昭和63年。 1口。 高18cm 口径2cm 底径6.5cm。
砧型の面白い花器に絵付けをした舟徳利で尾土焼きの地肌と調和した可愛い器です。曲面に竹を沿うように自然な姿として力強く描写しています。大きな空間に自生しているような竹の姿には風を感じるような爽やかな風情があります。
このような陶器には年月を経る毎に陶器そのものが経年の変化があるようです。特に何十年、何百年と経った器には何か言い難い歴史の風格を感じます。
茶を戴く時に思うことは、日常を清澄で質素で心豊かに暮らしたいものです。起きて一畳,寝て一畳あれば能いのです。二畳での暮らしに纏め集約する生活を一碗の茶を戴き自省するものです。
知識が知恵になり、知恵が魂を得る、これが真実だと思います。
作家には普通の人間には計り知れない、常識では判断出来ないような生活があります。自分に厳しいものがあります、その厳しさが人間(作品)を磨き上げるのです。
出会いが人生に於いて素晴らしい生き甲斐になります。 何の欲望もない純粋な時の存在を感じます。
私は今までの生涯で随分と多くの人と出会ってきました。人生は、誰かに守られて生かされているという感じを深くするものです。