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山苺 やまいちご之図



KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


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表紙
設立の趣旨 全作品目録
精選作品目録 絵付け陶器作品目録 編者  
















昭和50年。1口。高7.3cm。口径12.5cm。底径4.5cm。

















伸びた蔓に苺と葉が行儀よく自然で生気ある様に描写しています。葉は茶碗の面に向いた自然で踊るような配列です。細い葉脈も活々とした絵画的に新鮮な生命力を表現しています。野苺が自生する草原を思い、緑濃き茶を味はえる雅味ある茶碗の絵付けです。
陶器である茶碗も経年で其の質感が変化して風格が備わって来る様です。展示作品も焼成の窯から出されて50年位経ちますから随分と観ていると馴染んで観え触り心地も好いようです。茶碗も日頃遣っていれば其の感触も変化があります。
茶碗は大切に箱に仕舞われます。箱には箱書きされ保管され伝承されています。掲示した箱書きは編者が作者に依頼して揮毫願ったものです。
下壇 に表記した墨画は作者が即筆に描いたものです。側で観ていた編者の名前を座興に揮毫した、唯一の作品です。



茶碗を造る(作陶)には生涯を懸ける修練が要る事を知っています。絵付けをする事は画家の仕事になります。

人を気遣う心、悲しみや喜びがあったりする事が芸になります。茶道にもなります。

形だけでなく茶を点てる動作は快いリズムと快適に静かな音楽になっています。

日本の伝統や芸事が、総て心の音となっているのです。