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紙本水墨淡彩色紙。 昭和59年。 1葉。 縦27cm 横24cm。 |
足摺岬は四国の南西に位置する風光明媚な国立公園で特に海岸線に美しい光景が観られます。作者が訪れたのは昭和28年頃でその時の印象を生涯に数多く構成して描いています。
作品は右側手前に近景の山肌を緻密に暗く、左側の遠景を明るく薄く彩色して描き分けています。遠近、明暗、粗密の調和がとれた透明感ある画面です。遠景まで続く海岸線の岩肌を細く描写して奥行きを感じる海景となっています。
基本的な描写の順序としては最初に薄くした墨で全体を描き、画面が湿っている状態の後に同じ筆に濃い墨を付けて濃い線や部分を描写し、その後に彩色しています。 美は放物線の頂点のように一点に集まります、それは瞬間の時で、永遠に停止した形をとります。 |