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山荘 さんそう 之図
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KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵付け陶器作品目録 編者  






昭和45年。 1口。 高15.7cm 口径13cm 底径8cm。
茶碗は歌会始の勅題「家」(昭和46年)を戴いて絵付けした図柄です。灰色の生地に描かれた茶碗に山荘の萱屋根と梅の花が枝に沢山描かれています。花は白く盛り上げた釉薬で表現されています。山里の茅葺の一屋、庭には柵があり内外の境として世俗を離れた草庵の風情です。
侘び人の佇まいである草庵から世俗を離れた文化的素養を持った偉人として憧憬されている西行、鴨長明、良寛を連想します。斯様な草庵が茶室として本来在るべき姿である様に思われます。草庵から山は遠く近く紫に輝き、川や池の水は澄み明るく観られます。山に生えた茶葉に川から汲んだ水を注ぎ、茶を戴くと心も穏やかに成ります。生かされている自己の宿命を一碗から感得したいものです。




そこらに生えているような竹を切って、簡単に組んで忘れられたような造りに美があります。茶室には単純なものの美しさが良いように思われます。桂離宮の美にも、あれなりの技巧があります。

人生に於いて確かなものは何一つありません。「夢」だけが美しい真実です。他は総て「空」です。 「一期一会」という事があります。総ての人間が夢の中に生きる尊さを味わう事です。

御陰様とは、何に縋(スガ)るかという事です。縋って何かを戴くという事です。御陰の光をこの身に受ければ水晶玉が反射する如く光り輝きます。





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