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第3章 経験論的な理論
3.1節 炭酸水中で炭素原子と鉄原子の反応
3.1.a 理論の概要
炭酸水に鉄粉を混ぜた時に、鉄の原子が炭酸の酸素と結びついて
(3.1)式で示すように炭素原子と水素原子が発生します。
この反応で遊離した炭素と水素は
(3.2)式で示すように鉄と反応して鉄炭化物と水素ガスを発生します。
2Fe
3+ + 3{H
2O + CO
2} → 3Fe
2O
3 + {3C + 6H}
(3.1)
2Fe
3+ + {3C + 6H} → 3Fe
3C + 3H
2 (3.2)
(3.2)式に示す鉄炭化物は水中で水と反応して分解し、酸化鉄と遊離炭素を生成します。そこで自由になった炭素原子は水中で(3.3)式で示すように酸化鉄と有機分子を合成します。
そこで、有機分子の膜が水素ガスを包む構造の泡を形成すると考えられます。
2Fe
3C + 9H
2O → 3Fe
2O
3 + {C
2H
2} + 8H
2 (3.3)
気泡の膜を構成する有機分子の炭素原子は結合の相手を酸素原子から金属原子に替え、その後、水素原子と結合することになります。鉄は酸素と結び付くだけでなく、酸素に連れ合っていた炭素とも結び付きます。
炭素原子は可能な電子構造のうちで状況に適合する電子状態になって
表4に示すように種々の化合物を作ります。
表4 炭素原子が作る化学結合の種類
(1) 炭素には同素体としてダイヤモンドやグラファイトおよび無定形炭素があります。
(2) 炭素原子−炭素原子間の結合では、単結合、二重結合、三重結合を作ります。
(3) 炭素原子は水素原子(H)と炭化水素を作ります。
(4) 炭素原子はカルシュームや鉄(Fe)などの金属原子と化合物を作ります。
(5) 炭素原子は酸素原子(O)や塩素原子(Cl)などの原子と化合物を作ります。
3.1.b 二酸化炭素の水に対する溶解度
1気圧,、0℃の水(1cc)に溶ける気体の体積(cc)を
図14に示します[3]。
図14より二酸化炭素とアセチレンは水に溶けることが示されます。このように個々の気体の性質は他の気体と比較することにより明確にできます。
図14 1気圧,、0℃の水1ccに対する気体の溶解度
-3.1-
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