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 毘沙門之瀧図 (写生図)


KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART    ;



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(紙本墨画色紙)






紙本墨画。昭和39年。1幅。縦157cm 横68cm。



高知市の郊外に毘沙門天を祭る小さな仏堂の脇に在る瀧は高さが30メートル位で閑静な山間の地で弘法大師も訪れたと云はれるています。作者は長閑な山間に自転車に乗って行楽したものでした。携行していた和紙に矢立で写生した瀧を後年追考して描写した山水画の秀作です。勢いよく落下する瀧の水は筋状の線と余白で表現しています。右手前の岩肌や樹木を淡彩して明るく、蜜生した部分を墨の濃淡で対照的に暗く描写しています。画面の濃淡と点描で神秘的な瀧の景観を描写した優品です。


金槐和歌集の金槐とは、迂人 と同じものがあります。迂人として私の作品は美の神に捧げています。実朝も金即ち美に恥じ入っているという意味が槐の意味だと思われます。だから大いなる美に捧げた和歌であるという意味でしょう。朝廷に対しても二心のない事が歌の中に謡はれています。     

実朝の歌は、情緒的で深い人間性、弱い人間が表現されています。天才的な歌人ですね。 実朝の運命は現在にあっても、そのまま解ります。自分の姿を美の中に照らして暮らしていたでしょう。

芸の深さは師の伝承に因ります。個性の深さは自然の風物によって学ぶのです。



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