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足摺海景図


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


表紙
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精選作品目録 絵画作品目録 編者  











紙本水墨淡彩色紙。 昭和59年。 1葉。 縦27cm 横24cm。











足摺岬は四国の南西に位置する風光明媚な国立公園で特に海岸線に美しい光景が観られます。作者が訪れたのは昭和28年頃でその時の印象を生涯に数多く構成して描いています。 作品は右側手前に近景の山肌を緻密に暗く、左側の遠景を明るく薄く彩色して描き分けています。遠近、明暗、粗密の調和がとれた透明感ある画面です。遠景まで続く海岸線の岩肌を細く描写して奥行きを感じる海景となっています。 基本的な描写の順序としては最初に薄くした墨で全体を描き、画面が湿っている状態の後に同じ筆に濃い墨を付けて濃い線や部分を描写し、その後に彩色しています。
下段に掲示した 山岳は遠景の連山と手前の山岳の距離感を中程の雲形で調和ある山岳の穏やかな気配を表現しています。遠景と近景を細く綿密な線描を重ねて朧な気配を構成した技法は見事です。この色紙は昭和43年頃の描画だと記憶しています。



美は放物線の頂点のように一点に集まります、それは瞬間の時で、永遠に停止した形をとります。

真実は音になります、言葉になります。 音は空です、人生に於いて確かなものは何もありません。今ここにない世界は全て空ともいえます。 夢だけが美しい真実ともいえます。 心眼とは何か。絵画や彫刻では直感です。直感の良し悪しです。では直感を学ぶとは、どういう事でしょう。それは直感を持った人から直接学ぶ事です。直感を持った師と師弟の関係になる事です。

合理的な知識と、非合理的な道徳や情緒のバランスが完全に一致する事が大切です。