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校舎 こうしゃ之図


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
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油彩画。 昭和29年。 1面。 縦21.8cm 横41cm。
此処は長年美術の教鞭を執った、懐かしい木造建築の高知女子大学の校舎です。通用門の水平な塀と中央の垂直に伸びV字に伸びた枝の樹木、左上から中央に伸びる木立、右上から中央に伸びる校舎の屋根、 これ等の幾何学的な画面構成です。濃い黄緑(草色)の樹木と浅い黄緑色の校舎、青緑色の空で全体を薄暗く静寂感ある景観として懐かしいものです。
作者は学生が親からの仕送りを得て学ぶ様に、私は学校から俸給を得て学ぶ学徒であると語っていました。常に自らを律して伴に学ぶ姿勢を教授していました。
関東大震災の年に美術学校の教場に正木校長が来られ、作者の描画を凝(ジツ)と観て「君は中中筋がいいね」と言葉を掛けて呉れたそうです。



この絵は描き始めて十年以上になります。遠くから離れて観てほしいものです。夢はいつも未完のままですから、校舎の夢を現代に合わすのに時間がかかりました、岸田劉生も願った静寂感を表したかったものです。

存在感とは、実在感を宗教的な合掌という姿にしなければなりません。遠近法では存在感の夢がありません

技術を教えるのは学校で思想や生き様を教えるのが師匠と弟子です。関係は道を同じくする人間同志という事です。

学生は卒業証書を持って巣立ちますが、私には証書がありません。ないと云う事が生涯私を謙虚に奮起さす源になっています。






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