初冬の野に咲く石蕗を品格高い草花として描いています。薄い葉端に深緑の濃淡を施した見事な色彩の画面で葉端の葉脈まで細い墨線で鋭く丁寧に描います。画面の重厚な質感は写実的色彩の極限の美しさを感じます。
絵画とは、写実とは如何に自然から自然の実を表現するものだとする作者は作品に自然から映ずる彩色の妙として表現する事を心がけていたようです。
色彩には明るさの違いと、鮮やかさの違いが在ります。夜は暗く黒色で色が無くなります。昼は明るく眩しい白色で色が無くなります。
夜と昼の間の灰色が人の感情が加わる事で色々な色彩が存在するようです。色彩とは感情の調和であり感覚です。この感覚は自然界の気配を感じて学ぶ事でしょう。
歳寄せた私は、もう一度若者に還りたいとは思いません、若い時には味わえないものを今味わっています。 「今」は、若者も年寄りも関係ありません、共に生きて生きている事に喜び感動する事です。時間でなく無限の空間、無限界にある事の認識です。
夢は現実より確かなものです。素晴らしい人に出会うまでが人生です。出会うまでが「間」です。人生とは「間」の連続です、「間」とは出会いの連続です。
「朝ぼらけ」あれが「間」です。初心とは、「大切なもの」に出会った時です。「間」のない初心はありません。
美しいという事は話すとよく解るそうです。でも美しいという事は何かと話し出すと、解らないものです。
ホームページの著作権は熙生紫花美術館に属します。無断で転用しないで下さい。
|