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2021年3月11日              第47期碁聖戦予選C 1回戦
黒)下地玄昭七段  白)信田成仁六段
     第三譜(完)                       
1図(1-) 
  第三譜(黒1~黒99まで.。
    黒125手を黒1として掲載)

いよいよ終盤。

逆ヨセでもあり、白地へのヨセも含む黒1オサエが最大と信じました。

ここで白は



参考図1   
  参考図1:

白1を打つチャンス。

黒2となれば先手で5目は得。

黒が受けずに左上を黒aと二子助けたら、右上白2飛び込みが大きい。
2図(2-)   
 
参考図2   
  参考図2:

ここで中の白一団のシノギ具合を説明しましょう。

黒1と二子助けると 白2でシノでいます。

分断は無理なので黒3。

以下白8まで連絡となります。

はっきり連絡されるのを惜しんだが、そろそろ決めて良かった。


3図(3-4)  
  黒3は逆ヨセ約5目なので倍の価値あり。

白4オシは厚いヨセ。

切りたいが・・・
参考図3   
  参考図3:

黒1は無理。白2~6で捕獲されます。
4図(5-15)   
  白8は三子救出を見て先手ですが薄い手。

カケツギが勝ったと思います。

黒11に石が来たので白12は必要。

この手は黒地へのヨセも含んでいます。

黒13は気持ち良いキカシ。

続く黒15に対し

参考図4:

参考図4  
  中削減の白1、3が良かった。

なお黒4は様子見。

今なら白5受けとなりそう。

そう打たれたら黒イの予定。黒a、白bの利きから黒×切りを含んでいます。

白が受ければ黒ロがデカい。
5図(16-17)   
  白16マガリは黒が受ければ先手7目ほど得だが当然受けない。

黒17とスッキリ止めてわかりやすくなりました。

参考図5   
  参考図5:

ここで白1応じたら難しいヨセが続いたと思います。
 6図(18-36)  
  白18ハネは一本キカシの意図だが敗着か。

黒19切りが成立。

この瞬間、相手から「いけない。しまった。」というような小さなボヤキが聞こえました。

白24、黒25と反動で黒一子取れるが中の黒地の増えは凄い。

白26コスミには黒27で止まる。

白ハネからコスミでの儲けは8目くらい。中の白二子捕獲の黒利益はそれ以上。

黒35、白36一本交換は少し意味あって後にわかります。

ここで打ちたかった左上のヨセに回りたい。

白地に対し・・・


参考図6  
  参考図6:

黒1ハネは普通で白2受けで一段落。

先手ですが部分的にもっと得なヨセがあります。
7図(37ー)  
  黒37オキです。

参考図7   
  参考図7:

白1受けなら黒2ハネが後続手。

対し白a分断は黒b切りが成立します。

結果は黒取り番のコウになるが普通は白無理。
8図(38ー39)   
  ここで相手がミスされました。


参考図8  
  参考図8:

最善は白1受け。黒4まで一段落。

続いて中の白5に回れました。

左上は黒6オキが残ります。白7受けに黒aキリは後手
6目。

黒bの方は後手8目なのでこちらの方が少し大きい。

9図(40ー41)
 
  白40オサエられた時はビックリ。

黒41切りに抵抗出来ません。

参考図9  
  参考図9:

白1抜きは黒2オサエが生じます。

黒4と生還されたら大変。
10図(42ー55)
 
  黒43で一段落。

黒地が5目増えてるので相当得したイメージですが、実際は隅の白地に手入れが不要になってるので白は2目も損していないようです。

不思議な感じですね。


白46抜きは右下の利得も含め10目ほどのヨセ。

上辺黒53、55と見合いのようです。

下の断点が気になりますが・・・


参考図10   
  参考図10:

白1切りは黒2がワタリの筋。

白5取りに黒6とコウを避け連絡となります。


11図(56ー85)
 
  黒61、63のハネツギで勝利確定。

終局寸前の場面ですが気になっていたところがあります。

それは参考図11
参考図11    
   白1切り。もしも手入れ1目損を拒み黒2と応じたら大変。

白3、5の手段が成立します。

白7切りの後、黒イ、白ロ、黒ハ、白二まで大逆転。

味悪の地はしっかりヨマないと本当に怖い。

12図(86ー88)
 
   
参考図12   
  参考図12:

ここで当然黒1ハネを打つべき。

これは×切りを見て先手。

白受けとなれば先手2目の得。
13図(89ー99)
 
  今年初勝利なのでボーっとしていたのか、左辺後手2目のハネツギを選んでいます。

黒99で終局。  
 

226手完 黒6目半勝。


◎第三譜に渡る長き観戦お疲れ様でした。内容は反省するところが多いのですが、ともかくようやくの1勝。

いつも掲載にあたりホームページ担当の矢島さんにはお世話になり本当に感謝です。有難うございました。


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