この言葉はゲーム会社・コナミがリリースしている隠密アクションゲーム「メタルギアソリッド(Metal Gear Solid)」シリーズに由来する。敵に見つからないよう姿を隠し、目的を成し遂げるそのゲーム内容から、FFXIにおいて使うことの出来る「姿を眩ます」魔法やアイテムをMGS魔法、MGSアイテムなどということがあるのだ。

私達がロランベリー耕地を越えるとき、うようよといるカメ獣人・クゥダフから身を隠すため、我々は魔法「スニーク」を用いた。この魔法は冒険者の立てる音を遮断する効果を持つ。クゥダフは敵(即ち冒険者)を聴覚で認識する。そのため音さえ消してしまえば、クゥダフにどれほど近付いても、それこそクゥダフの目前を横切ったとしても攻撃されることはない。クゥダフは耳だけで敵を認識するのであり、目や鼻は全く利いていないからだ。ヤグードやゴブリンは視覚で感知する。だから背後を通れば見つからないし、透明になれば目の前を歩いても感づかれない。この様に、モンスターの索敵感覚に対応したMGS魔法・アイテムを用いれば冒険の安全度を飛躍的に上げることが出来るのだ。

しかしFFXIサービス開始直後は、これらの魔法・アイテムは存在しなかったそうだ。後のバージョンアップで追加された要素なのだという。だからこれらの要素がなかったとき、冒険者はひたすら敵に見つからないように、自らの操作で敵の目から身を潜め、ジュノへと向かった。もちろん発見され、あっという間に倒されてしまった者もいたようだ。だが、何度も挑戦を繰り返す冒険の末、ジュノという都会に辿り着いたのだ。……その様を日記サイトなどで読んで、私はその冒険に憧れを抱いていた。

だから二度のジュノ上京の後で、私は一人で、MGS魔法・アイテムを使うことなくジュノへ向かおうと決めていた。最初の上京の一週間後辺りに予定していた冒険だったが、都合がつかずにこれを延ばしていた。そして「いつか」と思う中、その冒険の予定は膨らんでいた。当初、ジュノへ向かうルートは経験済みのバストゥーク方面から行く「パシュハウ沼→ロランベリー耕地ルート」のみだった。しかしどうせなら全てのルートを行ってみようと思ったのだ。つまり、サンドリアから向かう「ジャグナー森林→バタリア丘陵ルート」と、ウィンダスから向かう「メリファト山地→ソロムグ原野ルート」の三方向から、三回の上京を果たそうと考えた。

冒険を果たせぬまま時は過ぎていく。する内、シーフのレベルは随分上がった。危険度の高い突破行をする場合、ジョブをシーフにするのは定石の一つだ。シーフは近くの敵の位置をレーダーで知ることが出来る。またその二時間ジョブアビリティは、敵の近接攻撃を三十秒間完全無効化する「絶対回避」だ。三十秒間、命を長らえることが出来る……かもしれない可能性を持っている。だがレベルの上がった今、シーフでの冒険は死亡による経験値の喪失がとても痛い。どうせ見つかったら今のレベルでは敵わないのだ。シーフを育てていないキャラなら、死んでも経験値を失うことはないから痛くないのだが……。

シーフを育てていないキャラを、その時思い出した。ヌナイ、トパーズトパーズ、そしてヘブンスコープの倉庫キャラ三人だった。彼等はシーフになったことすらない、正にうってつけのキャラだ。そしてちょうど三人いる。一人一ルート、三人で三ルート。ピッタリじゃないか。最近、ドルシネアだけを冒険に出していて、彼等はウィンダスのモグハウスに籠もったままだった。

三人に、指令を与える! 各自、指名されたルートで、ジュノまで行ってこい! ただしレベル1のシーフ限定! 死んでもジュノに行くまでは止めさせないぞ! ……共にジュノまで、歩いていこう。冒険を、しようじゃないか。

画像・ヌナイの場合。
ヌナイ、サンドリア方面バタリアルート。
画像・トパーズトパーズの場合。
トパーズトパーズ、ウィンダス方面ソロムグルート。
画像・ヘブンスコープの場合。
ヘブンスコープ、バストゥーク方面ロランベリールート。

バニシュ!バニシュ!

ジュノへ向かうにはまず海の向こうに行かなければいけない、サンドリア方面担当のヌナイとバストゥーク方面担当のヘブンスコープ。それぞれシーフ・レベル1にジョブチェンジし、ウィンダスを出発する。危険なヤグやゴブリンを避け、ブブリム半島を縦断して港町・マウラへ到着。船に乗ってセルビナに渡った。セルビナにてログアウトし、本格的なジュノ上京への出発に備えた。

一方その頃ドルシネアは……前日に引き続いて白魔道士になっていた。レベルは11。先日レベル25になったシーフ。そのサポートジョブに白魔道士を付けると、シーフのレベルの半分である12に満たないレベルなのだ。これではどうにも格好が付かない。幸いレベルアップまでに必要な経験値はあと僅かなので、ソロで素材集めでもしつつレベルを上げてしまう算段である。

東西のサルタバルタをうろつきながら、イモムシを中心に狩っていく。やはりイモムシの出す絹糸は高く売れておいしいのだ。

敵に攻撃を仕掛ける際は、まず神聖攻撃魔法・バニシュを撃ち込む。詠唱時間が長く、消費するMPも多め、そしてダメージはそれほど多くないバニシュ。通常この魔法を使うことはない。パーティで回復役としているときならなおさらそのMPを回復魔法に回すだろう。しかし、折角のソロだし。そして神聖魔法スキルが全然上がってないのもなんだか悔しい。どうせ余裕のある狩りなので、バニシュ使いまくりで神聖魔法のスキル上げも楽しんでみることにしたのだった。

この二日間で、全くなかった神聖魔法スキルは12まで上がった。気になっていた隙間が埋まったような快感を得る。道中、川の中にいるカニをしばいて岩塩をゲット。持ってきていたキノコを焼いて、「キノコの塩焼き」を作りバザーに出す。こういう現地生産って楽しくて好きだ。二日目、十個ほど焼き上がっていた塩焼きを、通りがかりの冒険者が買っていってくれた。

マンドラゴラにバニシュを撃ったら、そのマンドラと一緒に何故かゴブリンが走ってきたりしたけれど、危なげなく経験値を稼ぎ白魔道士のレベルは12へ。しっかし白魔道士、ソロは大変だね。バニシュ撃ち放題がなかったら続かなかったなぁ。

本日のまとめ

画像・船待ちの二人。
マウラにて船を待つヘブンスコープと、その股に収まるRbさん。

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