1. 番長方面
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  3. ドルシネア・ダイアリィ 第一部・目次

Last Modified : 9 JANUARY 2004


堀ブナで一攫千金

モグハウスに起床、白魔道士にジョブチェンジ。まずは倉庫からいらない物をかき出して、売り飛ばしに出掛ける。競売を使うのも面倒なアイテムなので、港の防具屋へ売り飛ばす。シーフと白魔道士、二つのジョブそれぞれに装備を持っているし、釣りの道具なんかもあるので倉庫を圧迫してしまう。少々空きスペースが厳しくなってきた。

さて! 今日は釣りである! 前日予定していて出来なかった、「堀ブナうはうは作戦」の決行である! 「堀ブナうはうは作戦」とはッ! 昨日辺りから競売における在庫がほぼ底をついた堀ブナを一ダース揃えて売りに出し、すぐさま売れて大儲けという一攫千金の計画である。何しろ堀ブナの相場は一ダース3,000ギル。3,000ギル! これは見逃せない! 倉庫に貯まっている堀ブナが、現時点で九匹。即ちあと三匹! 三匹で3,000ギル! 竿を握る手にも力がこもるってヤツだッ!

森の区、キリン牧場にいつもいる釣り師ガルカさんの横に陣取り、意気揚々と糸を垂らす。一度逃げられたあと、ばっちり堀ブナゲット! あと二匹だ、燃えるぜ! 少しして糸が引かれた! 気合いと共に竿を上げると、バキッという小気味いい音が。竿が折られた! 初めて折られた! 「かなり大物がかかったようだ。」とかいうメッセージが表示されている。大物なんていらないよ、堀ブナなんだよ! モグハウスから予備の竿を持ってきて釣り再開。いきなりヒット、逃げられる。今日はヒット率が高い。いい感じだ。

ところがこの後、釣れるのはザリガニばかり。不本意なので場所を変えることにする。この移動中、やけに釣りをする冒険者の多いことに気が付いた。いつもはこんなにいない筈。何故に今日に限ってこんなに釣り人がいるのか。……さては「堀ブナうはうは作戦」を気付かれたか? ヤツらも堀ブナ狙いなのか? おのれ、にわか釣り師がッ!

新たな場所で釣りを開始すると、またもやザリガニが。餌が悪いのかも、と餌を替えて糸を垂らす。当たりにすかさず竿を引く。バキッ。……またかいな。もう予備無いし。走って港の釣りギルドまで。釣りギルド周辺の桟橋にも釣り人が大勢見受けられる。海釣りか。海では堀ブナは釣れないからオッケーだ。ギルドに駆け寄ると、深夜のため営業時間外。西サルタバルタへ出て、ウサギやゴブリン、カニを狩って時間を潰す。ギルドで竿を買い込んで、また釣りの再開だ……。

結局この後もザリガニしか釣れずじまい。堀ブナうはうは作戦、失敗!


届かない白魔法

白魔道士で東サルタバルタを歩いていると、丘の向こうから走るタルタルが現れた。と、その後ろにはヤグが続く。追われている?と思うのと、「たすけて」というタルの声が聞こえたのはほぼ同時だった。

もちろんだ、とヤグをターゲット、呪文の詠唱に入る。だがここで私は唱えるべき魔法の選択を誤った。つい、いつも戦闘を始める際と同様の手順で、詠唱時間の比較的長い「パライズ」を選んでしまったのだ。しかもこのパライズ、まだスキルがあまり上がっていない。結果、途中で詠唱が止まってしまった。ぎくり。遠ざかりつつあるタルとヤグ。

まだ間に合う、と今度は詠唱時間の短い「ディア」を選択、詠唱に入る。滅多に詠唱の止まらないディア。自信を持って唱えたのだが、相手のヤグが高速移動していることもあってか、この時は詠唱がまさかの中断。驚愕と共に、既に二人はこちらの呪文が届かないほど離れてしまったことに気付いていた。

絶望の影を感じながら、取りあえず後を追って走り出す。しかし相手が真っ直ぐ遠ざかるようなコースを取った場合、こちらは絶対に追いつけない。追われた場合、近場に救援者がいるのなら下手に動かない方がいいのだ。しかし追われて慌てた場合、「動かない」という選択肢はなかなか取れるものではない。その感覚は体験しているから、分かる。だがこの時は、ただ止まってくれと祈っていた。そう呼び掛ける余裕は、まだ私には持てなかった。

だがこの時、そのタルは緩く曲がる道に沿うようなコース取りをした。ドルシネアがその内側を走ることで、徐々に距離が縮まりつつあった。更に、そばにいた男性のヒュームが反応を見せた。二人に振り向き、寄る素振りを見せた。やってくれるのか! 希望が湧いた。よしっ、ヤグは任せた!と足をタルタルの方に向ける。接近。ターゲットをヤグからタルタルに向ける。HPはほとんど無い。まだヤグはタルに手を振り上げている。ケアル詠唱のマクロを選択……。

しかし次の瞬間、タルタルにとどめが刺された。命を失い、灰色に染まる名前。倒れるタルタルの身体。その時ようやく、男の剣がヤグに届いた。

ヤグが倒れ、ヒュームの剣がジャキンとしまわれる。「あ、遅かった?」という男の声を、渦巻く悔しさの中で聞いていた。……まだまだ。まだまだ私は、未熟なのだ。

本日のまとめ

画像・サルタバルタの朝日。
イモムシ狩り饗宴の終わり、眩しい朝日。

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