本文へスキップ
  観音菩薩立像 U

KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;



表紙
設立の趣旨 全作品目録 精選作品目録 彫刻作品目録 編者  







(多面像)

銅造。 昭和37年。 1躯。 像高12.5cm 底径4.5cm。




「観音菩薩像T」を小さくした様な像です。寸法は合掌した掌の中に納まりそうです。細緻な目鼻と端整な形相、宝珠を捧げ持つ手、優美な衣文、安定した台座に像が真立しています。側面から観ても実に薄く而も優美な姿です。この様な小さい仏像は持ち運びにも便利である故に古来より数多く伝世され現存しています。品格ある清浄な観音菩薩像を身近な処に置き祈念して仏の光明を自得したく願うものです。
像は型取りし素焼きとしてブロンズ像の原型としています。焼成には七輪コンロを使い素焼きの像としても制作しています。



芸術家が理想を仰ぎみた姿が芸術です。その見上げた視野は広大無辺な天空に達します。

生死無常という事が、私の芸術の全てです。

生死無情感こそ矛盾です。この矛盾を、人間的愛情による調和の上に処理する事こそ知性だと思うのです。源氏物語はこの精神に貫かれています。人は死という事によって、生を強く知る事が出来ます。幸福である時に、不幸にならないように祈り、不幸である時に幸福を願うのです。この時に無情という事を知る事が出来ます。