Last Modified : 8 JANUARY 2004
From Dulcinea's diary Part.1 "The Mother Dulcet Wind".
ギデアスの暗い洞窟内で年を越したあと、ギデアス攻略を諦めたドルシネアは東サルタバルタを北上していた。コルシュシュ地方のアウトポストへ補給物資を送るクエストを受け、ブブリム半島を目指したのだ。
曇り空の下、草原をさくさくと音を立てて走るドルシネア。と、前方に見慣れない物の影が現れた。……小さな山が動いている? 数珠繋ぎに? そのまま走り寄ったドルシネアが見たものは、話に聞いたことのある、サルタバルタには生息する筈のない動物だった。
羊だ! 羊が一際でかいヤツを先頭に、何匹も行進している! そしてそれを何人もの冒険者が追っている。これは何事だッ!?
補給物資のことを頭の隅へと追いやって、進路変更。ドルシネアも羊たちを追っていく。羊の足は追いつけない程ではないが、なかなか速い。しかもそれぞれに別の名前が付いている。走りながらメモったその名前は、先頭から以下のようなものだ。正解かどうかは、分からない。
先頭の「Fortune Ram」はとんでもなくでかい。これが話に聞く恐怖の羊、「トレマーラム」の同等種なのだろう。こいつの近くに行くと、地面がゴゴゴと激しく揺れる。山の様な身体といい、強烈なインパクトだ。
今、オンラインに繋いでいるフレンドを調べると、Mmさんが遠く離れた地に丁度いた。メッセージウィンドウに表示されるTellだと、戦闘等の場合迷惑になりかねない。そこでメールのようなシステムである、メッセージを送ることにする。「今、東サルタバルタに羊がいます!」とかなんとか書いて送ると、程なく返事がメッセージで来た。なんとMmさんも今、羊を追っているという。どうやらこの羊、正月のイベントキャラクターであるようだ。各地に出現しているらしい。
メッセージには、更に驚きの内容が記されていた。羊の先頭にいる「Fortune Ram」にアイテムやお金を「トレード」すると、おみくじと同様に「大吉」だの「吉」だのと運勢が告げられるという。また、アイテム「オトシダマ」をくれることがあるというのだ。オートランで羊を追跡しながらメッセージを読み、何それっ!?と驚いている最中、羊と併走する冒険者の一人が「オトシダマ」を使ったのを示すメッセージがウィンドウに表示された。ホ、ホントにあるようだッ!
俄然気合いが入るドルシネア。先頭の羊にターゲットをロックオンし、周りの冒険者に負けじとガンガン走る。
だが、フィールドにいるのは羊と冒険者だけではないのだ。イベントのキャラがいるその草原ではあるが、そこには日常も存在するのだ。そう、冒険者達を襲う敵たちが。
ヤグ二匹を倒した後で羊を追おうと剣をしまうと、更に背後からヤグに襲われたりした。一番レベルの高いシーフだったので切り抜けられたが、もう一匹いたらやばかったかも。Mmさんとメッセージのやり取りをしながら後を追い、なんとか羊と冒険者達を再発見できた。
多くの冒険者が見守る中、崖を登るという暴挙に出た羊たち。越えられない冒険者達は方向転換、急いで崖の迂回コースを取る。移動速度を上げるジョブアビリティ「とんずら」を使ったり、チョコボに乗って追跡する者達が先行する。チキショー、ちゃっかりしてやんのー!と毒づきながらひーこら走るドルシネア達。
低レベルの冒険者の中には、ヤグに絡まれ力尽きるものがいた。羊を追って死ぬとは、何と悲しい……。そんな死体を見ていると、同じく羊を追っていた冒険者が歩み寄り、蘇生魔法・レイズを詠唱した。生き返る死者。あぁ、なんと感動的な場面であろうか。死因が羊追跡ってのが、やはり間抜けだが。
Flさんがログインしたので、羊のことを告げる。合流の上、見失った羊を二人で手分けして探す。先に西サルタバルタで羊を見つけたFlさん、なんとオトシダマをゲットしたという。ちなみに私は、アイテムやお金をトレードしても「中吉」を告げられるだけで、オトシダマを入手できていなかった。Mmさんも同様だ。……まぁ、Mmさんは「凶」だったのが違うところだが……南無阿弥陀仏。
その後色々なアイテムを渡すもオトシダマは貰えず。結局、Flさんがオトシダマをゲットしたときにトレードしたアイテムを、わざわざ競売所に行って購入してから再びチャレンジ。これでようやく、私もオトシダマをゲットした。4時過ぎまでかかってヘトヘト。必要以上に疲れた気分に包まれながら、モグハウスにて就寝した。
モグハウスに起床すると、花が何やら光を放っている。収穫できるようになっていたのだった。収穫物は「ブルーピース」という豆が11個。あと一個あれば一ダースで切りが良かったのに。一ダースあれば競売に出せたのにとか思いつつ、でも栽培でゲットできるようなものだから、そんなに高く売れそうにもないなと思ったり。
Mmさんから貰った投てき武器・ブーメランを装備して西サルタバルタへ。周りに狩りをしている冒険者がいないのを確認してから、「練習相手にならない」強さの敵を相手にブーメランを投げまくって投てきスキルを上げる。昨夜からブーメランは使ってみていたのだが、「楽」な敵にはサッパリ当たらなかった。スキルが低いからかもしれないな、だったらもっと弱い敵なら当たるかも……と考えていたのだ。その考察が当たっていたのかどうか分からないが、ともかく当たるようになった。剣を抜かず、ひたすらブーメランだけで敵を倒す。スキルが上がっていく。
西から東へ。そして東サルタバルタを抜け、タロンギ大峡谷へ到着。遠隔攻撃武器をブーメランから弓矢に替える。まぁ、本気モードというところか。昨夜受けていながら羊追いのために放り投げた、アウトポストへの補給物資搬送クエストを進めるためにブブリム半島を目指す。
山脈を抜けて峡谷を駆け下りていた時に、前方を連なり行く羊どもと、それを追う冒険者達の姿を見つけた。おお、話の通り、サルタバルタ以外にも羊はいるのだな。このデコボコと上下する峡谷を、地響き立てて登っていく羊の雄姿。サルタバルタの者よりも迫力を感じる。
スゲーなーと眺めながら走っていたら、羊の陰からやって来た者とドンっとぶつかってしまった。おっと、こりゃ失礼ーとか呟きつつ相手を見たら、ゴブリンだった。さーっと血の気が引くドル猫。ここここりゃしつしつ失礼いいー(怒るなーあっち行ってくれー)と小声で唱え、静かにかつ迅速に走り去ろうとした。が、やっぱりゴブさん、怒ってた。ドルシネアを追いかけ、ガスガス殴ってきましたよ。
ひいいっ! だがブブリム半島への道は近いッ! こいつは逃げ切れるような気がッ! だだーっと東へ逃げ走るドルシネア。と、近くにいたパーティの一人が、ドル猫を追うゴブリンを指差した。更にそのパーティの誰かがゴブリンを「挑発」! 引き寄せられたゴブリンは、そのパーティとの戦闘に入った。
礼を言ってその場に止まり、戦闘の行方を見守る。程なくしてゴブリンは倒れた。改めてお辞儀をして礼を言うと、手を振ってくれたり応援してくれたり。いい方達だ。助けてくれて、有り難う。挨拶をして別れ、ブブリム半島へ。補給物資を渡して、無事にクエストをクリアした。
収穫して空いた植木鉢に、「謎の香草の種」を植える。最近よくタマネギと戦うので、他にも種が余っている。それならばと、もう一つ植木鉢を購入して部屋に配置した。Flさんに「漁師の次は農家ですか……w」とか言われてしまう。農家なら田んぼが欲しいものだ、とか思う。
思いながら西サルタバルタへ、竿を持って出掛ける。漁師にジョブチェンジ(違う)。お気に入りの場所に行って海へ糸を垂らすと、かなり良いペースで魚が釣れる。海苔も釣れる。というか、引っかかってるだけなんだろうな。
黙々と釣りを続ける中、FlさんとTellで会話。Flさんは、今日FFを始めたという黒魔道士さんにナンパされたそうだ。私はケアルで助けた人との会話はあるけれど、パーティを組むとかいう経験は無いのよね。「すぐ首つっこむからかなぁ……w」とFlさん。そうね、そうかも。私は人見知り激しいからなぁ。一人が好きだし。なんてことを思っていたら、釣りスキルが5に上がった。よーしよしよし。
競売まで持っていって価格をチェックするのが面倒くさかったので、安かろうと判断した魚を先にギルドに売ってしまう。これが大失敗、判断がまるで逆。大損でした。