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蘭之図 らんのず


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


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精選作品目録 絵画作品目録 編者  





紙本水墨淡彩。 昭和46年。 1幅。 縦23.5cm 横33cm。
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蘭は生涯に数多く描いた画題です。蘭の細長い葉や素朴な花弁が風に揺らいでいる軽快な質感を単純な墨線に表現しています、この一筆の曲線に美しい情感ある水墨画の精緻な空間の構成があります。誰もが描けそうな単純な描線に流麗にして美的に構成されたリズム感があります。
蘭を画材として描く事は難しいものです。誰もが描けそうな単純な描線に流麗にして美的に構成する事の難しさは古来より修練した作品は数限りないものですが、今日秀作として現存する優れた蘭図は意外に数少ないものです。如何に先人が生物である自生や栽培された静物を凌駕する絵画作品として蘭を構成描画する事が難題であったかです。蘭と同様に四君子の画題も画家の人格的資質を如実に表現した作品と窺い知れます。 我が国に於いても比類がない蘭の秀作を数点展示供覧致します。
水墨画修練の初めに必ず蘭を練習するものです。単純な曲線の曲折が如何に難題であるかを会得する事は終生の課題だと識る画家は稀でしょう。安易に描く事が出来ると自賛して有頂天と成るも画家が居ます。単純明瞭な曲線の蘭に無上の品性と精緻な技量が具現されるものです。作者は終生蘭を描画の手始めに描写して心身を調整して自若に優れた水墨画を創作しています。



芸術は心の準備が長ければ長いほど、単純にして深いものが生まれてくる必然性を持っています。

師匠と弟子との関係は、道を同じくする人間同志という事です。 技術を教えるのは学校です、思想(生き様)を教えるのが師弟なのです。

志を立て信じるという事です。生活が道の上での行でなくてはなりません。 無情を知り伝統を深め極める事が私の使命です。






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