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梅之図うめのず


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵画作品目録 編者  







紙本墨画淡彩。 昭和63年。1幅。縦92.5cm 横22cm。










梅の太い幹が力強い筆勢で下から上に描かれています。古木を感じる幹から若々しい枝が伸び咲き誇った花弁や蕾が数多く淡白な墨色で描かれ薄く黄色で花 芯を彩色して枯淡で新鮮な梅の匂いを感じる画面です。
日本人が好んだ梅は厳冬から春を待ち望む喜びを叶えてくれる象徴として、古来から文芸の題材ともなっています。作者も梅を題材として描くのは春が待たれる厳冬から早春の頃であった様です。日頃から移り行く四季の情趣を楽しみ、画材として用いていました。
余談に成りますが、展覧会場で先生の作品を観て「まっこと、たまげた」と作品 を観ての感想を云った人が居ました。これは土佐弁です。意味は漢字で書くと「真事、魂消た」真実の事、魂が消える程に驚いたと言う言葉です。素直な感情表現として心地いい響きでした。


作品を創造するのが作家ですが、作品が作家の手を離れたら、その時から作品は作品の運命を歩みます。

私は芸術では理論よりも感覚が好きです。芸術は生きてなくてはなりません。

自然の大きな息吹は学問では表現出来ません。桜も梅も共に春咲きます。性格の違ったものが同じ春に美しく咲く夢を持っています。梅の花なら、何処であっても、このように咲くであろうという咲き方を描きたいのです。

心眼とは何か、絵画や彫刻では直感です。直感の良し悪しです。では直感を学ぶとは、どういう事でしょう。それは直感を持った人から直接学ぶ事です。直感を持った師と師弟になる事です。