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紅葉 もみじ之図


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵付け陶器作品目録 編者  












昭和44年。1口。高6.7cm。口径12cm。底径5.5cm。















落葉した薄い紅葉と松葉が爽やかに描かれています。夫々が同じ方向に仲良く向いています。秋の心地良い気配と厳しい厳冬を迎える季節の端境(ハザカイ)を感じます。 松葉を単純な直線で描写した表現に大地を、紅葉葉に風をかん感じます。
陶器で作られて茶碗は大切に扱われる人との出会いが有ります。歳月を経て仕合わせな人から人に伝承された茶器には茶器の仕合わせな想いが伝承されているものと思われます。
従来日本の木造建築には和室に畳が敷かれ床の間が在りました。床には何か神聖な空間で書画が掛けられていました。殊更茶室の床には品格ある水墨画や墨跡が客人を持て成す要具でした。禅寺の室内の様に派手な色彩や用具は控える様に気配りされたものです。斯様な次第で茶器に於いても品格ある地味で優美な器物が重宝されるものです。此処に開示する茶碗や水指の図柄は地肌に水墨画の単純な線画です。描画は無彩色で詫び茶の精髄に適った山紫水明を醸(カモ)し出しています。画家が紙面に描写する如く茶器にも銘記した優品です



紅葉の赤色は美しいものです。秋の色は複雑に色が重なりあって、緑にしても滲んだように複雑な色をしています。だから、夕日に映えた秋の山は屹度深い色彩を見せる事でしょう。

人を気遣う心が芸術になります。悲しみや喜びがある事が芸になります。それが茶道にも為ります。

茶を点てる動作は快いリズムと快適に静かな音楽になっています、形だけではありません。 美しい真実は音になります。音は言葉になります。音は「空」です。

茶室は人を迎える部屋です。四畳半でも一畳でも、百畳敷きでも一つの心です。その時の客により部屋は大きくも小さくにもなります。












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