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相川山水図 あいかわさんすいず (全図)



KISEI  YUKARIHANA    MUSEUM  OF  ART  
  


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(部分図)



紙本墨画淡彩  昭和40年。1面 。縦23cm 横124cm 。





四国山地を流れる吉野川の上流, 相川を夏休みに学生達と合宿した時に作者は周辺の山岳景観を 巻紙に矢立の筆で丁寧に写生しました。編者も伴をして居りました。 画面はその断片を構成した写実的で情感あふれる山水画 です。画面左の山林を大胆に、右に川辺に連なる山林を緻密に描き、幾重にも筆 を重ね て山地の景観を透明感ある奥行きある山水画として構成しています。
従来の我が国の画人が学び描いた山岳景観の山水画は山岳の稜線と樹木の形態を描き、山肌や山腹は空白にして曖昧に描かないのが室 町時代以後の山水画の在り様でした。作者の山水画は山肌の 質感や立体的な量感を描いた情趣溢れる作品です。




奥に存在する思想を自分勝手に想像し理解したかのように思っています。然し、その思想を窮めて、その結果を求めるやり方は、伝統ある勉強方です。その中に個性が発揮され伝統が受け継がれ、自覚する事が出来ます。


人から物を戴くという事は、気苦労の多いものです。その人の心を戴く事ですから、貧しい 心の人から戴けば、私が見窄らしくなります。立派な心の人から戴くと、私は素直に喜べて嬉しいものです。戴くと言う事は難しい事です。


芸術作品には美しい情緒がないと生まれません。 自然の中に一つの心が生まれ、和があって、そこに自然に生まれて来るものが「民芸」だと思います。