1. 番長方面
  2. Dulcet Wind
  3. ドルシネア・ダイアリィ 第一部・目次

Last Modified : 8 JANUARY 2004


世界を移る者

最近、競売所関係のシステムがよく機能不全に陥る。競売所自体や、その売り上げを各人のポストに送る配送サービスが使えないのだ。物は買えない、売り上げも手に入らない。前者は高い出費を我慢すれば、町のお店でカバーできる。バザーを利用する方法もある。しかしどちらも、品揃えに問題がある。不便だ。

売り上げを手に出来ないまま、取りあえずレベル4の白魔道士にジョブチェンジ、モグハウスを出る。出るなり周囲に問いかけるSayがログに流れた。「すみません どなたかワールド移転を受け付けてるNPCのいるとこ 知ってる方はいませんか?」

先日から、サーバを移るプレイヤーを募っていた。プレイヤーの増加でサーバの負担が高まったため、分散させてその軽減を図るのだろう。希望者がサーバ移転を申し込むには、フィールド上にいる移転申込み用のNPCに話し掛ける必要がある。そして私は先日、偶然そのキャラに出会っていた。

画像・サーバ移転用NPC。
赤い鎧のNPC「World Shifter」。

そういえば、システムやユーザ間のトラブルなどに遭遇した際に呼ぶことの出来る「GM」等、特殊なキャラクターはこういう赤いキャラだと聞いたような気がする。結局、前述の問いかけには、私ともう一人の冒険者が答えた。彼の人は、これから新たなサーバで新たな世界の開拓者となるのだろう。コンクェストで国勢を動かし、敵を倒して得たり合成して作り出すアイテムによって、経済を動かすのだ。それもまた、一つの冒険に違いない。


ドルシネアのアザナエル 〜 ケアルが創る風景

白魔道士で経験値稼ぎ。「同じくらいの強さ」相手に、ワリと厳しい戦いで一戦に付き獲得経験値100とか。現在のシーフではこんな無茶は出来ない。低レベルで、かつ回復魔法・ケアルがあればこそという感じ。そして敵との戦闘の合間に、周囲の冒険者を観察する。

先程までイモムシと戦い、勝利したタルタルのレベル4シーフさんの挙動がおかしいことに気が付いた。体力を半分以上減らされているのに、しゃがんで回復しようとしない。所在なくうろうろとしている。何をしてるんだ?としばし見ていて、はっと思い付いた。毒か!? 相手はイモムシだった。毒を食らったのか? 慌ててターゲットをタルタルに合わせる。表示される体力ゲージを見つめていると、少ししてクンと体力が減った。毒だ! しゃがみたくてもしゃがめないのだ!

すぐさまケアル。続けてケアル、ケアル。するとタルさんはドル猫にぺこりとお辞儀をした。毒ですか?と尋ねると、「はい><」という返答が。やがて毒が切れたタルさんと、しばししゃがんで回復アンドお喋り。タルタルということもあって、毒に戸惑い怖れる様子はとても頼りなく見えた。

それからしばらく後、FlさんとTellによる会話の最中だった。草原を駆けてきた一人の冒険者が、フィールドの端でしゃがんでいるドルシネアの側に立ち止まった。次に突然、彼はドルシネアにお辞儀をしたのだ。そしてすぐさままた走り出し、森の区への門へ姿を消した。呆然と立つドルシネア。

失礼だが、覚えのない名前だ。以前に辻ケアルを施した相手だろうか。それとも向こうの勘違いだろうか。分からない。「誰だろう」と呟いて、Tell相手のFlさんを困惑させた。

もう一つ。女性ヒュームのモンクがヤグと戦っていた。双方のHPの減りを細かく見比べる。微妙な戦況だ、どっちが死んでもおかしくない。むしろモンクさんの方がヤバ目か。いよいよ切羽詰まったところでモンクさんにケアル! やはりケアルに反応し、ヤグはこちらに向かってきた。ボコスとヤグに殴られながらモンクさんに走り寄って手渡して、ヤグを始末してもらう。

お礼のやり取りをしながら、その場に二人しゃがみ込んだ。やれやれと一息付こうとしたその時、二人のすぐ隣に新たなヤグードが出現。突然の出来事に、瞬間凍るヒュムさんとドル猫。まだ体力回復してません。

すっくと無言で立ち上がり、走って逃げ出す二人。少し離れたところへ移動してから、
「いきなりヤグがw」
「びっくり!w」
「にひひw」
と笑い合った。

この日は更に、しゃがんでヒーリングしていると、突然そばの岩陰からタルタルがちらりと姿を現し、ドルシネアに「ケアルII」をかけたかと思うと、またすぐに岩の向こうに姿を消す……という早業を披露された。思わず目を丸くしてしまった……色んな人が、いるものだねぇ。

本日のまとめ

画像・ケアル詠唱。
一つの魔法が多くの冒険者達を結び付ける。

Record Link