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まつ 之図


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
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紙本水墨扇面。 昭和57年。 1面。 縦15.2cm (5寸)。










  • 茶室に持参する小さい寸法(5寸)の扇面に描写しています。太い幹の老松に長い年月の風雪を経た悠久の時を感じます。翠濃い松葉が上から下がって幹との対比が美しい構図として描かれています。 落款に書かれた作者の年齢も祝意を表したものです。
    この扇面に描かれた老松から一休禅師の「心とはいかなるものを言ふならん墨絵に書きし松風の音」の和歌が心に浮かびます。水墨画に松風を聴く、心の真髄を教示してくれます。画材として長寿の松に儚い命と云われている蝉を描いて欲しいと頼まれた事も有りました。 善き朋友先輩の知遇を得て日本美術至上の作品を残している。
    作者が時を得て朋を得た時は紫花人形の作者との運命的邂逅でした。この頃に制作された作品は将に作者の生涯最高の美の頂点を極めた傑作として伝世されたいものです。




    人生で大切な事は、「相合う」事ではないでしょうか。人と人との素晴らしい出会いだけが、人生で尊い事ではないでしょうか。物や文章は真実を伝える事が出来ますが、その瞬間に会う事の真実には何も要りません。真実があるという事だけを大切にして下さい。

    展覧会場の格別な雰囲気を十分に味わってみるには、自分が 心に親しめる幾つかの作品に目星を付けて置いて、後でもう一度それを順次堪能するまで鑑賞してみると、作品の印象は 深く徹し、作者の心根に触れるのである。

    無邪気な心が何時かきっと芽吹く事を信じています、その芽吹きの栄養に私もなる事を願っています。或る日突然に花咲く時が来る筈です、その日を信じて勉強する事です。





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