Bラジアルエレメントとしての測定
図7(A)は基本になる14MHz帯の1/4λ接地型アンテナです。このアンテナと同軸ケーブルのラジアルを組み合わせてインピーダンスを測定して動作状態を調べてみます。
ラジアルの同軸ケーブルは短縮率K=0.63で14MHzに共振するよう長さは3.3mです。
図7(B)の接続での測定値はRs=1Ω、Xs=0で給電部を短絡している状態でラジアルとしてもアンテナとしても動作できません。
図(C)と(D)は接続がやや異なりますが同図(B)と同じ結果です。図7(E-1)でRs=32、Xs=0と適当な値になりました、RXを接続すると信号も受信できます。一応アンテナとして動作していることがわかります。しかしRs=32Ωとやや高くこれは図7(E-2)のように1/4λ同軸直列共振回路を通し接地されているため共振回路のロス分が給電部インピーダンスを高くしていると想像できわざわざラジアルを接続した意味がありません。

図8は図7の測定に使用した同軸ケーブルを短縮率K=0.92の太い電線として考え長さ3.3mでは共振周波数が21MHz帯になるため21MHz帯用ラジアルとして測定してみます。
図8(A)は基本のアンテナです。図8(B)、図8(C)では共振周波数はあまり変化ありません、RsはそこそこですがXsは下がりきりません。これはラジアルの同軸ケーブルの共振周波数が14MHz帯であるため21MHz帯でのリアクタンス(1/4λより長いため誘導性リアクタンスになる)が給電点に並列に加わるためと思われます。図8(D)はラジアルの同軸ケーブルの給電部がわを短絡し接続したもです。Rs=31Ω、Xs=0Ωとなり同図(A)の状態とほぼ同じ結果です。この時短絡した中心導体の接続をはずしても同じ結果です。
同軸ケーブルの外側導体のみがラジアルとして動作していることが確認できます。