本文へスキップ

 
たけ之図


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵付け陶器作品目録 編者  



絵付け茶碗。 昭和62年。 1口。 高7.5cm 口径12cm 底径5.5cm。








茶碗の下方から上方に力強く細い線で竹を描写しています。筆に勢いがあり描線に四方に伸びるリズムがあります。小さな曲面に配した構図には風の流れの音が聴こえる様です。風が流れる言葉が風流と云われる日本の美しい自然を象徴した語源と成っています。
鎌倉時代に宗から栄西禅師が茶の栽培や喫茶の礼法を伝承したと言われています。僧侶が修行の一時に戴く作法と実利が発展して室町時代後期には佗茶が茶の湯が茶道として確立しています。 抹茶には薄茶と濃茶が在ります。薄茶は泡を点てた茶碗を一人で戴くものです。濃茶は数人で少し大きい茶碗を回して戴く格式高い茶席で心静かな一時を供されるものです。
現在では全て床板の部屋で畳を敷いた座敷が無い家屋が多い様です。然しお茶を戴くには座敷で背筋を伸ばし端座(正座)した姿勢が望ましいものです。床に座るとは、肝が据わる、腰が据わる、落ち着くのです。 部屋の床に茣蓙(ゴザ)や畳を置けば其処が座敷と成るのです。工夫して喫茶の風雅を享受したいものです。




「一期一会」という事があります。総ての人間が夢の中に生きる尊さを味わう事です。

茶は普段に点つものではありません。茶が点つ事は、人間の美的調和がある無心の世界だけなのです。この境地は教えられるものではなく、会得し悟るものです。言葉には表現し難い手応えがあります。それほど茶は自然性と結びついた精神の統一が求められます。

手というものは、侍つた姿が美しいものです。お経のように「自分の心」がない世界にならなければなりません。自分の手でない手を観る事です。ピアノを弾いても大きな手でなく小人の手がピアノを 弾いているように、ならなければなりません。

「ものに殉ずる心 」この事に徹する事が、芸の心が解るという事です。理屈ではない無私の世界です。












  • ホームページの著作権は熙生紫花美術館に属します。無断で転用しないで下さい。