○市 長(土屋正忠君) 御通告をいただいた順序が若干ずれておりますので、ちょっとあちこち飛びながら答弁するかもわかりませんが、よろしくお願いいたします。
まず最初に、誤解があるといけませんので申し上げておきたいと存じますが、三宅議員が御指摘があったT案、U案、V案というもので、T案がいかにも安くて、U案、V案がビッグプロジェクトだと、これだけ聞いていますと、何かT案が数億円で、U案、V案が20億円、30億円だと。だから、T案をとればいいじゃないかと、こういうふうな、知らない人はそのように判断いたしますので、議員は知っておりますが、念のため市民に向かって申し上げておきたいと存じますが、T案というのは、この庁舎につくるという案であります。この庁舎につくるという案は、確かに数億円で耐震補強することができます。現在、この建物は1.25という基準でつくっていて、一部この1.25に適合しない部分があります。しかし、防災センターのためには、さらに一歩上の堅固な建物とするために、1.5という数値まで上げなければなりません。1.5という数値まで上げるということになりますと、大幅な耐久補強をして、その数字が数億円かかる、4億5,000万円ほどかかるということになるわけでありますが、4億5,000万円かけて十分な防災センターができれば、そっちの方が安いという単純な話になります。
ところが、1.5まで強度を上げるためには、壁を幾つも補強しなければならなくて、実際にオフィスとして使える部分というものが極めて少なくなるわけであります。また、それでなくても、この建物をつくったときの構想は今から30年前ぐらいの構想ですけれども、その30年前と今とでは全然状況が違って、オフィスが手狭になっているところに会議室の数も足らない。こういう全体的なことを考えると、これ以上、この庁舎をいじくって、耐震的な強度を1.5にして防災センターにふさわしいものとしたとしても、オフィスは狭くなる、そして壁が幾つも出て使い勝手が悪くなる、さらに会議室などにそれがしわ寄せが来る、こういうことで、実際に機能しなくなる、こういうことがあるわけであります。だから、4億5,000万円で強度だけは出るけれども、市役所としての機能が著しく損なわれ、防災センターそのものの場所も専門的な立場でとれなくなる、こういうことがあるので、ここはできないという、こういうことが前提になっているわけであります。そこのところを言わないと、何か4億5,000万円でできるんだったら、ここをいじくった方がいいじゃないかというふうに市民は受けとめますので、あえてそのことを、市議会の皆さんは知っていることですけれども、また長い間、議員をやっている方には、こういう議論、耐震診断を何年か前にやったときにやっていますので、知っていることですけれども、改めて申し上げておきたいと存じます。ただ、今回比較したのは、念のためのお金の比較ということで、このように出しているわけであります。
しからば、現在あるこの本庁舎以外のところにつくったらいいのかということになりますと、今、三宅議員が他の項目で質問しましたように、災害対策本部と本庁舎が離れるということになって、これはまた、そう言っては何ですけれども、この間の視察て大変御厄介をおかけいたしました、ある区のセンターなどは、恐らく区役所からそこまで行くのに大変でしょう。こういうふうな問題があるわけですから、結局ほかに単独でつくるということもプラスにならない。
となると、現在一番考えられるのは、西庁舎が2階までしか建ってなくて、しかも基礎的な部分はやがて8階まで建てられるような、当時のレベルで基礎を打ってありますので、この一部手直しして、途中で免震構造にして、この上を西庁舎の2階を8階ぐらいまで上げて使うというのが、一番市役所にも連結していて、本庁舎にも連結していて、なおかつ強度もあって、そして十分なスペースもとれるということですから、やはり西庁舎を考えるというのが一番適切なことになるんではなかろうかと思っております。
ところが、西庁舎を耐震を1.5にして、わかりやすく言うと、今あるこの庁舎は1.25で整備して、1.25よりも足らないところがありますから、それは何枚か壁を入れて補強して、全体を1.25にすると。西庁舎の方は防災センターですから、1.5という強度を確保するために、もっと厳しい基準でもって建物をつくると、これがあらあらの方向としていいんではないかと思っております。しかし、生半可な建物をつくるんじゃなくて、1.5という耐震を念頭に置きながらつくるわけですから、そう簡単に2億円や3億円というわけにはいきません。
しかし、20億円台というのは、そんなにビッグプロジェクトというほどの話ではありません。例えば、20億円とかという数字はどういう数字かといいますと、第四中学校の講堂をつくったわけですが、この第四中学校が30億円であります。千川小学校が47億円、今、大野田小学校をつくっておりますが、あれやこれや入れると35億円ぐらい、こういう数字でありますから。それから、例えば総合体育館などは60億円、文化会館は当時のお金で60億円、こういう金ですから、20億円というのはそれほど大きな金ではありません。例えば、吉祥寺シアターで6億円程度でありますから、そういったことだと。しかも、それは毎年かかるんではなくて、1回つくれば半永久的に使えるわけですから、イニシアルコストとしてはそう大きなものではない。小さなものではないけれども、ビッグプロジェクトと言うほど、そう大きなものでもないと、このように申し上げておきます。
したがって、市議会の皆さんとどういうふうなことを考えようかといったときに、特別委員会を設置してお願いするほどのことはないんだろう。ですから、所管の総務委員会に付託して、総務委員会の付託調査事項で御相談申し上げればいいんじゃないかと、こういうふうな位置づけをしているわけであります。したがって、そういう位置づけですので、それほどおどろおどろした話で、ビッグプロジェクトとか、そういう話ではありませんから、その程度にまず受けとめていただきたいと存じます。
御質問のありました防災センターの市民に対する具体的なメリットでありますけれども、これは防災センターの性格上、直接的に市民にメリットがあるという性格のものではありません。例えば、市役所をつくるというと、じゃ、市役所に対して特別に具体的なメリットがあるかと。プレハブの市役所とどこが違うんだと、こういうことになるわけで、そもそも行政棟というようなものは、直接的な市民に対するサービス機関とは違います。例えば、図書館とか保育園とか学校とか、それから文化会館とか体育館とかといったような、直接市民にサービスを提供する、いわゆる公益施設ではありません。公共施設ではありますけれども、行政を行う際の施設でありますから、これはダイレクトに直接的に市民に即プラスになるというような性格のものではありません。一朝事あった場合を想定しながら、また日常的な防災業務を行っていく際に、いわゆるオフィスとして機能していくわけであります。
これは、例えば東京消防庁だとか、一番わかりやすいのは警視庁でありますけれども、警視庁の本庁があります。その中には、18階に指揮所、あるいは途中の5階でしたか、交通管制指揮所、こういったものがありますけれども、18階の指揮所は都民のためにどういう直接プラスがあるのか、あるいはパトカーの指令は直接どういうメリットがあるのか、こういうことを考えてみれば、直接の公共サービスを出す性格の施設ではありませんので、行政施設であると、このようにお考えいただきたいと存じます。
それから、建物の被害想定などについての御質問がございましたが、平成8年に一定の調査を行いました。一定の調査を行ったわけでありますが、他市ではある程度東京都がマクロ的に行った調査などを前提にしているところが多いやに聞いておりますけれども、武蔵野市は独自調査を行ったわけであります。その結果、木造建物の全壊が2,500棟程度と予想しているわけでございますけれども、この理由は武蔵野市は昭和56年のいわゆる新耐震以前につくった木造の建物が1万3,827棟と非常に多いわけであります。こういったことにかんがみて、一定のシミュレーションをした結果、こういった建物になったわけで、これは専門家がやったシミュレーションですので、当然こういったことを前提に建てるということになるわけであります。したがって、当然のことながら、被害想定をするときは実態調査をした上で、その上でさまざまな一定の条件を掛け合わせてシミュレーションすると、こういうふうなことであります。
被害想定について見直すべきではないかということでございますが、現在のところ、そういう考え方は持っておりませんけれども、考え方としては、何年かに一遍、被害想定のやり直しをするということは、その間にまちが変わってまいりますから、それはリーズナブルな御提案だと思いますけれども、それを何年ごとにやるのかについては、もう少し研究してみなければならないと思っております。他の機関、東京ガス、その他との関連する研究等については、必要に応じて今後やっていきたいと存じます。
なお、後に戻って恐縮ですが、防災センターの機能、たびたび申し上げておりますように、災害時における情報の収集、分析、それから蓄積、それから指揮命令などを行う指揮所、さらにボランティア等の活動を支援する機能及び備蓄機能等であります。なお、具体的な中身等については、現在、総務委員会の付託調査事項になっておりますので、総務委員会の中でさまざまな形で成果がまとまり次第、逐次御報告し、御意見を承っていきたいと、このように考えているわけであります。
さらに、防災センターの機能は、御承知のとおり、災害対策基本法や武蔵野市災害対策本部条例により、災害対策本部が設置されるため、災害対策本部の機能を果たすというのが中心のわけであります。どのような機能をやるかについては、現在検討しておりますので、しかも付託調査事項でありますので、総務委員会の中でいろいろ議論していきたいと思いますけれども、基本的には私は部下に対してこのようなことを言っております。過剰な装備はやめようということを一つ言っております。過剰な装備は、必ずメンテナンスだとか、持て余すから、武蔵野市の特性を考えなさいと。武蔵野市の特性というのはどういうことかというと、武蔵野市は消防とか警察とかというところと違いますから、例えばどーんと地震が来たときに、直ちに駆けつけて、瞬時に一刻を争って助けるということではありません。それは、消防や警察。ただ、消防団の指揮ということに関しては武蔵野市ですけれども、常備消防については東京消防庁にやっておりますので。だから、そういうことではなくて、どーんと来た後の避難民をどうするかとか、それからいわゆる被害に直接立ち向かうんではなくて、被害から起こるさまざまな現象、例えば水が出ないとか、下水があれだとか、けが人が出るとか、それからいっとき一時避難場所に流れてきた人に対して食糧を供給するとか、必要なサービスをするとか、そういういわゆる災害に対して救急対応することも大事ですけれども、その救急対応しているのは、刻一刻と救急対応していると同時に、そこから次の手をどういうふうにするかということを考えるのが市役所の主たる仕事ですから、そういうことを念頭に置いて、過剰な装備にならないようにということを1つ指示いたしております。さらに、かてて加えて、御指摘のあった日進月歩の中に対応できるようにということと。だから、俗に言う防災機器の売り込みに乗るなよということを言っているわけであります。三宅議員の御指摘と同じような観点でやっているわけでありますので、どうぞ御理解のほどお願いいたします。大画面モニターをつくるとかつくらないとかというのは、今後具体的な話でありますから、これらについては総務委員会で御報告申し上げていきたいと存じます。
なお、GISの活用などということにも御提言がありますが、三宅議員はまだ1期目の議員でございいますので、まだ御理解いただいていないかもわかりませんが、武蔵野市は最も早くGISをつくって、これに着手しているところであります。統合型GISをつくるということで、現在も作業が進行いたしております。したがって、こういうことをどうやって転用するかについては、これは当然考えなきゃいけないことだろうと、このように考えております。
次に、短期間でやるのはどうかということでございますけれども、これは例えば全く新しい、今、同時に大きなプロジェクトで進行しているのが、武蔵境の境南町の旧農水省倉庫跡地につくる知的創造の拠点でありますけれども、これと比較してもらえば一目瞭然なんですけれども、この場合には、新しい中身、新しい概念、新しいものをどういうふうにつくっていくかという、こういうことでございます。ところが、防災センターというのは、もう既に法が予定したものでございまして、その中身、態様についてはおのずから決まってくるわけであります。ですから、そういった意味ではモデルがたくさんあるわけで、現に三宅議員が自分で何カ所か見てきたというのは、既にモデルがあるから見てきているんです。したがって、中身的には、もうある程度確定しているものであります。あとは、スピードがあった方がいいわけで、極端なことをいえば、あしたにも大震災が来るかもわからない。しかし、あしたにはできないけれども、早ければ早い方がいいと私は思っております。今の体制では不十分だと思っております。
何で今まで不十分だったのかということについての御質問があるかもわかりませんが、実はこれをつくった昭和55年の、完成したんですけれども、このときはそういった展望がなかったから、最初から防災センター機能なんか、この庁舎の中に持っていなかった。後から機器を入れて、601会議室をやっているわけですけれども、そういうこともあっていろいろ悩んできた結果、決断したと、こういうのが実態であります。
次に、ハザードマップについては、どれだけ発表するかについては、横浜市と武蔵野市の置かれた立場が違いますので、横浜の場合には、東海大地震など想定した、いわゆる警戒区域の中のことでありますから、必ずしもイコールではないわけですが、よく研究してみたいと思っております。
さらに、市の職員に対して、市の職員が分厚い防災計画書なんかなかなか読めないんじゃないかと、日常的に使っていないんじゃないかということでございますが、そういう分厚い防災の対応について、当然のことながらこんな分厚いものを、全部読めと言ったって、これは無理ですから、そこで三宅議員からの御指摘を待つまでもなく、私たちは既に十分考えて、こういう職員の災害対策ハンドブックというのを、これは厚くないですね。この程度なら読まなきゃしようがない。さらにかてて加えて、ちょっとこれは曲がっておりますけれども、さいふの裏に入れて防災安全監も持っております。大地震発生時の対応と、地震発生から災害対策本部までという、こういうものをいわゆる内ポケットや何かに常時携帯しろと、ここまでなっているわけであります。したがって、いろいろ御指摘をいただくのはありがたいですが、その種のことは既にやっているということを申し上げておきたいと存じます。したがって、これはなかなか読めませんから、これを読めというのを要求するのはちょっと難しいわけですが、職員にはこの赤本と、この携帯用のハンドブック、これは常時携帯しなさいと、こういうことで点検も行いますので、そういうことでやっているわけであります。
次に、耐震診断の無料診断でございますが、これらについては、65歳以上の方々に対して、しかも一定の条件をつけてやっているわけであります。その結果、着々と改修が進んでおりまして、まず平成10年10月に民間住宅の耐震助成制度を制定いたしました。既に5年半の歳月が流れているわけであります。さらに、平成14年から15年度には、高齢者が所有する木造住宅に対して、今度は無料で簡易診断を行う診断アドバイザー派遣事業をモデル化したわけであります。そして、このモデルによって、65歳以上の人の場合には診断費用として15万円のうちの5万円を助成し、自己負担は10万円でできると、そういう助成を行っているわけであります。耐震改修としては、助成金として平成14年度で耐震診断で2件、10万円、耐震改修の方で10万円というふうにやっているわけでありまして、このようなことで着々と進んでいるわけであります。これらについては、三多摩の各市と比べても遜色がないと、このように考えているわけであります。
今後とも、防災だけやっているわけではございませんけれども、よどみなく、おくれることなくやっていきたいと、このように考えているところであります。地域の業者を紹介するかどうかについては、
今後の御意見として承っておきます。
○14番(三宅英子君) 答弁漏れがありますので、お願いします。
まず、2番目の建物の被害想定についてなんですが、この被害想定を減少させ、公約の安心を実現するために今まで市として具体的にどのような手を打ってきたのか、それから、今後どのような手を打っていくつもりかというのが漏れています。
もう1カ所、市の防災対策の全体の流れと各部署の連携についてお答えがありませんでした。
○市 長(土屋正忠君) 各部署とは、日常的に−−これはよく御理解いただかなきゃしようがないんですけれども、防災対策といっても、全部人が入れかわったり部署が違ったりするわけじゃありません。今やっている部課の体制を生かすわけですから、常時そういったことについては、主管者会議を初め、組織としては有効に機能しているということでございます。
安心というのは、私が大きなテーマで掲げたものでございますけれども、これらについては、具体的には例えば防災センターをつくるとか、この間総務委員会で申し上げたとおりでございます。
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