「これから論文を書く若者のために」
出版後の進行状況

若手研究者のお経
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6/30(金) の進歩 生命科学研究科教員会議
飯島生命科学研究科長から、生命科学研究科教員会議の開催通知が来た。研究科の全教官が参加する会議である。「平成19年度(来年4月より)に導入される 新しい職階制度や教員の個人評価など、全ての皆さんに関わることですので、是非、ご出席され意見交換いただきますよう、お願い申し上げます」とのことだ (注;来年度から、「助教授」「助手」が「准教授」「助教」に変わる。「准教授」「助教」は任期制になる可能性が高い)。教員会議は、飯島研究科長が提唱 して始まった会議である。一見民主的な制度だ。しかし実際は、封建制に近い制度である。生命科学研究科では、教授会が全てを決めるからだ。決定権があるの は教授だけであり、助教授・講師・助手には何の権限も無い。もちろん教員会議は、何らかの決定をするためのものではない。教授会が決めた(決めようとして いる)ことを、「こう決まった(決める)からお前ら従え」と全教官に伝える会議でしかない。ちょうど、御領主様が民百姓を集めて申し伝えるように。「意見 交換いただきますよう」とは言っても、意見を採り入れるかどうかは教授会の勝手である。
久しぶりに牧の部屋に行って、お茶をご馳走になった。心許せる時間だ。今度また、我が家で一杯やろう。

生物学科三年生向けの講義の準備をした。成り年の進化の話をするのだ。どんどん新しい論文が出ているので、講義内容も新しくしないといけない。
6/29(木) の進歩 日よけ
朝、日よけ取り付けの業者が来た(6/4 の進歩参照)。自宅の居間の窓の所に縁側を付けたので、日よけも付け ることにしたのだ。日よけの先端には、垂直に垂れ下がる簾が付いているので、目隠しにもなる。今までは、縁側に座ってビールを飲んでいると、お向かいさん から丸見えで落ち着かなかった。雨戸を閉めるために窓を開けたお向かいさんとビール片手に見つめ合うのは何とも気恥ずかしい。それとせっかくだから、お洒 落な机と椅子も買おうかな。今は、縁側の上にじかに座ってビールを飲んでいる。しかし、あん怪獣がいるので落ち着いて飲めないのだ。つまみを縁側の上に置 こうものなら、一瞬足りと休むことなく、つまみに向かって突撃する。机と椅子があれも、この攻撃を回避できるであろう。

みっちーの論文セミナー。訪花者と食害者が植物の繁殖に与える影響に交互作用があるのかどうかを調べた論文を紹介してくれた。結果は、交互作用あ りであっ た。つまり、食害者がいる時といない時とで、訪花者が繁殖成功に与える影響が違った。こう書くと「面白い」と思う。しかし実は、食害者はシカの仲間で花や 果実をどばっと食べてしまう。そしたら、受粉量の違いなんてもはや関係ない。こう書くと「つまらない論文だ」と思う。さて、どっちの書き方が建設的である か。

植物の事典の原稿を完成させ、出版社に送った。メールに添付して送ったのだけれど、「添付書類が見あたりません」と返信が来た。前も、同様の不着 事故が起きた。はて、何がいけないのだろう。

6/28(水) の進歩 あん、診察受けて大喜び
予防注射をして貰うため、動物病院にあんを連れて行った。受付でいきなり大興奮。係りの人に抱きつこうとはしゃいでいた。待合室でだっこしてる間も、係り の人の方を見てくんくん鳴いていた。診察が始まるとまたしても大興奮。嬉しさのあまりおしっこを漏らした。注射をされてもまったく気づかず。もっと小さい 頃は知らない人を怖がったし、前回に予防注射をされた時は泣き叫んだのに、どうなっちゃったのだろう。なんか、じゅりそっくりになってきた。じゅり;飼い 主よりも知らない人の方が大大好き。注射されたことに気づいたことは一度もなかった。<-- 鈍感とも言う。

こじこじ・ひじりと、卒業研究の議論をした。こじこじのはやはり、ゲームモデルになりそうだ。まずは簡単な状況から解いてみよう。かたやひじり は、先週末に私が教えてあげた最新論文に衝撃を受け、自分の進む道を失っていたという。C13 でラベルして調べたところ、食害があっても、ラメート間で資源のやりとりはしないことがわかったと報告した論文である。確かに、ひじりのテーマに直結する 論文だ。しかし何も、自分の道を失うことはないではないか。その論文は、資源のやりとりをしない理由を示したわけではない。ひじりが理論的に、やりとりを しないことの適応的意義を示せば良いのだ。ある現象が起こる理由を示すこと。モデルの価値はそこにある。
 イタポンとも、今年の研究計画をまずは軽く議論した(後日、本格的に議論する)。オダマキに加え、サワギキョウも調査する予定なり。

生物学科三年生向けの講義をした。出席者は 33 人。毎回微妙に人が入れ替わりつつ、これくらいの人数を保っている。今日は、生活史戦略の進化の話をした。いつも熱心に聴いてくれている人がしばし眠そう にするのを見て、「つまらないのか」と不安になった。でもきっと、ワールドカップを見て寝不足なのであろう。しかし私だって、2 時までブラジル戦を見て 6 時半に起きた。「眠いのは一緒である!」なだと、講義中に頭の中で議論を戦わせるのであった。質問者ご芳名:石井君・今井さん・岩嵜君・小塚君・竹原君・ 山脇君。
 昼食後の生協からの帰りに小泉君と一緒になった。「先生、今日は緊張していましたね。慌てている感じ」と言われた。がーーん、わかったか。時間通りに終 わるかなと、時間配分に不安を感じていたのだ。私の様子は、学生からもよくわかるということか。確かに私の方も、誰が熱心に聴いてくれているのか、誰がつ まらなそうにしているのか、誰が聞いていないのか、誰が寝ているのか、誰が爆睡しているのかがよくわかる(のだよ、ふっふっふっ)。それと同じことだね。

6/27(火) の進歩 肯定的にせよ否定的にせよ、同じ物を選んでいる
生協でアジアフェアーというのをやっていて、アジアのおかずの弁当を売っていた。ビビンバとか酢豚とか、四種類のおかずが品書きに並んでいる。ビビンバ 弁当を頼むと、「いえ、この中から三種類を盛り合わせます」と、四種類のおかずの見本を指し示された。三つ選ぶらしい。見本を見て、「これ とこれとこれをお願いします」と頼んだら、「ビビンバ以外の三種類ですね」と爽やかな答えが返ってきた。そうであった か。でも一応書いておくと、ビビンバを知 らないわけではない。
あんは、だいぶ服従心が芽生えてきたように思う。一昨日以来(6/25 の進歩参照)、服従の姿勢を日 に数回ほど取らせているのだ。動きを止めて尻尾を丸め、ちゃんと服従している。しかし、それとこれとは別のようで、今朝も、口にくわえたゴミを取ろうとし たら唸って噛んだ。取られまいと必死になって、我を忘れてしまうのか?  「たかがゴミに」と教えてあげたい。

しばらく寝かしておいた、植物の事典の原稿執筆を再開した。かなり出来上がっているので、最後の締めを残すのみだ。今日明日中に終わらせたい。

早起きして、スイス対ウクライナを見た(追っかけ再生で)。両チームとも守備が堅く点が入りそうにない。「一点の勝負かな」と思って見ていたら、 録画終了のメッセージが 6:40 くらいに出た。4:00 キックオフなので、延長戦+ PK 戦を終えたくらいの時間に録画終了したということである(延長戦になって番組終了が延びると、最後まで自動的に延長録画する)。「PK 戦までもつれたということか」と思ったら、ほんとうにその通りであった。これはちょっとよろしくない。追っかけ再生で見ることの欠点だ。録画終了時間か ら、先の展開が予想できてしまう。たとえば、「どちらかが勝ち越すか」と白熱の攻防を楽しんでいるときに、延長に入るととわかってしまうのは悲しい。かと いって、毎朝四時起きして生で見るのも辛いしねえ。

6/26(月) の進歩 ふざけるな
生命科学研究科の事務から電話がかかってきた。給与に調整手当というものがあり、私に対して払い過ぎていたので返納して貰うとのことだ。しかも、一ヶ月に つき 1,6000 円も返納だ。調整手当は、「大学院博士課程の学生を四人以上指導していると 1,6000 円、三人以下だと 0 円」なんだって(私の研究室の博士課程の学生は三人)。一人少ないだけで、1,6000 円が 0 円に。四人以上だと指導に負担がかかり、三人以下だと負担はまったくかからないそうだ。世の中にこんな馬鹿な制度があるのか(怒)。責任者出てこい。それ でわかった、生命科学研究科が学生をかき集めるわけが。調整手当が欲しいんだな。ああやる気無くした。今日も五時ぴったりに帰ってやる。

頭に来たついでに、東北大学研究活動データベースにいろいろ登録してやった。先週の月曜までに登録せよと事務に言われていたけれど、ほっておいた ものだ。科研費の獲得状況を書く欄があり、「研究内容をできるだけ詳しく入力して下さい」とあった。そこで、

研究題目:種子生産戦略に関する新理論:雌雄の対立理論と胚珠の余剰生産理論の統合
研究内容:種子生産戦略に関する新理論:雌雄の対立理論と胚珠の余剰生産理論の統合を行う

と、三文字も詳しく書いておいた。

生物学科三年生向けの生物学演習(英語の論文を輪読する)をやった。出席者は 11 人で、前回よりは多かった。それに今日は、個人的に楽しめた。人権に配慮しつつ、永遠に記録に残るように書き留めておこっと。

「"seldom"って、「自由」ですよね?」「そりゃ "freedom" だ」
"bumblebee" を「ブンブンビー」と読む。<-- バンブルビー(マルハナバチ)

夜更かししてイングランド対エクアドルを見るか、早起きしてオランダ対ポルトガルを見るかちょっと迷い、後者を見ることにした。とはいっても、早 朝五時くらいから追っかけ再生(録画しながら、既に録画した部分を再生できる機能)で見た(キックオフは、日本時間の午前四時)。死闘というべきか乱闘と いうべきか、イエローカードが 16 枚、両チームとも二人ずつの退場者を出すという試合であった。勝ったポルトガル、次の試合どうするんだい?

6/25(日) の進歩 あん、反抗期か
あんが反抗期かも。うっかり床に脱ぎ捨てておいた靴下を囓って遊んでいたので、取り上げようとした。しかし、がんとして離さない。しかも 「うーーー」と唸って怒っている。無理矢理口をこじ開けようとしても、すごい力で口を食いしばっている。そして、「うぎゃぎゃっ」と叫ぶ。さらに無理矢理 口をこじ開け靴下を引っ張り出そうとしたら、指を思いっきり噛まれて出血した。故意に噛んだのではなく(レッドカード)、口を閉じようとしたのだと思 うが(イエローカード)、わたしゃ切れた(「指が」ではなく「頭の血管が」)。ご主人様にその態度は何か!  靴下を硬く噛んだままのあんをぎっと睨み付けしばし対峙。刃向かう子はこうしてくれるわ!  すっと腰を落とし「おいでっ」と呼ぶ と、おやつを貰えると思ったあんは、靴 下を捨ててタタタタッとやって来たのであった。なでなで。
 しかしこれではいけない。書斎に駆け上がってネットを調べ、服従心の養い方を研究した。背中に回って片手で抱き、もう片方の手で口を押さえてぐりぐり回 すといいらしい。嫌がっても決して口を離さず力の差をわからせることが大切だそうだ。さっそくやった。ただしこれはいじめではない。犬は、上下関係をつけ て生活する動物である。自分が下位であることを知ることは犬にとっても幸せなことなのだ。

川淵キャプテンが、次期日本代表監督としてオシム千葉監督と交渉していると口を滑らせてしまった。ほとんど決まりらしい。オシムとはすごい。ジェ フ千葉を あれだけ魅力的なチームに育て上げた人だし、人材育成能力にも長けている。いったいどんな日本代表になるのだろ。ジーコ時代とは全然違うチームになること は間違いない。全員が攻守に走り回る日本代表って、なんか想像がつかない。

ワールドカップは決勝トーナメントに突入した。日本が負けてしまったので、あとは純粋に楽しむのみだ。今日は、情報を遮断して結果を知らないま まに、録画しておいたドイツ対スウェーデンとアルゼンチン対メキシコを見た。ドイツのシュート力はすごい。日本選手ならふかしてしまう距離から、凄い勢い のシュートが確実に枠を捉えている。アルゼンチン対メキシコは延長戦に突入した。延長戦の分の録画設定をしなかった、途中で録画が終わっているのではない かと心配した。ところがなんと、自動的に録画延長していた。さすがデジタル放送、さすが最新のハイビジョンレコーダーだ。

6/24(土) の進歩 引き分け
ベガルタ仙台がモンテディオ山形と 1-1 で引き分けた。このところ、悪い頃の仙台に戻ってしまったような闘いが続いている。
 勝利を信じて地下鉄に乗ろうとしたら、試合の入場券を家に忘れたことに気づいた。憤然として一旦帰宅、30 分も損してしまった。それでも朝市に寄り、祝勝会の刺身を買った。毎回レプリカを来て現れるうちに馴染みの店が出来ちゃって、買いに行かないと仙台サポの 沽券に関わる気がしてきたのだ。今日も、保冷バックにマグロの刺身とガゼを入れてスタジアムに登場である。
 入場者数は 1,8295 人。久々の大台だ。でも、ダービーなんだからもっと入ってもよかった。立ち上がり、菅井がいきなり GK と 1 対 1 になりしっかり外すという好調の出足であった。前半 6 分には、財前のフリーキックを内山にヘッドで合わせられあっさり失点してしまった。どうも、セットプレーでのマークが甘い。試合はそのまま山形ペースで進 んだ。仙台は、組み立てでのパスミスが多く、せっかくのボールを相手に渡してしまう。また、ブラジル人トリオが自分たちだけで攻めるという悪癖も出てし まった。しばらく、仙台に点が入る気のしない時間が過ぎていった。それでも前半 42 分、熊林のスルーパスに抜け出したボルジェスが冷静に決めて 1-1 に追いついた。ボルジェスは侍のパフォーマンスをしたらしいが、嬉しさのあまり私はちっとも気づかなかった。後半になると仙台もかなり攻め出す。しかし、 後ろからの押し上げがなくて、ブラジル人トリオが孤立してしまっていた。開幕当初の悪い頃の仙台そのままだ。終了間際、菅井がまたしても GKと 1対 1になった。逆転かと腰を浮かせた次の瞬間、確実に外していた。試合の最初と最後に記憶に残るプレーをして、今日の菅井は終わった。結局、1-1で引き分 けてしまった。首位の柏と二位の横浜も引き分けただけに、勝って勝ち点差を縮めておきたかったのに。
 センターバックの渡辺は、まだまだ不安でしょうがない。ヘッドを空振りしたり、寄せが遅くて相手ボールにされたりと、渡辺が絡むとはらはらした。まわり のベテランに助けて貰いつつ、経験を積むことだ。

帰宅して入浴後、縁側に座ってビールを飲んだ。美味しかった。

6/23(金) の進歩 ドイツの喜劇
我が代表は 13 年前、ドーハの悲劇に会い世界に進出することの厳しさを知った。9 年前にジョホールバルの歓喜を味わい、世界で戦う権利を初めて得た。しかし結果は惨敗だった。4 年前についに、決勝トーナメント進出という快挙を成し遂げた。しかしそれは、地元開催という有利さに後押しされたものであった。いつしか、ドイツ大会こそ 本当の勝負であることを忘れ、決勝トーナメントで勝ち抜く力があると思い込んでいた。結果は、1 分 2 敗でグループリーグ敗退という惨めなものだった。ーーー ドイツの喜劇。私たちは目覚めないといけない。「試合を見るため朝 4 時に」という意味ではない(突然書くか)。自分たちの現在の実力を知り、一歩ずつ向上して 2010 年に勝利するためにである。
 代表の強化のために私たちに出来ることは何か。それは、J リーグを始めとする国内リーグの強化に貢献することである。強い国内リーグ無しに強い代表はない。国内リーグで育っ た選手が代表を支えていくからだ。やがて海外に移籍にしてさらに力を磨くにせよ、国内リーグでの活躍無しに海外への道は無い。だから私たちは、国内リーグ に注目し熱く応援し、リーグを盛り上げないといけない。「代表が負けて悔しい」と思っているあなた、「次の大会こそは」と思っているあなた。ならば、代表 強化のために力を貸してくれ。つまり、国内リーグを応援して選手を盛り立ててくれ。「サッカーはまた 4 年後に」(98 年フランス大会の後、どっかの馬鹿がテレビで語ったという負の伝説の言葉)などという情けない「観客」には決してなるなかれ。あなたは、4 年に一度やってくるお祭りを「面白いもの見せろよ」とふんぞり返って待っている観客ではないはずだ。皆と共に、国内リーグの強化に力を注いでくれ。それ に、応援するクラブがあると、国内リーグってほんとうに面白いよ。

というわけで、明日はさっそく J2 である。ベガルタ仙台は、ユアテックスタジアム仙台にモンテディオ山形を迎え撃つ。山形は、開幕当初こそ出遅れたものの、しっかり復調してきている。厳し い闘いになるであろう。しかし、絶対に勝たなくてはいけない。柏と横浜を追撃するためには、勝ち点を落とすわけにはいかないのだ。

今日は一日中、秘密の事務仕事をした。ああつまらない。ああかったるい。

6/22(木) の進歩 辛勝
ベガルタ仙台は昨夜、愛媛 FC に 2-1 で勝った。勝ったのはよい。しかし、どちらが上位なのかわからない試合だった。愛媛のサイド攻撃にたじたじとなり、試合を支配される時間が長かった。ブラ ジル人トリオも今ひとつで、攻撃にさえがなかった。最後に萬代が結果を出したことは評価したい。
 ワールドカップを連日見ていて思うのは、スタジアムの雰囲気はやはり大切だということ。仙台 - 愛媛戦は、それでなくても小さなスタジアム --- それも陸上競技場 --- に 2161 人しか入っていないなかった。スタンドが寒いと試合まで寒く思えてしまう。日本中にサッカー専用スタジアムがあって、満員の観客の中で熱戦が繰り広げられ る日々が早く来て欲しい。

イタポンの論文セミナー。ハチドリ媒花とハチ媒花では、花粉の放出速度に違いがあるかどうかを調べた研究を紹介してくれた。一応、著者の仮説(ハ チドリ媒花の方が放出速度が速い)どおりという結果が得られてはいた。しかしこれで「仮説が検証された」と言えるのか?  結果の部分があっているだけで、肝心の、「結果を導く論理」の検証をまったくやっていないのだ。全然違う理由で、「ハチドリ媒花の方が放出速度が速い」の かもしれないではないか。仮説というのは、「これこれの理由で、こういうことが起きている」と予測するものである。理由の方も(方こそ)きちっと検証しな いと、「検証した」とは言えない。

講座セミナー二つ。やはり、かとぅのデータは面白い。蜜量と蜜濃度の意義をつめる実験をすればよいと思う。
明日早朝は、運命のブラジル戦である。だめで元々。開き直って 200 % の力を出して欲しい。私も、「気楽に」応援する。
 普段の木曜日は講義が終わって開放感いっぱいになるというのに、ワールドカップが始まってからちっとも開放感がない。日本戦の緊張感が常に胸にざわつい ているのだ。逆に、講義前は、日本戦の緊張感のため、講義に対する緊張感がいつもよりは薄れているという利点はあるが。

6/21(水) の進歩 初版の古本
久しぶりに、「これ論」初版をアマゾンで見て驚いた。古 本が 5 点も出ている。しかも皆お高く、6000 円 - 7600 円である(初版の定価は 2650 円であった)。確かに、初版はもう書店では手に入らないけれど、買う人(「お買い求め下さる方」と書くべきか)いるのだろうか。大改訂増補版が出ているわけだし、初版に希少価値がある気もしない。「初版の方がわか りやすかった、こらっ」という声があったら怖い。売れ残った初版はいずれ、書店から完全に回収されて祭壇(「裁断」と書くのは忍びない) されるはずである。「祭壇するくらいなら私にくれないかな」と思わないでもない。自宅の書棚の一面に「これ論」をびっしり並べてみたいと ちょっぴり思っている。

生物学科三年生向けの講義をした。二こま目が休講なので、私の講義(一こま目)に来てくれた方は、わざわざ聴きに来て下さったのである。ありがた や。などと思っていたら、数人がまとめて、ちょっと遅れて講義室に入ってきた。午後の学生実習の一環として、朝一番になんちゃらを交換したのだそうだ。と いうことは、(私の講義がなくとも)そもそもこの時間に来る必要があったのか。などどいじいじする自分がいい加減うっとおしい。講義内容は、生 態学における分子的手法の解説であった。エコゲノミクスの話もした。その将来性をどう思ったか、感想を聞きたい。質問者ご芳名:岩嵜君・今井さん・芹澤 君・山脇君。

ひじりと、卒業研究についての定例の話し合いを持った。これまでのモデル解析結果を見せて貰ったら、解析の難しさがネックになっているように思え た。しばし議論し、微分方程式を使っての解析は止めることにした。かわりに、差分的な考えでいこう。これなら、解析もぐっと楽になるし、既存のモデルを越 えた新しい予測が出る予感がする。ひじりのモデルがうまくいく確率と、日本がブラジルに 2 点差以上で勝つ確率のどちらが高いか、はい皆さん、賭けを楽しんで下さい。

6/20(火) の進歩 ロナウジーニョ対策
昨夜の NHK で、ブラジルに勝つにはどうすればいいかを話していた。岡田監督は、「一番手っ取り早いのはジーコに電話をかけて貰うことです」と言っていた。ほんと、こ れしか無いかも。攻撃の要ロナウジーニョをどうすれば封じられるかも話題にのぼった。「人数をかけて囲み、自由にさせないこと」しかないらしい。しかし、 大切なことを忘れていないか。日本には、他国には無い秘密兵器がある!  ロナウジーニョそっくりな、日本 女子代表の山本 絵美だ!  イタリアまで行ってロナウジーニョ呼ばわりされたのだから、ただ事ではない(4/25 の本人のブログを見よ)。疑う人はこのページで 確認すべし。ロナウジーニョ(本物の方)を密かに誘拐し山本とすり替えれば誰も気づかない。山本も、大はしゃぎで成りすますであろう(たぶん)。変なギャ グ(注)さ えかまさなければ決してばれることは無い。 注;5/26 のブログの写真の下に踊る、「クリックすると大きな画像を見られます」の文字。「見たくないっ!」と誰もが叫ぶ。

ベガルタ仙台は明日、敵地で愛媛 FC と対戦する。このところ二連敗の仙台。明日は絶対に勝って、悪い流れを断ち切らないといけない。前節は出場停止だったロペスと木谷が戦線復帰するらしい。 ロペスは、控え組に入った先週の紅白戦で、控え組を 5-2 の勝利に導く大活躍をした。主力組に戻った今週の紅白戦では、主力組が 4 得点だ。要するにすごい選手である。木谷も、今週の紅白戦で主力組のセンターバックに戻り、「出色の出来で控え組を抑え込んだ」(河 北新報より)らしい。控え組からロペスがいなくなったからではないかと引っかかるものもあるが、活躍を信じて いる。それと、水をいくら飲んでもいいからちゃんと働けよ、渡辺。
植物の事典執筆のため、調べ物調べ物調べ物。そして、思い立ったところをぱっぱと書いていく。「何を書こうか」と茫洋とする暇を自分に与えないこ とがこつだ。

6/19(月) の進歩 祝アクセプト
イタポンの論文が American Journal of Botany にアクセプトされた。おめでとう。八甲田のオダマキを対象に、性投資の花序内変異を調べた論文だ。これで、博士論文提出の要件は整った。この夏にデータを さらに充実させて、博論を提出しよう。今年の研究計画を待っている。

生物学科三年生向けの生物学演習(英語論文の輪読)を行った。履修登録は 17 名なのに参加者は 9 人しかいなかった。すぐに気落ちする私は、「日本があんな結果になってしまったので、ふて腐れて寝ているのでは」と責任転嫁を図ったものの、さしてウケ ず、さらに気落ちしたのであった。おまけに、「Mann-Whitney U テストとはどんなものですか」という質問に、なぜか頭が混乱して答えられず、ますます元気を消失した。終了後、昼食がてら一時帰宅し、あんと遊んで気を紛 らわしたのであった。注;あんが来て以来、一時帰宅はずっと続けている。幼児を長いあいだ留守番させるのは可哀相だから。四ヶ月になるまで、‥‥‥いや 五ヶ月、いや六ヶ月になるまで続けよっと。

イタポンのもう一つの論文も読んで、OK を出した。英文校閲に出して投稿だ!

6/18(日) の進歩 完分け
日本がクロアチアに完分けした。「完分け」とは何かというと、「惜敗」の対極を「完敗」と言うように、「惜しくも引き分け」の対極を指す言葉である。FW がひ弱で決定力無し。点が入る気がしない。

午前中は庭仕事をした。地球全体が富栄養化している噂もあり、庭の植物も何か成長が良い。間引いたり剪定したりして成長を抑制した。その後、録画 しておいたワールドカップの試合を見たりして過ごした。大河ドラマも見た。仲間由紀恵が、だんだんと遠くの世界(お笑いの道)に行ってしまいそうだ。

午後 10 時に試合が始まった。正直なところ、クロアチアに一方的にやられるのではないかと恐れていた。しかしそんなことはなく、ボール支配率は日本が上回ってい た。しかし、宮本が痛恨の反則を犯し、クロアチアに PK を与えてしまった。お祭り男の川口が何かやってくれそうな気が。そして本当に止めちゃった。これは日本に流れが来たか。一方、フリーキックからの中村の強 烈シュートを僕らのサントスが阻止する(後ろを向いて怖い怖いしたら、背中に当たっちゃったの)などして、日本もゴールを上げることが出来ない。後半に は、高原とのワンツーパスでペナルティエリア右を突破した加地が、柳沢に絶妙のセンタリングをした。柳沢は、ゴール目の前 5 m の距離にフリーで走り込んでいた。GK は、加地に引き付けられていたのでゴールはがら空きであった。無人のゴールに流し込むと思いきや、柳沢は豪快にクリア。全日本人がどっとこけた。柳沢に替 わって入った玉田は、必死のドリブ ルで局面を打開しようとする。敵を選ばぬ玉田はなんと主審にドリブルを挑み、しかも削られてしまった。ピッチ上で倒れ 動けぬ玉田。主審は何と思ったのか。 しかし試合を止めてくれない。解説の井原は、「玉田、お前は立てーーー!」と叫んでいた。ようやく立ち上がったものの、すぐに試合終了となってしまった。
 あまりに重い完分けだ。これまでもなかなか点を取れなかったチームが、急に点を取れるようになるわけないということか。次の試合でも多分、急に点を取れ るようにはならないだろう。しかし ーーーーー。決勝トーナメント進出のためには、ブラジルに 2 点差以上をつけて勝つことが最低条件となってしまった。オーストラリア戦での 3 失点が大きく響いているのだ。引き分けさえ無理そうな相手に勝たなくてはいけない。しかも 1 点差では駄目である。さらにしかも、どうしようもなく決定力の無いチームがそれをやらないといけない。せめてもの救いは、ブラジルがすでに決勝トーナメン ト進出を決めたということである。「のほほんブラジル」であったなら、「必死のクロアチア」相手よりは勝機があるかもしれない。しかし、1-0 での勝利はありえるかもしれないが、2 点差以上での勝利は ‥‥‥‥‥。もう、奇跡を信じるしかない。

奇跡の起こり方:
・ブラジルがまだ寝ている時間帯に奇跡的に 1 点を取る。
・ブラジルの猛攻を奇跡的に防ぎきる。
・ブラジルが焦って前がかりになったところで奇跡的に追加点を掠め取る。
・あったまに来たブラジルが輪をかけて猛攻をしかけるが、輪をかけて奇跡的に防ぎきる。
・2-0 で日本が勝利。
注意点:シュート 2 本で 2 点取る覚悟が必要。

6/17(土) の進歩 完敗
ベガルタ仙台がコンサドーレ札幌に完敗した。良いところ無しの酷い試合だった。
 朝市で祝杯の刺身を買った後、暁子と共にユアテックスタジアム仙台に向かった。心なしか観客が少ない。ワールドカップ日本戦の前日ということで、ドイツ に行ってしまった人や寺に籠もった人が多いのだろうか。結局、1,3162 人という寂しい入場者数であった。
 仙台は、実質的に 3-5-2 の布陣できた。池田・渡辺・千葉が 3 バックを形成し、その前を動き回るボランチは熊林だけ。池田・渡辺の初先発組二枚のセンターバック(紅白戦で 5 失点した)では心許ないので3 バックにしたのだろう。しかしボランチが熊林一人になったため中央のスペースを埋めきれなくなっていた。おまけに熊林はスピードが無く、振り切られること しばしばであった。前半は、札幌の鋭い攻撃に右往左往させられるばかりであった。そして前半 15 分、右エリア内で札幌 FW フッキと対峙した熊林は、浮き球に引き込まれるように手を差し出した(しかし触りはしなかった)。「熊林、ついに昇天したか?」と私は思った。熊林も、天 国の柔らかい風に包まれながら、「自分は今、どこで何をしているのだろう?」と思ったのか?   我に返ったときは、ボールがネットを揺らしていた。ゴールまでの短い間に熊林は現世を一瞬離れたと、私は確信している。後半立ち上がりから、熊林に替わっ て磯崎がボランチに入った。これで中盤が引き締まった。磯崎は、札幌の攻撃をきちっと抑えるし、味方へのつなぎもしっかりこなしていた。しばらくは仙台の 時間帯が続き、得点への期待が高まった。しかし後半 22 分に、その磯崎が痛恨のミスを犯してしまい、札幌に二点目を献上した。仙台に、追いつく力は無かった。MF 梁の、「最後は、どっちがゴールを決めたかで勝負が決まる」(日 刊スポーツより)というコメントが、わけがわからず印象的だ。
 池田・渡辺の初先発組はやはり力不足であった。この二人がしっかりしていたら、千葉をバックラインに入れることなく、千葉・熊林のダブルボランチで戦う ことが出来たはずだ。二人はまだ三分の二人前であった。でも渡辺は、三人前くらい水を飲んでいたと思う。「失敗する な、水ばかり飲んで」とサポに言われて いた。
 ロペス欠場の穴も大きかった。キープ力がありロングパスが正確なので、一人で好機を作ってしまう。ロペスがいたらどうなったかわからない試合であった。

帰宅後、豪華料理で残念会をした。あんは、久しぶりに暁子に会って大はしゃぎであった。しかし、暁子には「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ」で、私には「ぺろ」ってのは、なんか面白くねー。
6/16(金) の進歩 明日は札幌戦
ベガルタ仙台は明日、ユアテックスタジアム仙台にコンサドーレ札幌を迎え撃つ。仙台は、攻撃の要のロペスとセンターバックの木谷が出場停止で、もう一人の センターバック白井が負傷で長期離脱である。なんと、センターバックを二枚とも替えないといけない。池田と渡辺がセンターバックを組むことになりそうだが 不安は拭えない。15 日の紅白戦では、「控え組相手に大量失点するなど不安も残った」(河 北新報より)らしい。いったい何失点したのか? 「大量失点」とオブラートに包んだ表現で気を遣う河北であるが、サンスポは、「控え組に5失点」とそのま ま書き、気遣いの気配がない。60 分で 5 失点だそうだ。ふつーありえない。『札幌戦までわずかだが、渡辺は「(ボランチの)千葉さんや池田さんと戦術について話し合えば大丈夫」』(サンスポよ り)と語り、そんなものかねえと思わないではない。一方、ロペスの替わりが務まる選手は仙台にはいない。そのため、4-3-2-1 から 4-4-2 へシステム変更する模様である。ボルジェスと萬代がツートップを組む。これは楽しみだ。明日は内容はどうでもいい。ともかく勝ってくれ。

今日は一日、植物の事典の執筆に没頭した。生活形について解説を書くのだけれど、生育形・functional group の説明も加えることにした。いろいろ調べている内にかえってわかんなくなったりして、けっこう悩んだ。functional group と functional type ってほぼ同義と考えていいのか?

6/15(木) の進歩 マルハナバチとワールドカップ
かとぅの論文セミナー。人工花を使って、蜜量が減ることが、マルハナバチの定花性に及ぼす影響を調べた論文を紹介してくれた。

実験 1:蜜量が多い赤花のみを提示し採餌させる --> 蜜量が少ない赤花と黄花(両者の蜜量は同じ)を提示し採餌させる
実験 2:蜜量が少ない赤花のみを提示し採餌させる --> 蜜量が少ない赤花と黄花(赤花の蜜量は変えない;赤花と黄花の蜜量も同じ)を提示し採餌させる

実験 1 では 2 に比べ、赤花から黄花へと採餌対象を変えるハチが多かった。どちらの色を選ぼうと蜜量は変わらないのにである。赤花に蜜量の多かったことを知っているため にがっかりして、黄花に変えちゃうらしい。なかなか秀逸な実験だ。さらには、地元開催の有利さに乗って決勝トーナメント進出したがために、今大会でも決勝 トーナメント進出が当然と思っている自分を省みるのであった。

日本は、クロアチア戦に 4 バックで挑むらしい。最近はもっぱら 3 バックで、点を取るために前がかりになるときに、後半途中から 4 バックに変更するということをしてきた。得失点差でオーストラリアに 4 差をつけられているので、点をたくさん取って勝ちたいということか。しかし、始めから 4 バックで大丈夫かね、サントス君の守備とか。それと、こんな大切なことをなぜ公開してしまうのだろう。なりふり構わず秘匿して、クロアチアに対策を練られ ないようにするべきではないのか。

ワールドカップもお構いなし、J2 の闘いに燃える我らがベガルタ仙台は、今週の土曜日にコンサドーレ札幌と戦う。今季初の先発出場が確実な池田は、「日本代表DF茂庭照幸(24)、MF駒 野友一(24)がW杯デビューなら、おれはJ2スタメンデビューだ!」(日 刊スポーツ東北より)と意気込み、ちょっぴり憐憫の涙を誘うのであった。いーーや池田、どんなお仕事も皆、かけがえのないことなのである。札幌戦 での零封を期待している!
植物の事典の原稿を少々書き始めた。正直、書けるのか不安であった。でも、1 ページくらいは書いた。

6/14(水)の進歩 ブラジル勝った
ブラジルがクロアチアに勝った。ふっ。世の中は、私が画策した通りに動いているわ。

ブラジル対クロアチア:ブラジルがクロアチアに勝つ。
日本対クロアチア:数々の偶然奇跡を生み出してきたジーコ日本がクロアチアに勝 つ。
ブラジル対オーストラリア:オーストラリアが当然負ける。最終節を前 にしての勝ち点は、ブラジルが 6、日本とオーストラリアが 3、クロアチアが 0。
オーストラリア対クロアチア:オーストラリアは、「勝てば決勝トーナ メント進出がほぼ決まる」と固くなっている。一方のクロアチアは、ともかく勝つしかない。後の無いクロアチアは、ドイツ大会にちなみゲルマン魂で戦いオー ストラリアに勝つ。
日本対ブラジル:私の記憶の範囲内では、日本はブラジルに 1 勝(マイアミの奇跡)1 分(去年のコンフィデ杯)。他は覚えていない。よって日本の方が強い。おまけに、負けなければ決勝トーナメント進出が決まるブラジルが、神様ジーコにわざ わざ勝とうとするはずもない。ここは仲良く引き分ける。勝ち点は、ブラジルが 7、日本が 4、オーストラリアとクロアチアが 3。日本が決勝トーナメント進出!

こう書くと、実現するとしか思えないであろう。

生物学科三年生向けの講義をした。出席者は、ちょい減って 30 人であった。オーストラリア戦の敗戦にショックを受け、引き籠もってしまったのであろうか。講義内容は、植物における性表現の多様性の進化についてであっ た。幅広い内容なので本当はもっと時間をかけたいところだけれど、無理矢理に一回の講義にまとめた。たとえば、「雌雄異花同株から雌雄異株の進化」とタイ トルを書き、その下に、「よくわかっていない」とひと言だけ書いて終わらせたりした。附記;講義中、「起こった」の「起」を漢字でが書けなくなって困っ た。
 質問者ご芳名:石井君・今井さん・菊池(佑)君・小塚君・佐藤君・竹原君・丸岡さん・山脇君。

ひじり・コジコジと、卒業研究の方針について議論をした。先日の談話会で先輩達から貰った意見を元に、今後の方針を話し合ったのだ。これからは、 毎週水曜日にこういう話し合いを持つことにしよう。これはつまり、「これこれをやる」と決めたことを、遅くとも(繰り返すが「遅くとも」。早いに越したこ とはない)次週の水曜日までにやっておくべしということである。よろしくね。

6/13(火)の進歩 惨敗
日本がオーストラリアに 1-3 で逆転負けを喫した。惨敗と言ってよい酷い試合運びだった。
 前半、堅さが目立つ日本は、自分たちのサッカーをすることが出来なかった。速いパスワークが影を潜め、オーストラリアに試合を支配されてしまう。ところ が前半 26 分、中村のクロスに飛び出したオーストラリア GK に、柳沢と高原が競ってもつれた。ボールはそのままゴールに入り、日本が幸運な先制点を上げた。それからは日本もリズムが良くなった。後半になると、前が かりに来るオーストラリアの逆手を取って、日本が次々と攻めを繰り出すようになった。しかし、最後のところで消極的になってしまい、決定機を作ることが出 来ない。結局、この時間帯に追加点を取ることが出来なかったことが勝敗を分けた。30 度という暑さの中、両チームは消耗していった。そして、巨漢を相手に奮闘していた日本の方が消耗が激しかった。とくに中村は、ほとんど動くことが出来なく なっていた。中村に替えて小野か小笠原を投入するべきではないか。ところがジーコ監督は、中村ではなく柳沢を替えた。この場に及んで、「上手な選手をピッ チに並べておく」という采配だ。足が止まった日本は、オーストラリアを中盤で自由にさせてしまい、次々とロングボールを放り込まれた。クリアボールを前線 がキープすることも出来なくなっていた。そして後半 39 分、それまで鬼神の活躍をしていた川口が痛恨のミス、GK 不在のゴールに流し込まれた。浮き足だった日本は、あれよあれよと失点を重ね、 何よりも大切な初戦を落としてしまった。
 守りきって勝ち点 3 を取れる試合だった。最悪、勝ち点 1 は取らなくてはいけなかった。2, 3 失点目は、絶対にやってはいけなかった。敗因は二つある。第一に、選手交代で、前線と中盤のプレスを再構築しなかったこと。あれだけ自由に攻めさせては、 その内に失点してしまう。第二に、決定力の無さ。いや、決定機を作り出すことさえ出来なかった。あと一歩のところまでは行くけれど、その後のプレーが消極 的で、みすみす好機を潰していた。たとえば高原。相手 GK が大きく前に飛び出していたあの場面で、ループシュートをなぜ打たぬ?  それと駒野。右サイドを突破するところまではよい。しかし何で、フリーだというのにあんなセンタリングしか上げられないのか。あれじゃあ、我らが中田洋介 だ。
 試合終了後のインタビューで、宮本は憔悴しきっていた。言葉を発することが出来ない。NHK 特設スタジオの岡田監督も、「非常に厳しくなりました」と言っていた。内心、ほぼ絶望と思っているのではないか。東京の NHKスタジオのアナウンサーは、気持ちを盛り立てる意図だったのかもしれないが、「98年フランス大会も初戦は黒星でした」と三戦全敗 した大会を引き合いに出し、視聴者の希望の芽を摘んでいた。「準優勝した 99年ワールドユースでも、初戦は黒星でした」と言った方が良かったのではないか。
 しかーーーし。落ち込むのもここまで。開き直れ。次のクロアチアに勝てば良いのだ。そうすればきっと、一次リーグ突破の展望が開ける。クロアチアに勝つ ことだけを考えて、元気良く突撃せよ!
 昨日の主審、ワールドカップで笛を吹くことはもう無いであろう。得点に関わる重大なミスを二度も犯したのだ。日本の得点は GKへのファールであった。後半には、ペナルティエリア内で駒野が完璧に引っかけられて倒されたのを見落とし PK を取らなかった。審判も人間なのだからミスはありうる。一度のミスは目をつむろう。しかし、二度もミスをしてはいけない。そうすると、(おそらく)日 本が 2-0で勝って大変都合が良いのであった。

昨日は、あんを連れてきて皆と対面させた。人見知りするかと思いきや、全然平気であった。知らない人に激しく甘えるわけでもないけれど、怖がるそ ぶりも見せなかった。噛みもしなかった。このぶりっ子。
朝倉書店から刊行される、「植 物の事典」の執筆を開始した。植物の生活形や形の意義を担当する。昔は、形の研究をもっぱらやっていたのだ。しかし、最近の私の研究は種子生産に 関することが中心である。頭を元に戻そうと、最近の文献を読むことから始めた。

お気づきかどうか、この日記の書式をちょっと変えてみた。今までは、改行により段落だけを示していた。でも、同じ話題を複数の段落で続けることも あれば、次の段落ではまったく別の話題に移っていることもあった。章立てみたいなことをして、話題のまとまりを明示する方がいいのではないかとずっと思っ ていた。どれくらいずっとかと言うと四年くらいである。で、今日ようやくふっきれたのだ(何を?)。今月から、話題ごとに線で区切ることにした。

6/12(月)の進歩 いよいよオーストラリア戦
いよいよ今夜、日本代表が初戦を迎える。相手は巨人揃いのオーストラリアだ。一次リーグ突破のことを考えると、是非とも勝っておきたい。いーや、何として も勝たなくてはいけない。中村俊輔の左足が炸裂して勝利を導くと信じよう。試合が楽しみだ。今のところ、心臓のどきどきはさほどでもない。でも、この文章 を書いている内にどきどきしてきた。今夜は、研究室で皆で応援する。そうすれば心細くない。あんも連れてくるつもりなので、可愛がって貰おう。
 あん研究室初登場にあたって、注意書きを述べておく。一番大切なことは、子犬とは思わないことである。ワニの子と思う方がよい。た いへん危険なのだ。 抱っこしたり撫でたりすると、手や腕をひたすら噛もうとする。噛むことしか眼中に無いと言ってよい。歯が鋭く、噛まれると非常に痛い。ときに、服の上から 脇腹あたりをがぶっと噛むこともあり、飛び上がる痛さである。噛まれたら、あんの口をぐうっと開けて噛まれた部分を外し、すかさずおもちゃを口にはさむ。 噛まれた部分を口から外すだけではいけない。口から手を離した 次の瞬間に手をがぶっと噛まれてしまうので、おもちゃをはさむことを忘れてはいけない。

ひさしの論文を読んで意見を述べた。花茎やがくの依存性に着目した議論を加えてはどうか。八甲田に行く前に改訂を仕上げるようにね。

6/11(日)の進歩 「これ論:大改訂増補版」第三刷り出 来
ちょっと前のことだけれど、「これ論:大改訂増補版」の第三刷りが出来した。新たに 2000 部刷って、第一刷りと合わせて 7000 部となった。お買い上げ下さった皆様、まことにありがとうございます。印税が、液晶テレビやハイビジョンレコーダーになったと 知り、なんか面白くないかも しれません。皆様の分も一所懸命見る所存ですので、熱い声援をお願いします。まだ買っていないそこのあなた、ワールドカップ中は勉強に手が付かないだろう から、ワールドカップが終わったら買って頂戴ね。

西側の庭を改造した。左右に花壇を作ったので(6/4 の進歩参照)、必然的に真ん中は通路となる。連 休中 に、踏み石となるレンガを敷いたのだけれど(5/4 の進歩参照)、レンガは二列であった。と ころが花壇を作ってみると、踏み石が片側に偏ってしまった。そこでレンガを三列に増やし、バランスを良くした。さらには、レンガの隙間に中途半端に撒かれ ていたウッドチップを取り除き、洋風の砂利で隙間を埋めた。お洒落になったと思うのだけど、通路は洋風、花壇は和風(野草を植える)という不釣り合いが生 じた気がしないではない。

飲みながら、オランダ対セルビア・モンテネグロの試合を見た。10 時試合開始となるとかなり酔いが進んでいて、試合がよくわからない。これからは飲まずに見るとするか。

6/10(土)の進歩 ワールドカップ開幕
ついに、ワールドカップが開幕した。世界中が熱狂の渦に包まれる一ヶ月の始まりだ。とは言っても私はびみょーであった。J2 の闘いはワールドカップ中も続く。なんで、J2 の最中にワールドカップをやるのか(「なんで、ワールドカップの最中に J2 をやるのか」と言うべきか)。気持ちは J2 に向いていて、ワールドカップにどうも入り込めない気がしていた。でも、開幕戦(ドイツ対コスタリカ)を見たら、一挙にワールドカップ気分になった。列強 同士の真剣勝負を満喫しよう。
 日本戦は生きた心地がしないであろう。常識的に考えて、ブラジルとクロアチアが突破しそうな F 組である。「駄目で元々」と思いながら応援すれば、心臓の負担も少しは減るか。しかし、「駄目で元々、失う物はない」なら気楽だけど、「駄目で元々、失う 物はたくさんある」なところが辛い。実を言うと私の最大の願いは、日本中のこの盛り上がりをサッカー文化の定着に結びつけることである。普段、J リーグ(および他の国内リーグ)を見ない人たちが、代表となるとなぜか応援し、ワールドカップに熱狂する。「代表」とはその言葉の通り、「ある人たちの中 から選ばれた代表」である。「ある人たち」、すなわち、「J リーグをはじめとする国内外リーグで戦っている人たち」を応援せずに、どうしてその代表だけを応援するのか?  ま、こんなこと書いてもしょうがない。代表がワールドカップで活躍することで、国内リーグへの感心をもっともっと高めたい。逆に、一次リーグで惨敗したり すると ‥‥‥。失う物はたくさんあるのだ。

シャープの 37 インチ液晶テレビが届いた。わーい。しかしあれだ。恐怖の接続だ。配線の多さにうんざりしていたので、「配線の数を最少にすること」をテーマに取り組ん だ。WOWOW のデコーダを繋ごうとしたら、「ビットストリーム出力」「検波出力」の差し込みがテレビ側に無い。デコーダは 10 年以上前の製品だし、文明も進歩して、もうそんな差し込みは無いのか?  しかし WOWOW は映るのか?  しばし考えたけれど、「配線の数を最少にする」というテーマに照らし合わせ、アナログ WOWOW からデジタル WOWOW に切り替えることにした。これならデコーダは不要だ。VHS ビデオデッキを繋げる段になって、さらなる改革をすることにしてしまった。ビデオデッキは場所を取る。しかしめったに使わない(我が家は DVD レコーダを使っている)。かといって捨ててしまうと、手持ちのビデオを見ることが出来なくなる。そして、DVD・HD・VHS の三つを使えるハイビジョンレコーダーをネットで見たことを思い出した。で、買っちゃった。ハイビジョン映像もそのまま録画出来るという優れものだ。ビデ オデッキを破棄したぶん配線も減った。というわけで、一挙にハイビジョン生活へと切り替わったのであった。

6/9 (金)の進歩 月初め談話会の有り難さを感じた
月初め談話会があった。意外な展開にどきどきしながらも、見事に事件が解決したという会だった。まずはコジコジ。「(卒業研究の)メインをモデルに絞る」 といきなり宣言。「知らなかった」と内心焦っている指導教官であった。「野外調査が主ではなかったの?」と聞くと、「モデルを中心に」との答えだ。もちろ んそれはそれで問題ない。ただ、将来的には野外調査でモデルの検証もするのであろう。ならば、「予備的にせよ野外調査もした方がよいのでは」とイタポンが 助言した。私も、種子とむかごの大きさのデータや、それぞれの「大きさ -- 生存曲線」を調べるとよいと意見を述べておいた。テーマははっきりしている(そして、とても面白い)のだから、頑張れコジコジ。続いて、「先月まで取り組 んでいたモデルが頓挫しました」と衝撃の告白でひじりの報告が始まった。「昨日頓挫して、それから食事も咽を通りません」と悲痛に語る。待て。昨日確かに モデルの再検討の話をしたけれど、頓挫したつもりはまったく無いよ。私の話し方に問題があったのかもしれないが、誤解だ。気を取り直して貰い、これからの 方針について皆で議論した。テーマは、「環境が均一な場合でも、地下茎による連結(資源をやりとりする)を維持することが有利になるのではないか」である と再確認した。そして、「子ラメートへの食害の強弱によって、資源を子ラメートに送り生育を助ける場合と、逆に、資源を回収して見捨ててしまう場合がある のではないか」とひさしが提案した。なるほど、私はびびっと来た。ひじりも、「明るい兆しが見えてきました」と、先輩のせっかくの助言に対してけっこう失 礼な喜びを表現した。兆しではなく確実な明かりだ。このアイディアをモデル化しよう。談話会の威力を感じた午後であった。

ベガルタ仙台の小長谷さんが、東京ベルディ戦での判定(昨日の進歩参照)に対するチーム見解を述べている(ベガルタ仙台 OHP より)。

「 試合後、マッチコミッショナーを介し、長時間に亘り質問をさせて頂き、カード提示の理由を細部にわたり説明を受けました。その結果、 ルール上での問題点は何ひとつなく提訴する内容ではありません」

これが、判定に対する小長谷さんの説明のすべてである。呆れた。「これ論」読め。これで人が納得すると思っているのだろうか?  これでは、「何をやるのか」だけを述べて「どうしてやるのか」をひと言も説明しないようなものである。「ルール上での問題点は何ひとつなく」とだけ言われ て、「わかりました」と引き下がる人はいない。「どうして」こう判断したのか、それをきちっと説明することこそが大切である。その説明の無いチーム見解な ど無意味だ。

悲痛な報せだ。ベガルタ仙台の守備の要である白井が、アキレス腱断裂で全治四ヶ月だそうだ。これまで全試合に出場し、体を張ってゴールを守ってき てくれ た猛将に悲劇が。一日も早い復帰を祈っている。今季の仙台の負傷者は、当初見込みの 1/2 - 3/4 くらいの期間で復活している。白井もそうならないだろうか。しかし、アキレス腱断裂ではさすがにそうもいかないのか。後を埋める池田・渡辺、しっかり頼む ぞ。

6/8 (木)の進歩 サッカー史に残る汚点
昨日の試合(ベガルタ仙台 0-2 東京ベルディ)に対する怒りをどう抑えたらいいのかわからない。主審鍋島・副審鈴木の二人によって試合がぶち壊された。いつから、「PK は、成功するまで何回でもやり直すことが出来る」というルールになったのか?
 立ち上がりから、せっせとベルディ寄りの笛を吹く鍋島。ボルジェスが何をされても反則を取らない。「酷い主審だ」と思っていたけれど、そんなのは序の口 だった。後半 25 分、木谷が PK を取られた。そして何と一発退場にしてしまった。故意でも何でもないプレーなのに、レッドなんて狂っている。しかし、本当に「すごかった」のはここから だ。ベルディの大野のキックを GK 高桑が見事に弾き出した。歓声を上げて喜んでいたら、副審鈴木が旗を上げて、PK やり直しとなった。高桑が、早く前に出たという判定らしい。大野がもう一度蹴り直すと、またしても高桑が弾き出した。ところがなんと、鍋島はまたしてもや り直しを命じたのだ。そして三回目で PK は成功。鍋島はようやく満足した。これだけではない。わずか 4 分の間に 4 枚もカードを出して大喜びだ。高桑に警告、やり直しに抗議した村上・ボルジェスにも警告。さらには、控え GK の小針を退場にしてしまった。小針は、負傷して倒れていた白井を心配し、「何とかしてやってくれ」と頼んだだけらしいのに。人を気遣うなんて言語道断だそ うだ。結局白井は負傷退場し、交替枠を使い果たしていたため、仙台は 9 人で残りを戦った。もう、サッカーではなかった。鍋島・鈴木の犯罪を記憶に刻むためだけの時間が過ぎていった。
 サッカーには暗黙の了解がある。ルールからは多少それていても、皆が認めている行為だ。たとえば、攻撃の途中に終了の笛を吹いたりはせず、攻撃が一段落 した時に試合を終わらせる(ルール上は、シュートの瞬間であろうと、時間になったら試合終了)。GK が 6 秒以上ボールを手で持っていても大目に見る(ルール上は間接フリーキックを取る)。同様に、PK のキックの一瞬前に GK が前に飛び出すことも、ごく当たり前のプレーである(ルール上は、蹴る瞬間までゴールライン上にいないといけない)。律儀にゴールライン上に立っている GK などいない。なのに二回も PK をやり直しをさせるとは。その理由はただ一つ。ベルディに点を取らせたかったためである。
 試合終了後、仙台サポから、「八百長ベルディ、八百長審判」の大ブーイングが起きた。当然だろう。私も、テレビに向かってぬいぐるみ(あんのおもちゃ) を投げつけた。とはいっても、壊れては困る物(リモコンとか)を投げつけない生活感は漂っていた(怒り文で、こんなことを突然書いてもウケん!)。画面に 映る鍋島に蹴りを加え、今日は足が痛い。
 鍋島・鈴木、そしていうまでもなく野田。こいつらを永久追放しない限り、サポが安心して試合を見ていられる日は来ないであろう。

こじこじの論文セミナー。無性芽と種子繁殖への資源投資を調べた論文を解析してくれた。きちっと読み込んでいて、わかりやすい紹介であった。初め ての論 ゼミとは思えない立派さだった。この論文を越える研究をするように、頑張っておくれ。

「これ論:大改訂増補版」の印税が共立出版から振り込まれた。有り難い額を頂いた。お買い上げ下さった皆様、まことにありがとうございます。自分 にご褒 美にと、37 インチの液晶テレビを注文した。わーーい。文句ございませんよね。

6/7 (水)の進歩 ボルジェス元気いっぱい
ボルジェスは、今夜の東京ベルディ戦に出場するらしい。よかった。3 日の徳島戦で頭を強打し、 5 日まで練習を休んでいた。でも今は、元気いっぱいだそうだ。なんか、あんを思い浮かべてしまった。あんはいつも、何かしらがじがじ噛んで遊び回っている。 庭に出すと、元気いっぱいに走り回る。花壇を作ろうと私が動かしているスコップの先端を、「あんあん、あんあん」叫びなから大はしゃぎで追いかける。あん もいつも元気いっぱいだ。こんな感じで、ボルジェスにも大暴れして貰いたい。

生物学科三年生向けの講義をした。親と子の対立・雌雄の対立についての話だ。講義を始める前に教室をさあーっと見渡すと、山脇君がいないように思 えた。 いつも熱心に質問してくれる彼がいないのかと小さな衝撃と受けた。と、顔をこちらに向けた人がいた。なんだ、山脇君ではないか。髪を切ったので一瞬わから なかった。髪型を変えた人は前もって言うように。理不尽な要求だね。で、講義は、寝ている人はいつもより少なかったし、みな熱心に聴いてくれていたと思 う。質問者ご芳名:石井君・今井さん・栗原君・小泉君・定塚君・武田さん・丸岡さん・山脇君。

講義終了後は、昨日に引き続きエコゲノミクスの講義の準備をした。微速前進だ。

6/6 (火)の進歩 明日は東京ベルディ戦
ベガルタ仙台は明日、敵地で東京ベルディと対戦する。試合会場は何と、日本サッカーの旧聖地の国立競技場である(昔は確かに聖地だったけれど、今は、立派 なスタジアムが他にある。国立はぼろいし、もはや聖地とは呼べない)。仙台の選手で国立での仕合経験があるのは白井くらいらしいが、旧聖地にびびる必要は ない。たとえば、私の祖母の家は旧東海道沿いにあるけれど、車もあまり通らない裏通りと化している。話ががそれた。東京ベルディは、ラモス・柱谷・都並と いう日本サッカー界の○○三巨頭に率いられ(「引きずられ」と言うべきか)、バランス無視の突撃サッカーで攻め込んで来るであろう。仙台にとっては、むし ろ与しやすい相手である。ベルディという名前を恐れることなく、自分たちのサッカーを展開しよう。そうすれば勝利間違い無しだ。一つ心配なのは、ボルジェ スが出場できるのかということだ。土曜日の徳島戦で頭を打ち途中交替、昨日の練習も大事を取って休んだという。頭を強打した次の試合で活躍しても、「普 段 頭を使ってないのか?」とは決して思わないので、ハットトリックをするくらい暴れて欲しい。

昨夜、あんに、首輪と紐を付けてみた。「おいで」の練習をしようと思ったのだ。「おいで」と呼んでも来ない場合は、紐を引っ張って拉致するのだ。 しかし 練習どころではなかった。首輪を付けようとしたら、「いやいやいやいや」と後ずさりする。首の回りに巻いて「カチッ」と止めようとする瞬間に首を引っ込め る。なんとか首輪を付けたら、自分の目の前でぶらぶらしている紐に恐れおののく。紐を前足で払いのけようとして格闘。「おいで」の声もまったく耳に入らな いのであった。しょうがないからすぐに首輪を外してあげた。しかし、こんな調子で、お散歩デビューは大丈夫か?  ちなみにじゅりは、首輪をはめてもまったく気にせず遊んでいた。じゅりが鈍感なのか(注射もぜんぜんへっちゃら)、あんが恐がりなのか(注射されたら泣き わめいた)。

今日も一日、「生態学における分子的手法」の講義の準備に勤しんだ。モリナガに、エコゲノミクス特集の原稿を送って貰ったり、Brashaw and Schemske (2002) の花色変化の論文を読み直したり、シロイヌナズナの自家不和合性の論文を読んだりした。何とかなりそうに思う。一方、分子マーカーを使って雄繁殖成功を 測った論文も紹介したいのだけれど、良いのないかな?

6/5 (月)の進歩 謎の依頼
九州の広告代理店から電話がかかってきた。「九州地区の新聞に、先生の研究紹介をしたく思いました」だそうだ。なんで九州か、いやそれより、なんで私かと 思った。自慢にならないので自慢じゃないけど、そんな大層な研究はしていない。掲載例をファックスで送ってきたので見てみると、新聞広告特集であった。上 半分に研究紹介、下半分に関連企業の広告が載っている。例えば、「機能性食品として注目されるサツマイモ」という記事の下には、「焼酎一 筋」や「芋ようかん  舟和」の広告だ。「食品容器包装リサイクル技術」という記事の下には「パチパチ君」の広告が載っており、 「ここが新しい!   「パチパチ君」3つの特徴」が、ファックスの字が不鮮明で読めないのが残念である。依頼文を読むと、「企画関連企業の紹介をお願いしております」「新聞一 頁の広告料金は、4紙合計で 4,284,000円(税込)になります」とあった。担当者と改めて電話で話をしたら、「共同研究などをしている関連企業をご紹介して下さい」と言われ た。「そんな会社皆無です」と答えると、「花の香りの研究をなさっていると知ったので」だと。化粧品関係の会社につながりがあるとでも思ったのかねえ。訪 花昆虫(蛾)を誘引するための香り成分の研究を彩子・モリナガらがやったので、蛾向けの広告は出来るかも知れないが、人間向けの広告は無理である。附記: 広告を取って来られないとわかったら、「またの機会に」と言ってさよならされました。

明後日の講義の準備をした。さらには、「生態学における分子的手法」という題目の講義に向けて、早くも準備を始めた。いろいろ勉強しなくてはいけ ないの で、今からやっておかないと大変なこと(休講)になりそうなのだ。

6/4(日)の進歩 和芝を またしても粛正
午前中に庭仕事をした後、讃岐うどんを食べに北環状線へと出かけていった。ついでに、ヨネヤマプランテーションで園芸用品を少々購入した。帰宅途中、東洋 エクステリアのショールームに寄った。縁側(ウッドデッキとは決して呼ばぬことになった)を付けたので、日よけが欲しくなったのだ。お洒落な日よけがあっ たけれど、我が家の外壁に設置可能かどうかは微妙のようだ。積水ハウスに電話して、いろいろ調べて貰うことにした。

さて本題だ。先月、我が家の庭の西側の通路を改造した(5/4 の進歩参照)。去年の 秋に貼 り付けた和芝をかなり剥がして、レンガの通路にしたり西洋芝に戻したりしたのだ。通路の両脇は和芝のままなのだけれど、どうも生育が悪くて格好悪い。何か お洒落な草を敷き詰めたいと思っていた。ヨネヤマプランテーションで暁子と相談し、野草をふわっふわっと植える(びっしり敷き詰めるのではないという意) ことにした。そこでまた和芝を剥がすことになった。初めは部分的に剥がすつもりであったけれど、結局、ほぼ全面的に剥がして花壇に変えてしまった。ついて ないなー、和芝は。

近所の子どもが、「あんに触らせて下さい」とやって来た。前回は逃げまくっていたけれど、今日はまだ落ち着いていた。それでも逃げたそうにはして いたけ れど。そういえば、一昨日たけしが我が家にやって来たときは、全然怖がる様子はなかった。だんだんと人見知りが無くなってきているのか?

6/3(土)の 進歩 苦しみながらも勝つ
ベガルタ仙台が徳島ヴォルティスに 1-0 で勝った。がちがちに守ってきた相手に勝ち切れたことは大きい。
 早めに仙台駅に行き、朝市で祝勝会の刺身を買った。本鮪の頭のてっぺんのトロという珍しい物を売っていて、浮き浮きと購入した。駅で暁子と落ち合い、昼 食を摂ってからユアテックスタジアム仙台へと向かった。記者席に座るたけしに挨拶し、試合開始を待った。
 怪我や出場停止で主力を欠く徳島は、なりふり構わぬ守備戦術で来た。仙台のブラジル人三人には密着マークを付ける。マーカーは、影のようにずーっと付き まとっていた。前線や中盤に進出してきた他の選手にも誰かがマークにつき、誰一人として自由にさせまいとしていた。これに仙台は苦しんだ。こういう時こ そ、選手が連携して動いてマークを外すことが重要である。しかしブラジル人トリオが、開幕当初に逆戻りしたかのように、「自分たちだけでの攻め」を始めて しまった。おまけにボルジェスが頭を強打した。しばらくはプレーしていたものの、ピッチ外に出て、物の見え方が変だとトレーナーに訴え出した。でも、側に いたサンタナ監督は、「変じゃない、闘え!」と真っ赤な顔をして叱りつけるのであった。結局ボルジェスは、前半だけで交替した。後半になっても、0-0 のまま時間が過ぎていく。ひょっとして引き分けかという嫌な雰囲気になっていた後半 28 分、チアゴネーヴィスの個人技が爆発した。ゴール前で、なんかすんごい足技で四人をかわし右足でシュート。GK がかろうじて弾いたボールが、フリーで詰めていた梁の元に転がった。ごっつぁんゴールを梁が決めて待望の得点を奪った。チアゴネーヴィスは、右コーナーフ ラッグの方に歓喜の走りだ。皆が当然、自分に抱きつくに来ると思ったのではないか。しかし、梁が左コーナーフラッグの方に走っており、皆はそっちに駆け 寄っていたのであった。どう見たってチアゴネーヴィスのゴールなのに、彼の所には結局誰も駆け寄って来ず、ちょっと寂しくなったの(たぶん)。その後徳島 は、マンマークを解除して攻めに出るが、仙台守備陣は落ち着いて守り抜いた。終了間際には、萬代が立て続けにコーナーキックを二つ取って時間稼ぎをし、苦 しみながらも勝ち点 3 を奪った。二位に浮上だ。
 こういう試合を勝てるようになったのは大きい。がちがちに守られて引き分けてしまった草津戦。終了間際の失点で勝ちを逃した札幌戦・湘南戦。しかし今日 はその轍を踏まなかった。チームは成長しつつある。

帰宅すると、あんが暁子を大歓迎した。私の所にもやって来るものの、一舐めしただけでくるっと回転して、暁子の所にまた戻ってしまう。なんか面白 くな い。

6/2 (金)の進歩 たけし来室
私の研究室の卒業生で、サッカー中心のフリーライターとなった小林 健志が研究室に遊びに来た。今や J リーグのサポに広く知られる名うての書き手である。この四月に会社を退職し、仙台でフリーライターとしての生活を始めている。東北のユースとベガルタ仙台 を中心に取材活動をしているそうだ。サッカー J+ やベガルタ仙台の携帯サイトなどに記事を書いている。ベガルタ仙台の練習は毎日欠かさず取材に行っているそうだ。ユアテックスタジアム仙台では記者席で観 戦していて、監督の記者会見にも出席しているんだって。監督に質問もするそうだ。かっこいい。今日は、午後三時くらいからずっと、たけしと話をした。サッ カーに関して深い理解と広い知識を持っているので、聞く言葉聞く言葉が勉強になる。これから我が家に招いて、横浜 FC の試合を一緒に見るのだ。サッカーの見方を実地で教えて貰おう。

ベガルタ仙台は明日、ユアテックスタジアム仙台に徳島ヴォルティスを迎え撃つ。右サイドバックに菅井が復帰し、ベストメンバーで臨むようである。 きっち り勝って、心地よい週末を迎えよう。

あん(2006.3.10 生まれ)の三ヶ月の誕生日は 6/10 だった。何ぼけてんだ。異様に体格が良い(生後 4-5 ヶ月くらいのじゅりくらいの大きさ)ので間違えてしまった。

6/1 (木)の進歩 三ヶ月の誕生日
今日は、あんの三ヶ月の誕生日である(2006.3.10 生まれ)。近況を報告しよう。

1. 一日三回の粗相が日課である。トイレでもするけれど、それと同じくらい、いけない場所でもしてしまう。ちょっと目を離すともうしているのだから参ってしま う。和室(居間と隣接している)全体をトイレと思っているようである。

2. 「お座り」「待て」「伏せ」「おいで」「おうち」を覚えた。完璧とは言えないけれど、訓練に集中しているときにはちゃん命令に従う。このうち難しいのは 「伏せ」
と「おいで」だ。「伏せ」は犬にとっては不自然な姿勢なので、すぐに忘れてしまうみたい。じゅりは、おやつを貰えるとわかっている時にしか「伏せ」をしな かった。こうならないように特訓中である。「おいで」も奥が深い。どんな時にも(他のことに気を取られている時にも)呼ばれたらすぐ来るようにしないとい けない。今のところ、おもちゃで遊んでいるときに「おいで」と呼ぶと飛んで来るけれど、ゴミ箱をあさっている時は呼んでも来ないと いうムラがある。

3. 噛み癖は相変わらずだ。おもちゃをひらひらさせても、おもちゃではなく指を噛もうとする。だっこすると、私の手を噛み続ける。ときに、腕にがぶっと噛みつ く。飼い主の腕に何をするのか。真剣にどうにかしないといけない。

4. 服従心を養うため、日に 1-2 回、仰向けにして動けなくする(いじめではない。犬にとって必要なしつけである)。あんは、動きを止めて服従の態度を示しているようではある。しかし尻尾 が丸まっていない(本当に服従しているのなら、尻尾を丸めるはず ‥‥‥ だよね?  ちょっと自信なし)。それに、押さえつけるのを止めるとすぐに、「うにゃうにゃ」と私の指を噛んで遊ぶ。不真面目な子だ。

結論として、三ヶ月の誕生祝いは無しなのであった。

レフリーとエディターの仕事を少々。レフリーを頼まれている論文は、非常に面白い。こういう研究をやって欲しかったと前から思っていた。しかしこ の雑誌 は、編集長に問題があることで有名だ。レフリーの意見など無視、自分の独断と思いこみで採決してしまう。「面白い論文ですよ」と編集長を説得する査読報告 を書かないといけない。レフリーは何度もやったけれど、こんな気遣いは初めてである。

三年生の小泉君が、実習の内容について今日も質問に来てくれた。種子生産に投資できる資源量が予測不能なとき、種子の大きさはどうなるのかと着眼 したよ うだ。関連する、下記の論文を紹介してあげた。

Lalonde, R. G. 1991.  Optimal offspring provisioning when resources are not predictable.  American Naturalist 138: 680-686.