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5.1.c 気泡の組織的な配置
 気泡の組織的な配置は次のようにして形成されます。 まず、小さい気泡が水の底に沈んだ鉄粉から発生します。 その気泡は鉄炭化物が水素を発生するためにより大きくなり、浮上します。浮上する気泡は水面に浮かぶ気泡の底で合体します。 しかし、水面の表面は気泡が壊れやすいのであまり大きな気泡にはなりません。そこで、大きな気泡は小さな気泡の下に形成されます。図29に小さな気泡を水面へのクッションにした配置の気泡群を示します。

    
  (a) 2時間42分 経過               (b) 11日経過
図29  進化する気泡の内部構造 [炭酸水(50cc)卵殻(CaCO3:5g)鉄粉(Fe:5g)を密封した]



5.2 鉄炭化物が作る小さな気泡で構成される複雑な気泡の形成

 鉄炭化物は水と反応して水素ガスと有機物を作り、新たな気泡を作ることができます。 鉄炭化物が膜に含み込まれていますので、その鉄炭化物が水と反応を続けて小さい気泡を作り、ニ重構造の気泡が作られます。 2重構造の気泡は破壊に対して頑強であり、長寿命である気泡が多く存在すると観測されることになります。  炭酸水に鉄粉と卵殻(CaCO3)を入れて生成した気泡に含まれた鉄炭化物が気泡を形成した様子を図30 (a), (b), (c), (d)に示します。

     
 (a) 75時間13分 経過                (b) 75時間16分 経過 






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