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図22 炭酸水(50cc)に鉄粉(5g)とCaSO4(5g)とを混ぜて12時間後に生成された気泡

.4.1.d 炭酸水に鉄粉と酸化カルシュウム(CaO)の粉末とを入れて生成される気泡
  炭酸水(50cc)に酸化カルシュウム(CaO)の粉末(2g)と鉄粉(5g)を入れると、一時的に液は白濁しますが、 やがて透明になります。 最初は炭酸水中の鉄分から発生する気泡の多くはすぐに消滅します。時間がかかりますが、やがて炭酸カルシュウムを入れた場合と同様に気泡が水面に留まるようになります。
 これは次のように説明できます。酸化カルシュウム(CaO)が水と反応して水酸化カルシュウム(Ca(OH)2)となり、水がアルカリ性になります。 気泡がすぐに消えるのは気泡の膜がアルカリ性で溶けるのが原因と考えられます。やがて、炭酸水と水酸化カルシュウムが反応して炭酸カルシュウムを作り、 液が中性に向かうので炭酸水に鉄粉と炭酸カルシュウムを入れた場合と同じ状態になります。
 しかし、生成された炭酸カルシュウムがアルカリ性の水にはあまり溶けないのでこの反応はゆっくり進行します。それで時間がかかります。酸化カルシュウムを入れた場合には図23に示すように,ガラス壁に付着してできる気泡が見られます。
  
    

図23 炭酸水(50cc)にCaO(2g)と鉄粉(5g)を混ぜて23時間密封して生成される気泡

その後、3日間経過すると図24示すように気泡は生じなくなり、気泡ではない浮遊物が水面に浮かびます。こうして、酸化カルシュウムを加えた場合にはアルカリ性になることが気泡の生成に影響していると考えられます。



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