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嶺北相川山渓図 れいほくあいかわさんけいず     (全図)



KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


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(部分図)


紙本墨画淡彩。 昭和61年。 1幅。 縦92.5cm 横25cm。
遠景の山岳から近景の渓谷迄を細長い画面に伸びやかに大胆な筆触で大胆で蜜に描写しています。墨線で太く樹木や草木を描き、なだらかな山岳の輪郭を描き山肌も薄い土色に緑色を加え彩色して山肌を立体的に仕上げています。穏やかで温かさを感じる画面で右下に渓流を描く事で空から水辺へと風通しが良い画面になっています。 作者は常に風景画は風通しの良い気配を意識していました。
題名「嶺北相川」の嶺北とは四国山地中央の高知県側に属する地方名で相川とは村落の地名です。
和紙に描かれた書画を建築の「床の間」に掛け鑑賞する風潮は室町時代以降の格式ある建築様式として定着しています。床とは建築の下部を占める床を少し高くした清浄な聖域です。「床の間」が在る建築の伝承を床しい 誇りと思います。



悔いのないという事があります。美しく立派な物や真実ある行動には悔いがありません。美はどんな苦痛にも耐えるだけの悔いのなさを持っています。

優れた評論家が、最高の知性で鉄斎を語っています。然し鉄斎が何を求めていたかは解釈されていません。鉄斎を理解するには鉄斎以上の苦悩と理想を持たなければなりません。

現代人の多くは、勉強の結果だけを観て、その奥に存在する思想を自分勝手に想像し理解しています。然し思想を極めながら結果を求める事が伝統ある勉強方です。思想の中に個性が発揮され伝統が受け継がれる事が自覚出来ます。