Last Modified : 8 JANUARY 2004
From Dulcinea's diary Part.1 "The Mother Dulcet Wind".
バストゥークのドルシネアは、バストゥーク・商業区から出た南グスタベルグにおいて連日モンクの修行を続けている。レベルが徐々に上がって、自由に行動できる範囲が広がってくる。より強い敵を求めて足を伸ばし、現在狩り場としている場所は「ダングルフの涸れ谷」に通じる一帯だ。ここはこぶ状の岩が乱立し、いつも白い湯気が立ち上っている。ここに巣くう固いカニやハチ、そしてゴブリンを相手に拳を振るうドルシネア。この辺は多くの冒険者が狩りをしている。時には敵が不足してしまうほどだ。
バストゥークの町中もある程度歩き回った。幾つかのクエストも受けているのだが、ウィンダスのクエストと比べて進めるための条件が煩わしいクエストが目立った。例えばジョブに制限があったり、レベルを制限され、パーティプレイが必須となったりするものだ。
また、バストゥークという国になかなか愛着が持てないでいる。これはバストゥークの「歩き方」が、ウィンダスを歩いている時とは異なるのが大きいと考えている。初めの頃ウィンダスを歩いたとき、とにかく地形から覚えていったものだ。そしてその先に何があるかを実際に行って確認することで、身に染み込ませていったのだ。バストゥークの場合、既にゲームに慣れているために、それが逆の順序になっている。あの店はどこにあるのだろう? あの施設はあっちだな?と目的の場所が明らかな状態で、地図に書かれているそのマークを求めていくのだ。「町」が身に付かない……そんな印象だ。
一方、先日フレンド登録した赤魔道士さんとは毎日のようにメッセージのやり取りをした。赤魔道士の直接攻撃の強さに不満を感じ始めた彼に、別のジョブを試してみることを勧めたり、お金稼ぎもした方がいいよと助言したり。ただ、基本的な知識を伝えるものの、その知識をバストゥークで活用する為の情報はほとんど持っていない。何がどこに売られているのか、どの敵を倒せば何を落とし、どのアイテムが高く売れるのか……ドルシネアにはさっぱりだ。
町で偶然出会ったMmさんに尋ねて、その辺の情報を得たりする。そしてそれを赤魔道士さんに伝えたりする。どうにもぎこちない。でも、たまにはそんなぎこちなさも刺激になるな、とか思ったりする。そんな風に、異国の生活は所々引っかかりながら、少しずつ滑らかに、丸くなっていった。
グスタベルグでの修行の最中、敵を殴っていて格闘スキルが一向に上がらないことに気付く。それはそうである。シーフで散々上げてしまっているので、レベルのずっと低いモンクでははなから上限に達した状態なのである。あ、こりゃ失敗。
競売所でモンクが使える武器を物色。片手の棍棒は白魔道士で使っていて、ちょっとだけだがスキルが上がっている。まだ一度も使ったことが無く、スキルがサッパリ上がっていない両手棍を使ってみることにした。黙々と棍棒でカメを叩き、スキルを上げていく。
Mmさんに、南グスタベルグのノートリアスモンスターのことを聞いていた。トカゲだそうである。かなり高い値で取り引きされている、いいアイテムを出すそうだ。毎日の狩りの単調さに、飽きを感じていた。どれどれとその出現場所へと足を向けた。
一際大きな岩が立っているその場所には、どうやらノートリアスモンスター目当てと思われる冒険者達がウロウロとしていた。ドルシネア達、適正レベルの者達とは明らかに異なる、とても強い冒険者達。その人達はキャラクター情報を隠した、青い名前表示の冒険者。しかし、通常の敵を叩いたときのダメージが、ドル猫たちとは桁が違うのだ。この辺の敵では経験値を獲得できない。ノートリアスモンスターを狩る以外に、そこにいる理由はなかった。
カメなどを倒しながらしばらくうろうろしてみたが、件のトカゲは現れなかった。話によると、三時間に一度現れるかどうかということらしい。流石にそんなにもその場に常駐する気になれない。ある程度経験値を稼いだところで、ドルシネアは引き上げた。
手に入れたアイテムで新たな合成である「彫金」をしてみたりする。原料を集めるのに手間が掛かるワリには、どうにも楽しくない。すっきりしない。
作った料理を赤魔道士さんに送ったら、敵から奪った物であろうアイテムがお返しに送られてきた。初級の冒険者が手に入れられる、精一杯のアイテムだ。なんだか、胸がほんのり暖まる。送られてきた食材の一つと栽培で収穫した豆を使って、新たなレシピに挑戦してみる。見事成功! 調理スキルも上がってくれた。送ってくれた食材のお陰だ。出来たスープを、更に送り返す。
錬金術のギルドをやっと見つけて入会する。ギルド付属の店をチェックすると、やはり錬金術用の素材が安い。毒消しの材料も、何より毒消し自体も安い! とても驚く。材料を買い込んで、自分宛に配送しておく。
石畳を蹴りながら、再びモンクのレベル上げへ出発。両手棍のスキルを上げながら、レベルも9まで上がった。だが……なんだか息苦しさも感じる、今日この頃。