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鴻の森こうのもり(全景図)



KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;




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(部分図)




紙本墨画。 昭和63年。 1幅。 1幅。縦46.5cm 横48.5cm。



画面は三角形を組み合わせ様な山々の形状は薄く描かれた山肌を頑強な構図として構成しています。画面の左に鴻の森を大きく右手前に低く小さな山を対比さすように描写し遠景の山々まで細かく蜜に、淡墨を青墨を重ね山の量感が見事に表現されています。 自然な余白には透明感と清潔感がある暖かい雲界に浮かぶ山岳景観として表現されています。従来の中国の山水画や狩野派の山水画に観られた極度に強調された輪郭線や空間構成でなく、 優美にして繊細な日本の自然を描写した心和む水墨画の傑作です。




芸術家が老境に入るという言葉があります。これは、若い時から勉強をして幾つもの山を越え、やっと現在の山を越えて、まだ勉強の山は幾つもある事を知り次の山を越えようとしている姿が老境に入ったという姿でしょう。初心とは人生で大変大切なものに出会った時です。師があるという事のなかに、東洋的な日本人の人生観があります。師のなかには、絶対的なものがあります。これが美の原則だと思われます。

知識を知恵に変える勉強をするべきです。哲学が美に結び就いた時、優れた芸術が生まれます。

この絵には詩があります、詩とは言葉ではなく、その人の内なる詩心です。描いていて酔っていますから、絵が詩になっています。