京呉服せき 本日のおすすめ(棚から一掴み)


2012.05.17          木綿           

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とことんこだわる

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本日の作品は木綿の着尺です。製作は芝崎重一氏です。芝崎氏は群馬県伊勢崎市で工房を構え、現在、ご子息の圭一氏とともにこだわりにこだわりぬいた作品をこつこつと制作されています。

前回に引き続き藍染めを紹介しますが、このたびの芝崎氏の藍は徳島の藍師が時間をかけて藍草を発行させたすくもを藍甕(あいがめ)と呼ばれる甕に灰汁、酒、石灰、ふすまなど加えて発酵を待つという、古来から伝わる灰汁発酵建てという方法によって藍が出来上がります。

そして、木綿の白糸を藍甕にやさしくゆっくりと浸して、そして引き上げて、残りの染まっていない部分を沈めこみます。
引き上げた直後、染め始めの藍の色はどちらかというと緑色の感じです。しかし藍が空気に触れると酸化しはじめ、みるみるうちに藍色に変化していきます。
とはいえ十数回繰り返し作業をしないと濃紺色に染め上がりませんDSC00683.JPG



手間を惜しまない地道な作業の果てに言葉では言い表せない美しきジャパンブルー「藍」をここまで見事に染め上げ、そしてしなやかに織り上げた素敵な木綿のきものです。

反物で見た楽しさよりも仕立て上がったときの嬉しさと高揚感、纏ったときの感動をぜひとも味わっていただきたい作品です。

2012.05.02          本塩沢           

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越後上布から応用された塩沢お召

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本日の作品は本塩沢です。よく塩沢お召(おめし)とも呼ばれていますので、こちらを耳にする方も多いのではないでしょうか。

本塩沢の起源は17世紀中期に遡りますが、現在、国の重要無形文化財・ユネスコ世界文化遺産登録の「越後上布」の技術を応用し、主に新潟県 南魚沼郡 塩沢町で生産されています。

麻織物である越後上布の原材料、苧麻(ちょま)を絹に変えて織り上げたのが本塩沢と塩沢紬です。

本塩沢は緯糸に強撚糸(きょうねんし・強く撚り(より)をかけた糸)を用いており、織りあがった反物を湯もみすると、撚りが戻って生地の上に独特のシボが現れます。これが本塩沢特有のシャリ感につながる訳です。

インディゴ・ブルー

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印度藍(インドあい)は別名「木藍」とも呼ばれ、現在、主にインド、セイロン、マレーシア及び中国、台湾などが原産地です。インドでは、紀元前二千年頃からすでに染料用植物として栽培されていたようです。

藍の種類には、蓼藍(たであい)、琉球藍(りゅうきゅうあい)、大青(たいせい、別名北海道藍)、そして印度藍があります。
特徴としては、藍分の含有量が多く、蓼藍より色彩が鮮やかです。

今回の作品はその印度藍を使用した本塩沢であり、柄もいたるところを紬で見られる繋ぎの技法を用いて織られた、大変面白く、そして珍しい品です。

しなやかな生地に個性的な柄取り、地色も深みのある藍染めは単衣(ひとえ)に申し分の無いお着物です。

夏・ひとえ という限られた期間にしか着られないものだからこそ、お洒落なものをまといたいと思いたくなるそんな素晴らしい逸品をどうぞご堪能下さい。

2012.04.09          加工着尺           

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やわらかな配色

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本日の作品は、加工着尺です。製作は、に志山染匠です。
着物用の反物(着尺)を加工していますのでこの名前で呼んでいます。

春霞のような、はんなりとしたやわらかい配色とタッチで描かれていますね。生地を濡らしてから染められる濡れ描きという技法を使っていますので、輪郭がありません。その為にぼかしというのか、にじみというのかとても優しい雰囲気に仕上がります。

そして今回の作品はとても素敵な配色ですので、このぼかし加減がより一層心地良い「品」と「上質」を感じさせてくれています。

いろいろな着方

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右の写真は生地をズームしてみたのですが、生地全体に塩瀬のような横段と、飛び飛びで横棒のような面白い柄が織り込んでいます。このしなやかな上質な生地が素晴らしい発色を演出しているのです。

着心地の良さと優しい色合い、お出かけするのが楽しくなる作品です。着方によっては長羽織、コートといったちょっと他では見ない贅沢な一枚になるでしょうね。