Last Modified : 8 JANUARY 2004
From Dulcinea's diary Part.1 "The Mother Dulcet Wind".
東サルタバルタにいきなり撃沈したドルシネア。しかしピクミンことマンドラゴラを倒した分の経験値・50は失われていなかった。レベルの低い頃はデスペナルティは無いと、何処かのFF日記で読んだような気がする。まぁ、最初から戦闘が徒労になることは無かった訳だ。不幸中の幸いなり。
町を駆け抜け、西サルタバルタに場所を移す、小心者のドル猫。そこにもピクミンがいたがヤツ等には目もくれず、ハチの方に手を出した。……うむ、今度は行ける。心配していた針による攻撃も、ちょいとダメージの大きい特殊攻撃がくる程度で大した事は無い。安心してハチを狩り続ける。戦闘が終わったら、他の敵に襲われないように草原の端まで行ってしゃがんで回復。体力が満タンになったら立ち上がり、再び近場のハチに走っていく。倒す、倒す。レベルアップ! 更にハチを狩る。たまに「蜂蜜」とかいうアイテムが手に入る。俄然楽しくなってくる。がんがん倒す。レベルアップ!
たまに町へ帰ってくる。手に入れたアイテムの流通価格を調べに、競売所へ向かう。最初の頃、人がいっぱい並んでいて驚いたのは競売所だったのだ。蜂蜜が1ダースで400〜500ギルで売買されている。100の単位! 凄い大金に思える。何しろハチを倒しても、よくあるRPGのようにお金を落としたりしないのだ。いまだ所持金60ギル。早く蜂蜜を1ダース揃えたいと思う。ややっ、ハチの落とす「虫の翅」は1ダース900〜990ギルだって!? それはスゴイな! むむむ、毒消しが100ギルで売られている。薬屋では328ギルだったのに。競売所恐るべし。毒消し、欲しいなぁ。
要領を得たドルシネア。また東サルタバルタに戻ってきて、狩りを続ける。ハチを倒し、レベルが上がって「楽な相手」と表示されようになったウサギも狩る。ハチの経験値が落ちてきたが、ウサギはハチの倍の経験値だ。おいしい。レベルは4になった。
町から草原に出る門の周りは、基本的に弱い敵であるハチとピクミンだけしかいない。そこは平和な、我々初心者の鍛練の場だ。しかし時折、無謀に強い敵に挑んだ低レベル冒険者が、ウサギに倒されたちゃったりもする。ある時は何が起きたのか、門の中に一人の男性のヒュームが倒れていた。その横に、女性のヒュームが寄り添うように立っている。私のように、毒に倒れたのかもしれない。油断は禁物。そんな光景を見るたびに、忘れていた緊張感が少し強まる。
草原で短剣を振るっていると、友人・FlさんからメインPCの方にメールが届いた。Flさんの友人(FFXIの先輩だ)が買ってくれたワールドパスポートを、私にも提供してくれたのだ。これでFlさんと同じサーバでプレイすることができる。ありがたいことだ。残念ながら、今ドルシネアのいるサーバとは違っていた。サーバを移動するには、キャラを作り直さなければならない。
ゲームを終え、レベル4のドルシネアを消去。そして別のサーバに再び、レベル1のドルシネアが誕生した。
転生してまず驚いたのは、オープニングのイベントが前に見たものと違うことだった。前はまずミスラの姐御が登場し、そこに数人のタルタルが乱入してくるという流れだった。ところが今回は、そもそも前と違う場所(但しウィンダス内であることに変わりは無い)に現れ、そこにタルタルの兄妹が登場するというものになっていた。いろいろ用意されているものなのだなぁ、と感心した。後日知ったが、ウィンダスのオープニングは三種類あるらしい。
始めたばかりではあるが、既に二回目のスタート。何をやればいいのか、何処へ行けばいいのか、基本的なことはもう分かっている。先日と異なり、実に気楽に進められた。門の外へ出てハチを狩ったり、町でクエストを引き受けたり。極めて順調。冒険者優待券を交換するのを忘れていて、しばらく所持金10ギルで過ごしてはいたが。
所持金を増やすために、まずはクエストを少しこなしてみようと決めた。町中のNPCの頼み事を解決して報酬を貰うのだ。何処でクエストが発生するのか、あまり詳しく覚えていない。取りあえず町中歩き回ってNPCに声をかけまくると、帽子の新製品を宣伝するというクエストが発生した。その区にいるNPC、できるだけ多くに帽子を見せて廻れとのこと。一体何十人いると思ってるのですか。ひいひい言いながら、帽子を握りしめ夜の町を走るドル猫一人。
この頃、Flさんと声だけ初遭遇。周りにはチャットの内容が漏れない会話形式・Tellでお話しする。その中で、「シグネット」について教えてもらう。……FFXIには「コンクェスト」という国の勢力争いの概念があり、それに参加する手段がシグネットだ。町を出る門の所にいる特定のNPCにシグネットを掛けてもらい、それが有効な間(結構長い)に外で戦闘して敵を倒すと、それが国力に反映されるという訳だ。バストゥーク、サンドリア、そしてウィンダスの三国で順位が決定し、順位が高ければ国が潤う。いいアイテムが売りに出たり、町に楽団がやってきていたりする。実際、今は森の区にある噴水の前で、楽団が楽器を弾いたりナイフを投げたり火を吹いたりピクリとも動かなかったりしている。
ちなみにシグネットに掛かっている間に死んでしまうと、それはマイナスとして反映してしまう。死人があまりに多いとその地域は「獣人」達の支配下となり、クリスタルが入手できなくなる。クリスタルはアイテムの合成などに必要で、競売所などでもワリといい値段で、非常に多く売買されている。それだけ必要なアイテムということだ。そんな大切なアイテムのためにも、獣人支配は避けなければならない。つまり死ぬなっ!……ということらしい。
もっとも、この時Flさんに教えてもらったのは、この様なコンクェストについての話ではない。ただ、シグネットが掛かっていれば、敵を倒したらクリスタルを出すようになるということだった。そのクリスタルがいい値で売れる。お金に困っている我々初心者としては見逃せない情報だ。心に留めておく事にする。
宣伝クエスト、無事終了。報酬に200ギルと「風切り帽子」を貰う。時間は掛かったが、お金も新たな防具も手に入った。甲斐はあったというものだ。風切り帽子はレベル4から装備可能、まだ無理だ。レベルアップの楽しみがまた増えた。モグハウスに戻り、金庫に帽子をしまい込む。
東サルタバルタに出て、再び狩りへ。もちろんその前に、NPCのタルタルにシグネットを掛けてもらった。画面左上に、シグネットが掛かっていることを示すクリスタルのアイコンが表示されている。狩りの最中、敵を倒して一息付いた私に、荘厳な効果音と共に魔法が掛けられた。戦闘で消耗した体力が回復する。回復魔法「ケアル」だ。周りを探すと、タルタルが側にいた。頭上に表示されている名前を確認すると、ログが示す詠唱者の名前と同じである。この人がケアルを掛けてくれたらしい。急いでターゲットし、「メルシー! どうもありがとう!」と礼を言うと、タルタルは去り行きながら「いえいえーw」と返した。
狩りで手に入れた「風のクリスタル」を一個、競売に出品してモグハウスに帰宅。この日のプレイを終了した。……売れるだろうか。今まで感じたことのない期待感が、胸で暖かく灯っていた。