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   図24 炭酸水(50cc)に鉄粉(5g)とCaO(:2g)を混ぜて3日間経過した状態

 なお、水と反応してアセチレンガスを発生するカルシュウムカーバイド(CaC2)は工業的には石灰岩とコークスを混ぜて一緒に熱して製造します。 最初に二酸化炭素(CO2)が放出され、 酸化カルシュウム(CaO)ができます。そして、高温のコークスとCaOの酸素が結合して一酸化炭素ガスを放出し、 残ったカルシュウムと炭素が結びついてカルシュウカーバイトができます。


4.2節 鉄炭化物気泡の生成とナトリウムイオンの存在
 4.2.a 炭酸水に鉄粉および食塩を混ぜた状態における気泡の形成
  海水には食塩(NaCl)が含まれています。生命誕生につながるとした気泡は原始の海中で作られたことから、炭酸水に鉄粉と食塩を加えてみました。 15時間経過後では食塩を混ぜない場合図25(a)と混ぜた場合図25(b)はほぼ同様な結果が得られました。

    
(a) 炭酸水(90cc)+鉄粉(5g)       (b)炭酸水+鉄粉にNaCl(2g)の追加  
 図25 炭酸水(90cc)に鉄粉(5g)を混ぜた場合と食塩(NaCl)を更に(2g)追加した状態
     [混ぜて15時間経過]


 4.3.b 炭酸水に鉄粉および重曹(NaHCO)を混ぜた場合に生成される気泡
 炭酸水に鉄粉および 重曹(NaHCO)を加えてみました。 その結果を図26(a) に示します。重曹の量を増やした場合には図26(b) に示すように液体は 乳白色で気泡は消失して浮遊物は水面より上のガラス壁にあります。 これは重曹は弱アルカリ性であることから、重曹の量を増やすと水酸基(OH)が多くなり、膜を構成する炭素や水素がその水酸基と結合してしまうので、膜が弱くなり気泡が消滅すると考えられます。


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