1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第一部・目次

Last Modified : 8 JANUARY 2004


Dulcet Wind 〜 旅立ちの儀式

石の区からNPCのタルタル黒魔道士に飛ばしてもらい、まず港へ移動。口の院の屋上に出る。階段を下りて、そこにいるNPCのミスラに歩み寄った。いつものように、元気な声が返って来る。
「いらっしゃいなのニャー! いっぱい買ってってくれると嬉しいニャー! ここは、ノルバレン物産店なのニャー!」

画像・NPCミスラ。
ノルバレン物産店のミスラ、Posso Ruhbini。

「だにゃー」形式で喋るミスラは、以前書いたことがあるように底が浅いと感じてあまり好きになれない。だが、このPosso Ruhbiniは別だった。元気な声。「だにゃー」ではなく、「なのニャー!」と少し変化のある口調。「いっぱい買ってってくれると」の部分の、「買ってって」の言い回し。全てが愛おしくて、いつもついつい話し掛けてしまう。そして何も買わないことを、申し訳なく思ってしまう。……しばらく、この娘とも会えなくなる。

港を移動し、桟橋のミスラに声を掛ける。そのミスラに8,000ギルという大きな金額を手渡して、一つの貝を入手した。未開封の「リンクシェル」。多くのプレイヤーを結び付ける、通信アイテムだ。リンクシェルを開け、名前とカラーを設定する。色は深い緑。そして名称は、「DulcetWind」と彫り込んだ。Flさんに貰ったリンクパールを取り外して、このリンクシェルを装備する。画面、ドルシネアの名前の左に、「DulcetWind」のパールが表示された。

画像・リンクシェル「DulcetWind」。
深い緑のパールが輝く。隣のミスラはリンクシェル屋。

リンクシェルからは幾つも「リンクパール」を取り出すことが出来る。これを配布することにより、リンクシェルのメンバーを増やすのだ。早速パールを幾つも作り、配布に回ることにした。

まずは森の区へ。広場の噴水に歩み寄り、そっとパールを「捨てる」。パールは恐らく、水の底に留まることだろう。チョコボ厩舎の側にいるNPCのタルタル黒魔道士に飛ばしてもらい、水の区へ移動。いつも釣りをするお気に入りのポイントまで駆けていき、そこでパールを「捨てる」。ぽちゃんと音を立てて、水面に波紋が広がったに違いない。

門から外に出て、西サルタバルタを走る。駆け上がり、星降る丘の頂上へ。「Twincle Tree」の根本にパールを「捨てる」。深夜0時過ぎに降る星の光で、パールも光り輝くかもしれない。南下して、ホルトト遺跡の向こう側へ。海釣りを楽しむ断崖で、パールを「捨てる」。魚に食べられなければよいけれど。

ウィンダスへ戻り、モグハウスに帰宅。最後の用意を整える。そしてここにもパールを「捨てる」。部屋をゆっくりと見回してから、扉を開けて外へ出た。いよいよ、旅立ちだ。

ジョースターさん… 身内はいなくても フランスはおれの祖国なんです
…故郷には思い出がある
どこへ行っても必ず 帰ってしまうとこなんです

「ジョジョの奇妙な冒険」第28巻、ジャン・ピエール・ポルナレフの台詞より。

森の区の門を出て、東サルタバルタを北上する。丘の上まで登り、足を止める。長くここで過ごした。この草原には、とても多くの思い出がある。毒に倒れ、ケアルで救い、釣りに一喜一憂した。やがてレベルが上がり、狩り場はこの先の峡谷へと移った。草原はその先へと急ぐための、通り道に過ぎなくなったけれど……それでも思い出のある一番愛しい風景は、やはり風に草木が揺れるこのサルタバルタなのだ。

丘の上に立つ一本の木は、狩りから返ってくるときにいつも目印としていた。丘を登ってこの木の元に初めて来た時、その向こうに川が流れているのを見て胸が躍った。この近くで初めてパーティを組んで、恐怖の対象だったヤグードを倒した。

木の根元に最後のパールを「捨てる」。旅立った先で貝……「DulcetWind」のリンクシェル……を耳元に寄せれば、いつでもウィンダスの、サルタバルタの声が聞けるだろう。ドルシネアとウィンダスを結ぶためだけのリンクシェル。装備から外したシェルを懐にしまい、ドルシネアは北へ走りだした。異国へ向かう、初めての旅の始まりである。


異国に至る狭き道

東サルタバルタからタロンギ大峡谷へ。そしてブブリム半島を渡って港町マウラまで。そこから船に乗り、遠くセルビナへと移動した。ここまではもう何度か体験している、慣れた道のりである。問題はここから先だ。バルクルム砂丘を突っ切ってその先へ行かなければならない。砂丘での狩りは経験済みだが、それはパーティでの団体行動。しかも土地勘のある冒険者と一緒だった。今回はその辺さっぱりなドルシネア一人きりである。

取りあえず、羊の世話をしている話の長い爺さんの隣で、夜が明けるのを待つことにした。夜はゴブリンの目が利くらしいし、何よりこちらがゴブリンを見つけづらい。明るくなってからの方が、随分楽だ。ブブリム半島の横断も、出来るだけ昼が好ましいと日頃から思っている。

夜が明けた。装備を整えると、意を決してセルビナをそっと出た。マップを出して位置確認。マップの右側、つまり東にまず行ってから、南東に行くと。そしてなんだか狭くてやばそうなところを抜けると、その先はコンシュタット高地の筈だ。地理関係から推測すると、コンシュタットまで抜ければ怖い敵はいなくなる筈。何故ならそこは、ウィンダスから見た場合のタロンギ大峡谷に当たる様な難易度になる筈だからだ。そう、バストゥークから始めた冒険者が、グスタベルグという土地を越えて到達するのがコンシュタットなのだから。

目指す国はバストゥークだ。この間旅立ったMhさんがまだいる筈の国である。何故サンドリアではなくバストゥークを選んだかというと、まず一つが錬金術ギルドがあるため。毒消し作りで錬金術スキルを少しばかり上げていたドルシネア。この先本格的に錬金術を学ぶため、ギルドに入会しておきたかった。錬金術用のアイテムも豊富にあるに違いない。

もう一つの理由が、バストゥークの周辺に広がるグスタベルグという土地は、砂と岩の世界と聞いていたから。正直、好みではない。対してサンドリアの周辺は、ロンフォールという森だという。森……木と緑の風景は、なかなか私の好みっぽい。そして私は、好きなものを後に取っておくタイプの人間なのだ。まずは好みでないグスタベルグを消化しておこうという、バストゥーク出身の冒険者が聞いたら機嫌を悪くしそうな理由だった。

画像・バルクルム砂丘。
青と白の爽やかな風景。それを乱す黒い点はゴブリンだ、逃げろ!

快晴の空の下、真っ白な砂丘をサクサクと音を立てて東へ。ゴブリンの姿を見つけては、見つからないように、気分を害さないように遠回り。まぁ、障害物となる物はほとんど無く、特に危険な状態になることもなく東の行き当たりまで走ることが出来た。

さて、ここから南東へ。……目前には林というか、森が広がっている。行動範囲が少々狭まったそこを抜ける必要があるようだ。青々とした木が生い茂り、見通し最悪である。ターゲットを左右に振ってみると、やはり森の中にもゴブリンがいるようだ。難関である。

画像・砂丘の森。
何人かの冒険者に続いて、森に突入。

森の中に入ると、少しは先が見やすくなった。ゴブやら羊やらカニやら、色々いる。羊やカニは、自分から攻撃を仕掛けてくる「アクティブ」な敵ではない。こちらから攻撃を仕掛けさえしなければ、安全である。ちなみに間違って攻撃を仕掛けてしまったら、あの世行き確定である。やはり問題は、アクティブであるゴブリンだ。うろうろするゴブリンをじっとり睨みながら、間合いを計る。そして広く開いた空間にすかさず飛び込んで、その先へと走り抜けた。

と、ゴブリンに追われる冒険者を一人見る。助けたいが、助けたらこっちが死んでしまう。助けに入って、二人掛かりで倒すというのはどうだろうか?とか考えながらハラハラ見守っていると、何とか一人で切り抜けたようである。勝手にホッとする。無事で何よりだ(訳:あぁ、私の見ている前で死なれないでよかった。後味悪いもんな)。

さて、マップを見るとこの先は一際狭い道が少しあり、どうやら洞窟か何かをちょいとくぐると、コンシュタットはすぐそこのようだ。急ごう、明るい内に砂丘はクリアしたい。

ところがそんなドルシネアの目に映ったのは、狭い道に立ちふさがるゴブリンの姿だった。道幅は一番狭いところで十数メートルというところだろうか。その両側は岩壁がそびえていて、逃げも隠れも出来ない。どう見ても、ゴブリンの側を通り抜けなければならないようだ。これはツライ。ブブリム半島も狭い場所を駆け抜けるが、もう少し幅があるし障害物も多くある。岩陰に身を潜めながら、ちょいとした隙に駆け抜けることが出来る。でも、これはどう見ても無理。ゴブリンが壁の方を見ていない限り、見つかってしまう。

という訳で、「ゴブリンが壁の方を見」るのを待つ。ひたすら待つ。なかなか動かない。時間がどんどん過ぎていく。やばい……もうそろそろ日が暮れてしまう。ゴブリンの目が良くなってしまう。強さは「丁度よい」だ。いっそのこと、絶対回避使用で戦ってみようか。最初に不意打ちを決められれば何とか……。

なんてことも考えていたら、信じられない事態になる。その道は先で左へと曲がっているのだが、そっちからもう一体ゴブリンがやってきてしまう。しかもこっちは「強い」ゴブリン。もう絶対に敵わない。泣きそうな気分になる。後ろを振り返ると、こっちにもゴブリン。進退窮まった状態で、遂に日が暮れる。

暗くなった砂丘で、未だ動きの取れないミスラが一匹。ここに停まって、現実時間でも結構な時間が経っている。こんなとこをMhさんは抜けていったのか……スゴイなぁ……。途方に暮れていたドルシネア。そこに道の向こうから、救世主がやって来た。ガルカが一人。名前が青いので、サーチを掛けてもレベルが分からない。おんや?と見ていると、そのガルカがおもむろにゴブリンに斬りかかった。その一撃でゴブのHPがぐんと減る。すぐに側のゴブリンがリンク。しかし少しも動じることなく、ガルカさんは二体のゴブリンを相手に戦う。

画像・救世主ガルカ。
強靱な肉体を振るわせて、ガルカさんが大暴れ!

折しも砂塵が吹いていたのだが、ガルカさんのすぐ後ろにアースエレメンタルが出現してしまう。エレメンタルはアクティブではないものの、魔法に反応して攻撃を仕掛けてくる性質を持つ。ゴブリンよりも強い筈。ガルカさん危ないよ……とハラハラしていると、ガルカさんが魔法を使ってしまう。ああっ!というドルシネアの悲鳴と共に、ガルカさんに突撃していくエレメンタル!

しかしガルカさんは慌てた様子もなく、エレメンタルは放ったままでゴブリンを始末する。このままエレメンタルと戦うのか?と思っていたら、ちょうどその時砂塵が止み、エレメンタルは消えてしまった。敵全滅……助かった、これで先に進める。ガルカさんにお礼のお辞儀でもしようかなと思っていると、ガルカさんは反転、来た道を戻って姿を消す。慌ててその後を追うドルシネア。ともあれ、難関突破!

画像・暗闇の戦い。
白と黒の世界で、静かな戦いが繰り広げられる。

ガルカさんを追うようにして、その先の洞窟へ。途中でコウモリに絡まれてしまう。慌てて剣を抜いていると、ガルカさんはそのまま先へ。見えなくなってしまった。コウモリといえば、怖いのはリンクだ。戦いながらビクビクと周囲を見回す。二度絡まれたが、無事に切り抜けた。少し進むと、洞窟を抜けた。

次のエリアに近いからだろう。幾つかのパーティが狩りをしているのに出くわす。死者が出ちゃったりしているのを横目に、先へと急ぐ。足止めされていた時間が長すぎた。もう現実時間もすっかり遅くなってしまっている。正直、眠いのだ。今や冒険には、眠気との戦いという要素も加わっていた。


異国への期待と異国での現実

画面が暗転して、エリア切替え。コンシュタット高地に出る。灰色の岩盤と緑の草木がコントラストを作っている。先に進むと、緩やかな凹凸が視界一面に広がった。草の生えているタロンギという印象だ。ここにはそれほど怖い敵はいない筈。どんどん先へ進む。見慣れない生き物がいた。名前を見ると「トカゲ」らしい。しかしそれは、出来損ないのサンショウウオという感じの見た目だ。二本足で歩いているようだし、大きな顔がなんだか結構不快だ。近付いても絡んでこない。アクティブではないのか、単にドルシネアが強いからか。

やがて、空がうっすらと色づいてきた。夜が明ける。高原に風車のシルエットが浮かぶ。羊がのそのそと歩むのを見た。正月の羊たちを思い出す。見慣れたタマネギを見て、ちょっとホッとする。

画像・コンシュタット高地の夜明け。
噂に聞く風車。こんなにあるとは……少々興醒め。

こんなに風車があるとは思っていなかった。もっと緩やかな高地を想像していて、その中にぽつんと立つ大きな風車を期待していたから、ちょいとガッカリ。風車は動いているのだけれど、人気はないんだよね。ちょっと不気味かも。……そんなことを考えながら、コンシュタットを南下していく。

コンシュタットはその作りもタロンギに似ているようだ。南部は山脈となっていて、切り立った崖の間を細い曲がりくねった道が続いている模様。その手前で、しゃがんでヒーリングしているモンクが一人いた。すれ違いざまに、ケアルを掛ける。一言二言、言葉を交わした。この旅で唯一の会話だったかもしれない。

先を行く冒険者の背を見つめながら、細い道を走り抜ける。画面暗転して、エリア切替え。いよいよ最後の地、グスタベルグだ。

画像・グスタベルグ。
そこには灰色一色の荒野が広がっていた。

「砂と岩」というより、「岩と岩」という感じ。またしても予想と異なる景色に驚いた。もっと黄色っぽい、粉っぽい風景を予想していた。なんだか一面、火山の火口付近という印象。草や木の生きる余地も無さそうだ。大きな亀の獣人(初めはガルカだと思った)を眺めながら、北グスタベルグから南グスタベルグへ移動する。

灰色の地を駆けながら、周囲をグルグルと見回す。右手に白い湯気の上がる、こぶ状の岩が点在する奇妙な場所を見掛けた。温泉でも沸いているのだろうか。亀人間の他にいる敵と言えば、タマネギとピンク色のトリ。生理的に受け付けない顔のトカゲもここにいた。こんなに固そうな地面から顔を覗かせるミミズもいた。ミミズといえば、ギデアスとシャクラミ。暗い洞窟の中にいるものという印象だったので、こんな青空の下で会うことになるとは思ってもいなかった。……彼等とは、明日からの修行でお手合わせ願う訳だ。一つよろしく。

やがて日は暮れ、赤く染まった空の下、岩壁にぽっかりと開いた門の前にドルシネアは辿り着いた。この向こうがこれからしばらく滞在する異国、ヒュームとガルカの国・バストゥークだ。やっと辿り着いた。取りあえず、休みたい。

疲れた身体を引きずるようにして、バストゥークへの門をくぐった。

本日のまとめ

画像・バストゥークへの門。
正直、疲れました……。

Record Link