トップページヘ戻る

 

人間も目に入る光で周りのものを見ているように、カメラも入ってくる光で写ります。ということはカメラにも「眩しい」、

「暗くて見えない」ことがあるということで、「眩しいがいわゆる白とび」・「暗いが黒つぶれ」だと私は思います。

 

銀塩の時代、露出は少し明るめにしなさいといわれていました。現在はだんだんと改善されているようですが、

デジタルの場合は暗めにしましょうと言われてきました。

銀塩は、明るく飛んでいるような所でも焼付け段階で暗くすると情報が残っていて写っていますが、黒いところは明るくしても黒です。

デジタルの場合は白いところは情報が飛んでしまって白いままでが、暗いところは情報が残っていて、明るくしていくと写っています。

このような特徴から、デジタルは「白飛びさせないように撮りましょう」と言われてきました。

 

 

 具体的な露出  

露出は難しい、ともいえるし簡単でもあります。

カメラでは基本的にシャッタースピードと絞りで調節しています。

 

たとえば、その場面で必要な光の量を「100光」とします。

100」にする方法もいくつかあり「25×4」・「50×2」・「100×1」「20×5」・・・・・

といろいろな組み合わせがあります。シャッタースピードと絞りの関係も同じです。

絞り「f5,6」シャッタースピード「1/125」が標準露出ならば、

「背景をボカしたくて絞りを二段開いたら、シャッタースピードを二段上げる」

これで、ほぼ光の量は同じになりきれいに撮れます。

 

また、ISO感度を考慮に入れるときも同じです。ISO感度を一段上げるときは(光をより感じやすくなります)、

光量を下げるためにシャッタースピードを一段早くするか、絞りを一段絞ればよいのです。バランスの問題ですね‥‥

 

実際に撮ってみるとこんな感じです。(カメラは「D300」で、レンズは「シグマ2460_F2.8」で手持ちです)

 

(f 2.8 1/40 ISO3200)                                                                   f 5.6 1/13 ISO3200                              

 

 

ほとんど同じ明るさに撮れていますが、絞りが違うため、フロントウィングの文字のボケ方を見ると大きな違いがでていますね。

 

このように、「動かないものの場合」、シャッタースピードが変わっても、写真には大きな変化はありません。

それよりも、絞りによる「ボケ(被写界深度)に大きな変化があり、写真に大変影響します。

 

動きのある被写体の時は絞りを変えるとシャッタースピードが自動的に変わっていくので、

「絞り優先」でもいいところで止めて撮影できます。「シャッタースピード優先」でも絞りが変化してくれるので、

撮影する人のスタイルでどちらでも選ぶことができます。

 

測光モードによる違い

 

マルチパターン測光・・・画面全体を分割して測光し、ほとんどの撮影に対応。使っているレンズ、距離情報、明るさの分布などさまざまな情報で測光します。

中央部重点測光・・・画面の中央部(ファインダーの中の大きな円あたり)を重点的に測光し、その周りも考慮します。

スポット測光・・・使用中の四角いフォーカスエリアの部分だけをを測光します。測光エリアはフォーカスエリアが動くと連動して動きます。

 

マルチ測光 (f 2.8 1/20  ・ ISO1600)         中央部重点測光 (f 2.8 1/30 ・ ISO1600)        スポット測光 (f 2.8 1/30 ・ ISO1600)

     

 

各測光方式で微妙に露出と明るさが違っていますね。(手持ちなので、ちょっとズレているせいもありますが・・・)

左フロントタイヤの上部、緑色や赤色周辺を見るとわかりやすいです。

 

マルチパターン測光は、全体をいくつかに分割して測光します。ほとんどの場合きれいに写ります。

中央部重点測光は、コクピットと周辺部を中心に測っています。

スポット測光は、コクピットの前の緑色あたりを測っています。

上の例では、中央部重点測光とスポット測光が同じ露出になっています。

 

今度は背景を明るくしてみました

      中央部重点測光 (f 2.8 1/60 ISO1600)              スポット測光(f 2.8 1/45 ISO1600)

 

 

中央部重点測光に比べて、スポット測光は明るい背景に影響されないできれいに写っています。

 

 ただ、測光方式により得意不得意分野がありますが、どの測光方式で測光しても、すべて同じ値で撮れば

露出的には同じで、ほぼ出来上がりも同じです。

 

マニュアル露出はどうなのでしょうか?

マニュアル露出は、カメラの機能を使わないで撮影者自身で露出を決めることです。

今の時代では、私は、マニュアル露出はお勧めしません。私は、絞りオート、ISO感度オートでほぼ何でも撮っています。

絞り、シャッタースピード、ISO感度のうちどれかがオート時に自動露出補正ができます。

オートにした項目が、1/2段や1/3段と自動的に調整されます。

 

カメラオート機能を使った露出では、撮るたびに露出値が違って、不便なことが時々あります。

そんな時に、マニュアル露出にして「同じ露出で撮る」こともできます。

 

 

さて、どの測光方式がお好みでしょうか???

初期設定では「マルチパターン測光」になっていて、一番失敗が少ないと思います。

ただし、「AEロック」を使う人は「中央部重点・スポット」のどちらかがいいです。「マルチパターン測光」では、

AEロック」をしても全体を測っているので、少し構図を動かしてもあまり変化が現れません。

 

 

露出補正

カメラが選んだ標準露出を、撮影する人が好みの露出にすることです。

マニュアル露出のときは、絞り、シャッタースピード、ISO感度を固定しているので

自動露出補正は使えません。個々に調整することが必要です。

撮影する環境によってカメラが測光した露出よりも、もう少し明るくしたい、もう少し暗くしたいと思ったときに調整することで

「+0.3」とか「−0.3」とか表示され、この場合、一段の「1/3」の露出を「+か−」をするということです。

カメラの設定で、あらかじめどのくらいの幅で変えていくか(1/2段や1/3段など)を設定しておきます。銀塩と違い露出にシビアなので

幅は小さいほうがいいと思います。

色によっても、反射率が違うので、カメラの場合「画面にいろいろな色が入っている時、それを平均すると反射率18%のグレーに近い

ことから18%のグレーを18%のグレーに撮れるよう露出を計算しています

なので、ある色だけが多いときは、補正しないと明るくなったり暗くなったりします

 

試に、白い紙だけを、「オート露出」で撮ってみて下さい。出来上がりは、「明るいグレー」だと思います。

逆に、黒い紙だけを撮ると「濃いグレー」になると思います。カメラは、18%のグレーにしたいのです。

その結果、18%のグレーより明るい白は、明るいと感じて露出を控えめにして「露出不足」になり、白ではなく「明るいグレー」に、

18%のグレーより暗い黒は、暗いと感じて露出を多くして撮るので、黒ではなく「濃いグレー」になります。

 

このような場合は露出補正が必要になってきてしまうのです。

 

覚えるのに「クロマイ・シロプラ」や「クロマイ・シロップ」(黒はマイナス・白はプラス)という言葉もあります。

 

一般的に18%のグレーに比べて黄色系は反射率が高く(明るい)、赤は少し低く(暗く)、肌色も少し高い(明るい)です。

また、緑は18%グレーに近いようです。

 

「中央部重点とスポット測光」

 「マルチ測光」が全体を測光するのに比べて「中央部重点・スポット測光」は測光範囲が狭いので、

少し違うところを測光しただけで露出値が違ってきます。ところがそれを利用して、明るくしたい時は少し

暗い所を測光して露出ロックして明るく写し、逆に暗くしたい時は少し明るい所を測光して露出ロックする方法もあります。

このようにすると、露出補正が簡単にできます。

 

デジタルなので、何度でも撮り直しが出来ますから試してみてください。

 

 

   トップページへ戻る