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冬景色 ふゆげしき 之図



KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;


表紙
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油彩画。 昭和23年。 1面。 縦38cm 横45.5cm。















枯れ草が繁る空気の澄んだ長閑な冬景色です。 画面右側は土手の堤道で上に真っ直ぐに伸びています。遠景には山々が連なり左側の山裾には数軒家並みの屋根が描かれています。画面は茶褐色に黄土色、深緑色の調和された色彩で季節を感じる長閑な景観です。遠景の空も空色と白色の疎(マバラ)な空間が前景と調和しています。 点描の重ねた筆触は見事に遠近感を水墨画同様の油絵具で描写した優れた作品です。
下壇のパステル画は 郊外の田園の景色を樹木と草地を一体に描写したものです。近景と遠系の景観が色彩の巧妙さで幻想的に感じられます。
人生に於いて絶望感を味わった事の無い人間は真の人生が解らないでしょう。新月の暗闇を識っていれば満月の光明が有り難く感じるものです。





私はフランス彫刻の量感、質感、立体感を学ぶ事によって、日本の美しさを彫刻の中に表現しています。浮世絵からフランス人は構図や色彩を学び印象画の絵画を完成させています、決して浮世絵を描こうとはしていません。私も油絵の持つ色彩豊かな質感を以て日本的な油絵を描いてみたいと願っています。 多くの日本人はフランスの彫刻を創り、油絵を描こうと努力していますが、生活習慣が違うフランス人になる事は困難な事でしょう。この様な日本人の結論として、日本的な彫刻や油絵を制作しょうと気付いても、何が日本的な美しさであるかが混乱して、芸術の本質に触わる事なく芸術家が生涯を終える事になりかねません。

光の強く射し込んでいる窓際の暗い処に繪を置くと、色彩の調子が良く解ります。これが師の伝承による、秘伝です。

幕末から明治に浮世絵を観て感動した印象派の画家は絵画の本質を学んで近代の油絵を描います。雪舟も中国で学んで日本の水墨画を描いています。 狩野派の画家は中国の絵画を手本に学んで,そのまま日本の風物を描いていますから、絵が中国風になっています。








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