「これから論文を書く若者のために」
出版後の進行状況
若手研究者のお経
進行状況ホーム
2/28(火)の進歩 オムロンで講演
講演のため、京都学研都市にあるオムロンへと向かった。新祝園駅
(最寄り駅)に早めに着いたので、歩いて行くことにした。途中ちょっと後悔した。学研都市が想像以上に広々としていて、「果たしてたどり着くのか」という
気がしたのだ。それでも、一時間ほどで到着した。担当の國井さん・池田さんにお会いし、昼食を摂りながらいろいろお話を伺った。オムロン発行の学術雑誌
OMRON TECHNICS 掲載の論文には、2 万回も PDF
をダウンロードされたものがあるそうだ。すごい。レフリー精度も導入していて、ダブルブラインド(レフリーも著書もお互いに匿名で審査をする)でやってい
るらしい。これは良いことだ。著者名がわかると、公正な審査が出来なくなる可能性があるから。
午後から講演が始まった。「これから論文を書く技術者のために」という演題で、企業の技術者に(僭越ながら)論文の書き方の話をしたのだ。学生向けの講
義しかしたことがなかったので、始めはかなり緊張した。なにしろ、オムロンの技術研究を 3
時間も止めて話を聞いて貰うのだ。こういう内容の話で良いのかという不安は拭えない。それでもだんだん乗ってきて、「仙台の牛タン定食文化を守るために、
アメリカ産牛肉の輸入解禁を」とか「ベガルタ仙台がどうしたこうした」と話し出していた。つまりは、ほとんどいつもの調子になっていた。そんなこんなで、
予定通り 4
時半に終了。我ながら感心するけれど、だいたいいつも時間通りに終わるのだ。反省点としては、文章技術の話をし過ぎたかなということ。日本語の作文技術に
凝っているので、この話をだいぶしてしまった。しかしそれよりも、タイトルの付け方とか、論文に直接関わる話をもっとした方が良かったのではないか。とう
いうわけで、みなさま、ご静聴ありがとうございました。私を呼んで下さり、いろいろと世話をして下さった池田さん、どうもありがとうございました。
2/27(月)の進歩 エルゴラッソ
オムロンでの講演のため、京都へと向かった。もちろんじゅりも一緒だ。でもじゅりは京都へは行かない。横浜に寄って暁子の実家に預けた。身軽になって新横
浜に向かう途中、駅の売店で赤い新聞を目にした。これが噂のサッカー 専門新聞エルゴラッソか。せっかくだから買ってみた。折良く、J2
選手名鑑号であった。なんと、J2
の全選手を写真入りで紹介している。ベガルタ仙台のページを見てみた。ボルジェスの紹介文は、『「エメルソン級」と評価され
る強引かつ爆発的な突破からのゴールはJ全体のお楽しみ』であった。思わず頬がゆるむ。彼のゴールを他のクラブのサポも楽しみにしているとは。村上の紹介
文は、「起死回生のミドル連発でファンの心をわしづかみ。練習でも周囲を引き締める風格が」だ。「起死回生のミドル連発」ではなくて「ふかし連発」の方で
はないかと思うが、まあいいであろう。一方、中田の紹介文はちょっと可哀相だ。「右 SB
へのコンバートが成功」という書き出しは良い。しかしそれに続いて、「チョコレートパフェが大好きで引退後は店を持ちたいらしい」と、サッカーと関係の無
いことに全 3 行の内の 2 行が費やされている。
でも、中田はまだ恵まれている。菅井にいたっては、『覚えた日本語は?と聞かれた監督の答えは「キン」(菅井のあだ名)』で 2 と
1/3
行を消費、最後に一言「激しさが身上」と付け足されているだけであった。新人の左山でさえ、「苗字の通り左利き。その左足から放たれる
クロスは、この年代
では出色の精度を誇る』とサッカーのことを書かれているというのに、菅井の扱いは何故か?
京都に到着。さすが一流企業のオムロン、立派なホテルを用意して下さった。せっかくだからと、京都駅ビルの中で京会席の夕食を豪華に食べた。会計をした
ら、 「何とかフェアー」中とかで、京都駅ビル主催の抽選券を 9
枚貰った。しかし、フェアー終了前日ということで、「旅行券」「テレビ」といった高額賞品の当選者を張り出した紙は、幸運を得た人の名前で軒並み埋まって
いた。要するに何も残っていない。外れるとわかっていて行う抽選は、わくわく感もなくちっとも楽しくなかった。係員に抽選券を 9
枚わたして、カラカラと回す。 9 回まわし終えた瞬間に、9
個のティッシュが入った袋が差し出された。全部外れるとそっちもわかっていたのかと、ますます楽しくなくなったのであっ た。
2/26(日)の進歩 「これ論」大改訂増補版刊行!
華々しくお知らせです。「これから論文を書く若者のために」の大改訂増補版が出ます。四月初めに
刊行予定です。初版出版から四年。この四年間に新たに経験したこと・考えたことをすべて書き足しました。説明が不十分であった
ところも大幅に書き改めました。初版は 232 頁、大改訂増補版は 301 頁という、頁数にして約 25 % の増強です。詳しくはこちらをご覧下さい。みなさまのお買い上げを、心よりお待ち申し上げております。迂闊に為替相場に手
を出し、手痛い目にあっている著者より。附記;共立出版の注文ページには、2/27 の午前 9:00 以降でないと繋がらないのでご注意下さい。
というわけだ。この日記で、「秘密作業」という言葉がしばしば出てきたけれど、そう、改訂作業のことであったのだ。改訂版を出そうと思ったきっかけは、
2005 年 10 月 14
日に、東北大学の一年生向けに「レポート作成法」という講義をしたことである。この講義で私は、「なぜ、ベガルタ仙台は強いのか:勝利を呼ぶ牛タン定食仮
説の検証」のイントロダクション(初版の p.
60)を、「良い例」として学生に読ませた。ところが学生の反応は、「身体能力の強さの秘密を調べてどうするのか、その意義がわからない」であった。とん
でもねーーガキどもだ、じゃなくて、「このイントロは弱いか」と考え込んだ。そして、「本書を改訂しようか」という思いを初めて抱いた。それ以前にも改訂
の話はあったけれど、「めんどくさい」の一言で終わりであった。しかしこのときは、かなり真面目になった。それから数
日初版を読み込み、他に直すべき所が
あるか考え続けた。そして 2005 年 10 月 20
日に、改訂することを決意したのだ。それから猛然と改訂に取り組み、年末には完成させた。私としては、初版よりぐっと良くなったと思っている。初版お持ち
の方も、買い直して絶対に損は無いと思う。<--- 強く宣伝
明日から 3/1
まで出張で不在の予定だ。オムロンで論文の書き方の講演をするのだ。大改訂増補版の宣伝もしっかりしてこよう。というわけで、しばらく更新はお休みです。
2/25(土)の進歩 日本語の作文技術 × 4
署名に「日本語の作文技術」が入っている本を四冊もまとめて買ってしまった。いずれも本多
勝一著で、「日本語の作文技術」(朝日文庫)・「実戦・日本語の作文技術」(朝日文庫)・「新装版・日本語の作文技術」(講談社)・「わかりやすい日本語
の作文技術・大活字版」(オークラ出版)だ。「日本語の作文技術」はもちろん持っているけど、「句を先にし、詞をあとにする」が、「節を先にし、句をあと
にする」に変わっているかどうか確かめるために買い直した(2/19 の進歩参照)。「実戦・日本語の作文技
術」は、持っていたはずなのに行方不明なので買った。他の二つは今回初めて見ることになる。こんなにまとめて買ったのは、「これ論」版日本語の作文技術という、本多さんの作文技術を紹介する
ページを書いたからだ。本多さんの最新の考えを知っておくのは当然の義務である。もう一冊、「中学生からの作文技術」(朝日選書)があるけれど、さすがに
これは買わなくていいだろうと思った。
上記の変更点は確かにその通りであった。「実戦・日本語の作文技術」を除き三冊とも、「節を先にし、句をあとにする」という趣旨になっている(「実戦・
日本語の作文技術」では、「句や連文節を先に」になっている)。ただし、『「節」は一個以上の述語を含む複文とし、「句」は述語を含まない文節」という定
義(「新装版・日本語の作文技術」p. 73)なので、本質的には変わっていないと思う。
では、この四冊の中で一冊だけ買うとしたらどれが良いか。内容的にかなり重複があるので、皆が皆、全部を買うこともあるまい(私のような本多ファンは全
部買ってもよいが)。まだぱっと見ただけだけれど、「新装版・日本語の作文技術」が良さそうに見える。一番新しいし、集大成という感じがするのだ。「日本
語の作文技術」に比べると、字が大きいこと・内容を絞っていることも読みやすさを増している。「わかりやすい日本語の作文技術・大活字版」は字が大き過
ぎ。ま、ともかくも、日本語で文章を書く人はどれかを読むべきであることに間違いはない。
2/24(金)の進歩 荒川が金
早起きして、女子フィギュアを見た。テレビをつけると、ショートプログラム終了時で二位のアメリカ選手の演技の途中であった。その後にいきなり荒川の演技
が始まるとは思わなかった。そのとき私は、庭に出していたじゅりを洗面台に乗せて、足を洗っていたのだ。朝餉の支度をしに台所に戻ると、青い服の人が演技
をしているのが見えた。「誰だろうねえ」としばらく思っていた後、荒川であることに気づいた。せっかく早起きしたのに、30
秒ほど見逃してしまった。ジャンプの度に、「転ぶな」とはらはらした。でも見事に終了。トップに立ったという採点発表に、思わず両手を上げた。村主の表情
豊かな演技も良かった。彼女は引退後、ドラマや映画に出るようになるのではないか。そして最後に、ショートプログラム終了時で一位のロシア選手の演技が始
まった。ジャンプの度に、「転べ、転べ」と真剣に念を送った。ほんとに転んだときは、とても嬉しく思った。これで、荒川の金が確定した。附記;新聞の投書
欄とかにこんな投書が出るか。「私は、どの選手にも最高の演技をして貰いたいと願っています。外国人選手が転んだことを喜ぶ人がいたと聞くと悲しくなりま
す」。わたくし、こういうこと言う人のこと、とっても嫌い。
数日前に、ヒラガの論文が Plant Ecology
から返ってきてた。ようやく時間が取れたので、コメントを見てみた。担当編集委員から、三カ所の改訂要求がなされていた。いずれも語句の修正だけだ。さっ
さと直して返送した。これでもうアクセプトされるであろう。その後、今週の頭に英文校閲をやった論文の英文修正をした。長い間ほったらかしていた、食害が
ある元での最適種子サイズの論文だ。今日ようやくにして、American Naturalist に投稿した。うまく行きますように。
みっちーが、講座セミナーで発表するデータの相談に来た。開花時期が早いほど、花や果実の食害を逃れやすいけれど、受粉率は下がる。この傾向が綺麗に出
ていた。では、どのような開花戦略が有利なのか。この方向に議論を持っていこう。個々のデータをつなぎ合わせて、全体として何を言いたいのかを明確にする
ことが大切だ。
2/23(木)の進歩 キャプテン村上
ベガルタ仙台の今季のキャプテンが決まった。なんと村上がなるそうである。「にゃーんか大丈夫かな」と思ってしまう。でもまあ、日記に変なことも書かなく
なったし(つまらんやっちゃ)、子どもも出来たことだし、責任感が芽生えてきたのであろう。頑張ってチームをまとめておくれ。
昨夜は興奮した。寿人が代表初ゴールだ!
実に寿人らしいゴールだった。仙台時代、昨日のような、ボールをうまく呼び込んでのゴールをいくつ上げたことか。喜びの表情も昔のままだった。コーナー旗
を掴みにいかなかったのは残念だけど。正直なところ、寿人がドイツに行く可能性は低いであろう。しかし寿人は、試合で結果を出すことでポジションを掴んで
きた。ジーコ監督、もう少し寿人を使ってみてくれ。そうしたらきっと、寿人の決定力の高さに惚れると思うよ。
じゅりが、サッカーの試合を怖がっているみたいである。私が叫び声を上げるので、それにびびるみたいだ。以前は、「私が叫ぶ --->
じゅりが机の下に隠れる」という順番であった。ところがここ二試合(フィンランド戦とインド戦)は、試合が始まると怯えた感じになった。そして、私がまだ
静かな内に、早々に机の下に隠れるのであった。テレビでサッカーをやっているのがわかるのか?
それはそれですごいが、我が家の犬がサッカーを怖がるのは大変ゆゆしきことである。
オムロンでの講演の準備を終えた。せっかくなので、講演資料を数日中にアップするつもり。
その後はついつい、「これ論」版日本語の作文技術の改訂に勤し
んでしまった。「単語を並列するときにはナカテン(・)を用いる」の例に説得力が無い気がしたので、例を入れ替えたのだ。新しい例なら、テン(、)で単語
を区切ることが間違っていることを納得していただけると思う(と期待したい)。
女子フィギュアのメダル候補組は、明日の午前六時くらいから登場するらしい。なら、ちょっと早起きすればいいだけだ。せっかくだから生中継を見ることに
しよう。
私があやまると墓穴を掘るようなので、しばらく謹慎します。
2/22(水)の進歩 ごめん
土松の失恋疑惑はまったくの嘘であった。しかし私がいつ、「振られた」と書いたというのか? 2/18
と 2/21
だ。ごめん。で、振られていない土松の論文を読み終えたので、振られていない土松にファックスでコメントを送った。英文校閲に出して投稿だ。振られていな
い土松は、長い間よく頑張った。自分を褒めていいよ、振られていない土松。でも、投稿後も厳しい闘いが待っていることは覚悟しておくように、振られていな
い土松。
オムロンでの講演の準備に勤しんだ。明日には完成するであろう。
このままだとメダル無しで、マスコミ大慌てかと思われていた日本勢。女子フィギュアに期待が持てそうだ。なんか私も気になっている。頑張って夜中に起き
て生中継を見るか。しかしその前に、荒川 静香と藤原 紀香の微妙な一致感を払拭したいと願っている。「荒川
紀香」と十回言うと、たちまちごっちゃになる。
2/21(火)の進歩 ナカ
テンでなくてはいけない理由
忙しいはずなのに、並列の区切りにはナカテンを使うことが正しい理由(「こ
れ論」版日本語の作文技術参照)を書くことに没頭してしまった。一昨日スキーをしながら色々考え、昨夜、暁子とメールで議論もした。それらをまと
めたのだ。ところが、日本語の作文技術(本多
勝一著;朝日文庫)を読み直すと、私が考えたことはちゃんと書いてあった。改めて、本多さんはすごいと思った。いやこういう場合は、本多さんと同じ考えに
到達した自分がすごいと褒めるべきである。論文を書く上では、こうした前向きの姿勢が大切なのだ。
でもちゃんと、オムロンでの講演の準備もした。この講演で、「これ論」版作文技術の一部を話そうと思い、ならば考えをまとめようとした。そして気づくと
執筆に没頭していたというわけだ。
土松の論文もちゃんと読んでいる。何しろ午後に会議があったので、時間を潰すのにちょうどよかったのである。おかげ
で一とおり読むことが出来た。もう一度読み直し
て、明日にでも返送するであろう。これでもう、英文校閲に出して投稿して良いと思う。失恋にめげず頑張れ(注;振られていないそうである)。
2/20(月)の進歩 いつもの調子でよいものか
今月 28 日になんと、電子機器の一流メーカーオムロンで
論文の書き方の講演をする。どへーー。学生を対象にした講義は何度かやったけれど、今度のお相手は企業研究者だ。年齢的にも、お若い方からベテラン研究者
まで幅広い。そして何より、工学系の技術者という、私の専門からはかけ離れた方々が対象である。期待通りの講演が出来るのか、とても心配している。もう一
つ心配なのは、いつもの調子でやってよいのかということだ。私の講義・講演を聴いたことがある方ならば、何の心配かす
ぐにおわかりであろう。「これ論」やこの日記の読者の方も、想像がつくであろう。ウケを第一の目的とするのは論外に間違いあるまい。ちょこっとウケ狙いを
差し込むことは許されるのか?
いやそもそも、ウケてくれるのかが最大の問題といえる。というわけで、講演の準備を早々に始めた。今のところ、ウケ狙いのスライドは皆無である。
ちのの論文セミナー。集団間における性投資の違いを解析した論文を紹介してくれた。私としてはまず、レジメの、「大きな花の集団の性投資はどうなってい
るのか?」という文がいたく気にかかった。このところ作文技術にうるさいので、「大きな」がどれを修飾しているのか考えたのだ。答えは「花の」であった。
じゃあ、「大きな花の、集団の性投資」にすればいいかというと、これもしっくりこない。「集団の性投資」がどうも変な感じだ。「大きな花を咲かせる植物か
らなる植物集団があり、その集団における性投資」ということを言いたいのだけれど、さてどうするか。「大きな花を咲かせる集団における性投資」かな。
2/19(日)の進歩 ひた
すら考えごとをしながらスキー
久しぶりに、山形蔵王にスキーに行った。快晴で気持ちよかった。しかし正直なところ、スキーに飽きてきているのも確かであった。そのせいか、真面目な考え
事にふけりながらスキーをした。「これ論」版日本語の作文技術に
書き足す内容について考えていたのだ。とくに集中して考えたのが、単語を並列するときの区切りの付け方についてだ。「萬代・菅井・中田」とナカテンを使う
ことを本多さんは推奨しているし、私もそれに従っている。ところが世の中のほとんどの人は、「萬代、菅井、中田」とテンを使う。なぜなのか?
説得力のある理由を私は一度も聞いたことがない。いや、並列の区切りには、ナカテンを使うのが正しく、テンを使うのは間違っているの
だ。その理由を一言で
述べると、テンは、修飾語を明示するためにうつものだからである。しかし上記の例では、「萬代」「菅井」「中田」のそれぞれが独立の修飾語のわけではな
い。「萬代菅井中田」ではわかりにくいから区切るだけである。テンを、修飾語の明示と並列の区切りの両方に使っては、どちらの機能のテンなのかわかりにく
い場合が出てくる。だから並列の区切りにはナカテンを使わなくてはいけない。------------
てなことを考えつつ、並列の区切りにテンを使うと混乱する例を色々考えていたのだ。近く、公開の予定なり。
日本語の作文技術に関するとある噂を耳にした。私が持っている版では、「句を先に、詞を後に」というのが、修飾語の順序の原則となっている。ところが新
しい版では、「節を先に、句を後に」になっているらしい。本質的には変わっていないということだけれど、気になる。最新版を買ってみるか。
2/18(土)の進歩 祝ア
クセプト
宏太の卒業研究の論文が Canadian Journal of Botany
にアクセプトされた(と思う)。正式なアクセプト通知は来ていないけれど、ホームページで審査状況を見ると、アクセプトとなっている模様だ。この雑誌、前
の論文の時も、アクセプト通知無しにいきなり校正を送ってきた。微妙に不安ではあるけれど、ま、いっか。
こんなメールが来た。
Dear Prof. S Sakai,
Please disregard this message - it was sent by error.
I apologize for the inconvenience.
Sincerely,
XXXXX(差出人の名前)
これで全文。なら、初めからメールを送らなければいいと思うの。
家で一日中ぐだぐだと過ごした。土松の論文を読もうと思ったけれど、本人の日記が 2/14
で止まっている。風邪でも引いて寝込んだのだろう。あるいは振られたか(ちょうどバレンタインの日だし)。そんな時に
論文コメントを送るのは人の道に反す
ると思って、読むのを止めた。
2/17(金)の進歩 修論発表会 修論発表会
があった。機能生態研究室の六人は、午後からの発表であった。会場に入ると、某氏がいた。去年の発表会で、質疑応答の時間をめちゃくちゃにした御仁だ。限
られた質疑の時間を自分だけで独占してしまう。修論生を叩き潰すことが目的としか思えない姿勢で質問する。修論生が答えているのに、その言葉を遮って話し
始める。しかもこれを、ほとんどすべての修論生に対してやる。質疑のルールを一から勉強して欲しいもんだ。しかし、うちの研究室の発表になると会場を出て
いったので、ほんによかった。で、発表が始まった。一番手はりんかだ。力がこもっていた。ただ、緊張しているのか、ぼこぼこ言い間違いをしていた。「オス
メス花序への訪花よりも雌花序への訪花の方が多かった」(実際は逆)と言ったりとか。でも、立派に発表を終えた。後ろの席を見ると、彩子が、発表原稿を見
ながら書き込みをしていた。大慌てで試験勉強しているみたいであった。昨日の練習ではなめらかに話すことが出来ていなかったので、ちょっと不安になった。
しかし発表してみると、堂々とした話しぶりであった。みんなお疲れさま。修士課程での成果が見事に実となったと思う。和氣さんの発表も聴いた。彼女とは因
縁の間柄なので(悪い意味ではない)、その集大成を見届けることにしたのだ。発表直前、緊張の面もちで待つべきなのに、口を押さえて笑っていた和氣さん
を、「なんと不真面目な」と思った方へ。あれは、私と目が合って笑っていたのだ。この四年間、姿を見ると「けへへへ」笑いあって過ごした。この大切な場で
も掟を守ってくれて嬉しく思う。修了おめでとう。突然真面目に、私の質問の意図をまとめておく。ミジンコの成長は、餌の絶対量と餌の C:P
比の両方に依存するのではないの? だから、C:P 比の効果を見たいときは、食べた餌の量の効果を取り除く必要があるのではないのか?
岩淵君のデータを見ると、餌の量が、ミジンコの成長速度を律速していたしねえ。
2/16(木)の進歩 「これ論」版日本語の作文技術
ようやくにして、「これ論」版日本語の作文技術を公開した。一つ
一つの文をわかりやすくするためのコツを解説したものだ。名著「日本語の作文技術」(本多
勝一著;朝日文庫)の紹介が主目的だけれど、私独自の解説を加えている。また、本多さんの作文技術を少なからず改変している。だから、単なる解説には留
まっていないはずである。出来るだけ良いものにしていきたいので、意見や感想があったら是非メールをお送り頂きたい。
Canadian Journal of Botany
に投稿中の論文が、あと一歩でアクセプトされるところで足踏み中だ。編集長から先日、語句の修正指示を書き込んだ PDF
ファイルが届いた。見ると、ところどころに吹き出しマークが付いている。それをクリックするとコメントが現れたので、それに従って修正した。それ以外に
も、青い矢印があちこちに入っていた。「何だろうなあこれ」と思ったけれど、意味がわからないので、「綺麗だからいいか」と納得した。ところが改訂稿を返
送したら、「私のコメントのかなりを無視している」とお怒りのメールが来た。慌てて PDF
ファイルを確認したら、青い矢印も、クリックするとコメントが現れることが判明した。一言書いてくれたらいいのに、ぶつぶつぶつぶつ。教
訓:つつけそうな物はとりあえずつつくべし。
上記のやりとりで編集長(英語が母語)に言われたこと。他の研究の成果を紹介するときはすべて現在形で書くべし。そうだったのか?
一般的な事実として認められているものは現在形で、一つの研究結果であるときは過去形で書くと教わったのだけど。
2/15(水)の進歩 偽装問題 偽装問題に揺
れるのはマンションだけではない。鏡餅の偽装問題を先日告発したばかりなのに、さらに重大な偽
装問題が浮かび上がった。
左の写真は、蓋を開けたチョコレートである。美味しそうなチョコレートがびっしり詰まっているように見える。しかし右の写真を見て頂きたい。これは、チョ
コレートを取り出しひっくり返した姿である。なんと、チョコレートの厚さはわずか
5 mm しかなかったのだ。マンション偽装をはるかに上回る大胆な偽装ではないか。唯一もらった義理チョコがこれだと(保険のお姉さん、
ありがとね)、みみっちく嘆いているのではない。これが本命チョコであったなら、「親密度 5 で失恋の恐れ」がある(親密度
5:恋愛と関連させたいところではあるが、よくわからない指数)。そうと知らず偽装チョコを贈って失恋したら、製造会社の責任ははかり知れないであろう。
生命科学研究科の修士論文発表会が始まっている。ちょっと聴いたけれど、例年同様にがっかりさせられた。私は、学部三年生向けの「植物進化生態学」の講
義の最終回を「論文の書き方」の解説にあて、「どうしてやるのか」を説得することの重要性を訴えている。今年の修論生の多くもこの講義を聴いた。なのに修
論発表では、「どうしてやるのか」を説明しない。あんなイントロを聴かされては、私は虚しくなるばかりである。ひょっとして、「どうしてやるのか」を説明
しないのではなく、そもそも説明できない(ただ単に、調べてみただけ)のではないのか?
2/14(火)の進歩 天性の素質がある 土松
には天性の素質がありそうだ。とはいっても、その研究能力にではない!(正
しくは、その能力はまだ未知ということで)。自分の論文原稿を読んで貰うプレッシャーをかける素質があるとみたのだ。昨日論文を送ってきたのだけれど、
(コメントを)「できるだけ早く読みたいので、もしお手数でなければ、郵便でなく(必要な部分だけ)ファックスでお送りいただければと思うのですが、いか
がでしょうか」と、「早く読んで下さい」と明白に述べている。前の稿を送って来たときも、「せかすわけではないのですが、いつ頃返送いただけるでしょう
か」という類のことを書いて、しっかり急かしていた。こういう若者の気持ち、よくわかる。論文に対する熱い思いも伝わってきて好もしい。学生時代の私も、
いろいろな手を使ってコメントを急かした。原稿をわざわざ速達で送って急ぎ感を出したり、アメリカに国際電話をして急かしたり。そしてついには、あまりに急ぐあまり未完成の原稿を送るという道を究めた。すごく叱られた。この
ときの教訓を犬みたいに覚えていて、「これ論」にも書いたのだ(p.
136)。ともかくも、「読んで下さい、読んで下さい」という熱い気持ちが、論文を完成させる上で大切と思う。
修論発表練習第二弾。彩子のスライドは芸術点が高かった。彩子らしいセンス溢れるスライドで楽しかった。ただ、イントロと考察の構成は変えた方が良いで
あろう。
「これ論版日本語の作文技術」の執筆に目処が立った。もう少し詰めたら公開できると思う。
2/13(月)の進歩 事実です 今週の
17
日には修論発表である。ようやくにして修論生が発表練習をした。まだまだ直すところがありそうで、間に合うのかちょっと心配になった。みなさん頑張って頂
戴。りんかの考察のスライドには、(フキのオスメス花序は)「僅かな雌繁殖を行っている」と書いてあった。それを見て彦ちゃんが、「肯定的に述べているの
か、否定的に述べているのか」と質問した。「それなりに雌繁殖をしている」(肯定的)と「たいして雌繁殖していない」(否定的)では、考察の流れに大きな
違いをもたらす。みなが答えに注目する中、「事実として述べました」と
答えるりんかであった。
Canadian Journal of Botany
から、宏太の論文が返ってきた。編集長の指摘(内容的なものではなく、文章表現に関するもの)に答えればアクセプトになるらしい。今夜自宅で改訂してしま
うか。
土松から論文の改訂稿が来た。「これ論版日本語の作文技術」が頭を支配しているので、これをぱぱっと完成させてから読むことにしよう。
2/12(日)の進歩 蕎麦屋
昨日の帰り、タカラのショールームに行った。最新の
台所とかを感嘆し
ながら見た。しかし台所を買い換える気は無い。そこにぽわんと、「我が家の洗面所は低級感いっぱいだし、流しに傷が付いているし」と思い浮かんだ。洗面所
の展示品を見ると、どれもお洒落で高級感溢れている。それに、思ったほどは高くない。かなりその気になって、パンフレットを貰い、見積もりを出して貰っ
た。今朝になって考えた。洗面所の他のメーカーというと、TOTO や INAX
だ。むしろ、タカラよりもこの二社の方が上という印象がある。そこでこの二社のショールームにも行ってみることにした。しかし洗面所は地位が低いのか、ど
ちらのショールームでもちょっとしか展示していなかった。やはりタカラにするかという気になり、もう一度タカラのショールームに行ってみた。改めて希望を
きちっと述べ、本格的な見積もりを出して貰った。しかしホーローの扉が今ひとつ格好悪いという気もしていた。そこへ暁子が、「INAX
の扉は捨てがたかった」と言う。じゃあ、横浜に戻る暁子を仙台駅に送りがてら、もう一度 INAX のショールームに行ってみよう。改めて INAX
の商品を見てみると、「これはお洒落!」と思い直すものがあった。これで見積もりを出して貰い、ショールームを出てすぐに、積水ハウスに電話をかけた。
さっそく注文しちゃったのだ。ショールームで応対した人は、積水ハウスからすぐに確認の電話がかかってきて吃驚したであろう。というわけで我が家の洗面所
は生まれ変わる。お洒落で高級感溢れる空間に散歩から帰ったじゅりを乗せ、ばたばたするじゅりの足を洗う日も近い。
2/11(土)の進歩 蕎麦屋 昨夜、暁子が
帰ってきた。山形蔵王にスキーに行くつもりであったけれどあっさり予定変更し、家でぐだぐたすることになった。昼食に蕎麦を食べたくなった。山形まで食べ
に行っては、蔵王に行くのを取り止めた意味が無くなる気がする(なんで?)。そこで、近場の美味しそうな蕎麦屋をネットで探した。「蕎麦ギャラリー
冠木門」という店を絶賛している人がいたので、行ってみることにした。しかし休みだったら困る。念のため電話をかけてみよう。すると、「はいもしもし」と
出た(自分は誰とは名乗らない)。躾のなっとらん家にありがちな出方である。しかし、客商売の店でこんな出方をされるとは思わなかった。とっさのことで店
名も言葉に出ず、「蕎麦屋さんですか?」と聞いてしまった。「はいそうです」じゃないだろうーー。しかしこの店の怪しさはそれだけではなかった。店は、観
光地でも何でもない山の中。他の人家も無い。ほっといたら誰も来ないのではないかと思った。築 300
年の民家であるところは渋いが、室内装飾にセンスが無い。専門家に装飾させたら見違えるようになるだろうに。女性が、「いらっしゃいませ」とお茶を運び、
注文を取った。しばらくしてその女性、「それじゃご馳走様でした」と帰っていた。店
員ではなく客であったのだ。次の客が来るまで私たちが帰れなくなる? そんな怪談あったな。---------
とまあ、そんなことはなく、手打ち蕎麦がとても美味しかった。大盛りを頂いたところにさらに、「まだ食べますか、サービスしますよ」と、大盛りと同量を頂
戴してしまった。
帰りに、タカラ(おもちゃ屋ではなく、ホーローの
水回り商品の会社の方)のショールームに寄った。急転直下、思わぬ運命が私たちを待ち受けていたのであった。いったい何が・・・・・、続きは明日。
2/10(金)の進歩 公開作業 今日はほどん
ど一日、公開作業に没頭した。「これ論版日本語の作文技術」の執筆に励んだのだ。秘密作業との対比で公開作業と呼んでみたが、たいして意味無かったか。こ
の文書、思ったよりも長大になりそうだ。今週中に終えることなどとうてい無理であった。来週中には何とか仕上げたいところだ。
これとの関連で、とある方からご意見を頂いた。「日記に書く場合は匿名で」という念入りな警戒がなされていたので、お名前は伏せておく。2/8
の進歩で書いた、
誰より
も速やかに止まらずにパスを送る。<--- 句詞の順に並べる
止まらずに誰よ
りも速やかにパスを送る。<--- 詞句の順に並べる
の比較についてだ。後者の方が誤解を招かないと私は書いたけれど、後者も気持ち悪いというご意見であった。ごもっとも。最善は、この方ご指摘のように、
「誰よりも速やかに、止まらずにパスを送る」だと思う。私の意図は、句詞の順と詞句の順のどちらが良いか(ましか)ということ。この二つを比較した場合に
話を絞ると、後者の文の方がやはり良いと思う。
イタポンが、American Journal of Botany
から返ってきた論文を改訂中である。コメントはさして厳しくないので、きちっと直せば通るであろう。今日は、イタポンの改訂案にいくつか意見を述べた。か
のレフリー、鋭いのかボケなのかよくわからん。
2/9(木)の進歩 友蔵博論発表 とうとう、友蔵(と
アラマス・ヤスムラ)の博士論文発表会の日となった。私は、うっかり東京に行くこともなく、ちゃんと研究室に現れた(ウケなくていいです)。午前 10
時頃、モリナガが岡崎から戻ってきた。さらには 11
時頃、「こんにちはーー」と誰かが私の部屋に入ってきた。なんとヒラガだ(去年修士を修了して千葉にいる)。「なんでヒラガがいるんだーー?」と驚いた。
「「博論発表会聴きに行きます」とメールしましたよ」と言う。そうだっけ、すっかり忘れていた。てな感じで、同窓会のような博論発表会になってきた。午後
からいよいよ発表会が始まった。友蔵は、アラマスに続いて二番目の発表。練習を一回聞いたきりだったけれど、驚いた。見事なプレゼンテーションで、百点満
点と思った。わかりやすいのはもちろんだ。聴衆を話に惹き込む技術も素晴らしく、「推理小説を読んでいるようにわくわくした」(モリナガ談)である。マル
ハナバチの顔が個体によって微妙に違うといった、友蔵ならではのこだわりも楽しかった。モリナガに個体の描き分けをさせたらどんなことになるのか気になった(参考)。発表の最後に、「これ論」の表紙が出てきた。一瞬、「これ論」の宣伝をしてくれる
のかと思った。そうではなく、自分(友蔵は、左から五人目の選手)の姿を抜き取り、アップにしたのであった。私への感謝を表したのだという。ちっともわか
らなかったが、ほんとうにありがとう。友蔵と良き師弟関係を築けて、私は幸せだ。研究自体が超面白いことも言うまでもない。審査員一同、「素晴らしい研究
です」と絶賛。文句なく合格となった。おめでとう、友蔵博士!アラマスとヤスムラもおめでとう!
終了後、酒井研で祝賀会をした。「魚がし」という店に行って、美味しい魚を味わった。さあ、17 日はりんかと彩子の修論発表会だ。二人も頑張れ。
2/8(水)の進歩 日本語の作文技術 朝一番
に、長い間ほっておいた論文を英文校閲に出した。その後は、「これ論版日本語の作文技術」の執筆に取り組んだ。「日本語の作文技術」(本多勝一著;朝日文
庫)の紹介が主だけれども、またしても疑問が湧いてきてしまった。たとえば、「修飾句を先に、修飾詞を後に」というのが、本多さんの語順の原則の一つであ
る。「ライトを消して走る」「速く走る」ということを言いたいとする。この場合は、「ライトを消して」という修飾句を、「速く」という修飾詞の先にし、
「ライトを消して速く走る」とすればよい。「速くライトを消して走る」という語順だと、速くライトを消しているみたいになってしまう。では、「誰よりも速
やかにパスを送る」「止まらずにパスを送る」と言いたいとしよう。「誰よりも速やかに」という修飾句を、「止まらずに」という修飾詞の先にして、「誰より
も速やかに止まらずにパスを送る」としたとしよう。これだと、「誰よりも速やかに止まらずに」と言っているみたいだ。修飾詞を先にして、「止まらずに誰よ
りも速やかにパスを送る」の方が誤解を招きにくい。てな感じで、またわからなくなってきた。2/2 の進歩で、
「苦悶の末、本多さんの作文技術は考え抜かれた素晴らしいものであると再認識した(理由は省略)」と書いた。実はこれを書いたとき、理由を忘れてしまっていたので「理由は省略」と書いたのだ。そういえば、ずいぶ
ん昔の学会発表で、「(こういう結果になる)理由は二つあります」と前置きして一つ目の理由を説明した後、「二つ目は忘れたので言うの止めます」と言ったことがあったな。受けたので嬉し
かったことを覚えている。<--- そういう問題か。
明日は、友蔵の博士論文発表会だ。ついに、私の研究室での研究生活の集大成を迎える。頑張れ友蔵! ヤスムラもアラマスも(二人も明日博論発表する)。
2/7(火)の進歩 勝利 or 勝利 ベガル
タ仙台の今季のスローガンが決まった(OHP より)。「勝利
or 勝利 〜絆を力に変えて〜」である。「監督の「勝利しかない!」という気合を表したもの」だそうである。私は、別の意味で「勝利しかない」と思い、「楽ちーーーん」と安心してしまう。だっ
て、「勝利」か「勝利」のどっちかなんでしょ。
友蔵の D 論発表練習。さすが友蔵、ほとんど問題なしだ。ただ、話を急ぎすぎた感はあった。もう少しゆっくり説明した方がよいと思う。
「これ論版日本語の作文技術」を書き始めた。書いてみると、もっと深く考えなくてはいけないと思い出した。いかん、かなり時間を取られるかも。その前
に、論文を一つ英文校閲に出すべきか。
三年生の小嶋君が、私の研究室に入ることになった。嬉しい。よくぞ酒井研を選んでくれた。一緒に頑張って、輝かしい研究人生を送ろう!
土松の論文を返送した。完成間近と思う。あと少し頑張れ。
2/6(月)の進歩 真面目に仕事をした日は、ネタを考える暇が
無くて
日記が短くなるのか。逆に言うと、日記が長い日は遊んでいたのかと思い、長い日ばっかだと思い。とりあえずそんな相関関係は無いことにするために、タイト
ルを長くしてみる 土松の論文読みに没頭した。細かいミスがけっこうあるぞ、こら。明日には読み終えて、返送できると思う。没頭し
たせいで、日記のネタが無い。どうしてくれるんだ!
秘密文書が届いた。素晴らしき内容に感激。学生を全員集め、しばし鑑賞した。そして色々意見を述べて貰った。これからが楽しみだ。
三年生の小嶋君が、研究室配属の相談に来た。いろいろ意見を述べたけれど、参考になれば良いが。大歓迎の準備をして待つのみ。
2/5(日)の進歩 突然、邦画に凝る ここ数
日、邦画に凝っている。連日のように DVD を借りてきて見まくっている。しかも、気に入ったものは 2-3
回見る。つまらないものは、「早く終われ」と念じながら見る。以下、感想。
いま、会いにゆきます:素直に、珠玉の名作と言いたい
気持ちになった。【以下、根元的ネタバレなので、見ていない人は読まないように】。夫と子を残し、28
才で逝った女性(竹内結子)が、一年後の梅雨の季節に二人の元に戻って来る。実はそれは、20
才の彼女だった。事故に遭い気を失い、未来の自分の世界へと迷い込んだのだ。そこで彼女は、高校時代に好きだった同級生と結ばれ幸せな家庭を築いていた自
分を知る。出産が遠因で、自分が 28 才で死ぬことも知る。やがて彼女は 20 才の世界に戻った。同級生と再会せず子も産まなければ、28
才で死なずにすむかもしれない。しかし彼女は、同級生に会いに行く。子をこの世に迎え入れ、短いけれど幸せな生活を送るために。「いま、会いにゆきま
す」。28 才で逝った妻が 20 才の姿で戻って来たのに、夫も子も違和感を抱い
ていないところは、映画の特性(撮影中、俳優はほとんど年を取らない)を活かしているといえる。<---
これを書くために引っ張りましたが、珠玉の名作と思う心に偽りはございません。
ウォーターボーイズ:面白かった。とくに気に入った
のが、眞鍋かをり演ずる、ちゃらんぽらんな教師だ。学生時代シンクロの選手だった彼女は、シンクロを生徒に教えるのが夢であった。ところが赴任したのは男
子校。しかし、意を決したのかどうかよーわからんが、男子生徒にシンクロを教えると張り切る。「らんらんらんっ」と宣伝ポスターを作り、「文化祭でシンク
ロをやりましょう。どうせなら大勢に見せる方がいいでしょ」と一人でのるのであった。ところが突然吐き気がして、妊娠八ヶ月であることが判明(馬鹿かこいつ)。「産休取ることにしたから、文化
祭のシンクロ頑張ってねーーー」と実家に帰っていった。見事じゃ。
スウィングガールズ:これまた面白かった。い
や、ウォーターボーイズよりずっと面白かった。あの、いい加減な人生爆走中の主人公(上野樹里)がいたく気に入った。
ジョゼと虎と魚たち:私好みの作品。「いま、会いにゆきます」より気に入った。原作(田辺聖子)も読んだけれど、こっちはしょうもなかったが。
さよなら、クロ:犬が出てくる映画を私が好まぬはずがない。妻夫木聡や伊藤歩らが、高校生に扮している時には高校生に見え、卒業後十年のときには 28
才くらいに見えたのには感心した。
天国の本屋
恋火:退屈だった。早く終われと願った。
黄泉がえり:か
す。わざとらしくくさい話で、見るのを途中で止めようかと思った。
Shall we
ダンス?:随分前に見て、もう一度見たくなった。最初に見たときはすごく面白いと思った。でも今回はまあまあだった。ハリウッド版の方が面白く感じた。
2/4(土)の進歩 せっかくだから
レポート作成法の
講義のために準備した「「日本語の作文技術」(本多勝一著)の解説」を、当ページで公開しようと思う。ただ単に、「日本語の作文技術」の内容を紹介するだ
けでは公開の意味がない。私なりの解説を加え、作文技術の一部は改変して紹介するつもりだ。「改変」と書いたのは、「改良」と書くのはおこがましいという
思いがあるため。「日本語の作文技術」を越えることはないだろうけれど、私の解説を読むことで、本を読んだ以上のものが得られるようにしたい。というわけ
で、今週末には公開できるようにしたい。
ハーマンという会社に憤然とした。先日購入したハーマンのガスレンジ
に傷が付いていたので、技術者が部品交換に来た。この技術者(車で来た)、運転席側のドアを開けて路肩を確認しながら、バックで駐車しようとした。と、ド
アが、我が家の壁にガツンとあたり、ズズズズっと 20 cm
ほど引きずった。この惨劇を私はしっかり見ていたが、技術者は私に気づかなかったようだ。そして、何も無かった顔をして、部品交換をして帰っていった。今
朝、現場を見てみると、壁に傷が付いていて、コンクリートの一部が欠け、住所表示の看板が取れていた。あったまに来たので、電話をかけてねじこんだ。相手が弱い立場にあると見ると、容赦なく攻勢に出るのが私の特徴なのだ。それに
しても、ぶつけたことをおくびにも出さずに帰るなんて、ハーマンはどういう社員教育をしているのか?
2/3(金)の進歩 うやむや疑惑 ベガルタ仙
台は延岡でキャンプ中だ。キャンプレポートを読む
と、充実した練習をしていることが伝わってくる。サンタナ監督も、選手やサポーターの心をがっちり掴んだ。容貌が怖そうなので、「ファミリー」と語る言葉
に(日
刊スポーツより)、「意味が違うのでは」と思いもしたが。-------------
しかし、何か忘れていないか。三人目の外国人選手であるチアゴはどうなっちゃたの? 1.18 の発表では、ビザが取れ次第来日とのことだった(ベガルタ仙台 OHP
より)。しかし未だ来日せず。この頃では、チアゴの名前があがることもなくなってしまった。「ま、いいか」ってうやむやになっちゃったのか?
全学一年生向けの講義(レポート作成法)の準備を終えた。「日本語の作文技術の解説」と「レポートと論文の違い」の話をする。前者の講義内容の準備には
苦労したけれど、良いものが出来たと思っている。こういう解説は得意。進む道を間違えたやもしれない。
三年生の伊藤君が研究室に来た。来年度、私の研究室に入る第一号となった。よくいらっしゃいました。やる気があふれ出ている。がんばって、良い研究をや
ろう!
土松の論文を読み始めた。来週頭には返送できると思う。でも、土日は休むからな、文
句あっか?
さ、今から、レポート作成報の講義に行ってくる。せっかく準備をしたのに、講義に行くのを忘れちゃ大変だ。
2/2(木)の進歩 日本語の作文技術
このと
ころずっと、全学一年生向けの講義のために、「日本語の作文技術」(本多勝一著;朝日文庫)を読んで苦悶していた。改めて読み直すと疑問点がたくさん出て
きてしまったのだ。たとえば、その昔に友蔵が苦悶していた言葉(1/25,
26 の日記)をちょっといじって、
倒れた隣家の植木
としよう。植木ではなく隣家が倒れているのならば、
倒れた隣家の、植木
とテンをうてばよい。ではこのテンは、本多さんのテンの原則(「長い修飾語の間にうつ」「語順を逆にするときにうつ」)で説明できるのか?
悶々と悩んで、一時は絶望しかけた。しかーーし、苦悶の末、本多さんの作文技術は考え抜かれた素晴らしいものであると再認識した(理由は省略)。「日本語
の作文技術」は、日本語を書く人にとって必読の書である。とまあ、「熱愛」-->「不信」-->「愛を確認」という、ドラマの典型的な展開と
なったのであった。
その友蔵、日本学術振興会の PD
特別研究員に採用されることになった。おめでとう、ほんに良かった。大橋の元でますます励み、次代を背負う生態学者に育っておくれ。友蔵も
いなくなっちゃうしキメグもいなくなっちゃうしりんかも彩子もいなくなっちゃうし、残される者は寂しいったらありゃしない。
月初めの談話会。今日一番嬉しかった発言。修論を書き終えたりんか「論文を書いたことで、自分が変わりました。まとめることの大切さがわかりました」。
「これ論」で書いてあることだけに、実感してくれて嬉しい。
2/1(水)の進歩 天国の本屋 昨夜、DVD
を借りてきて、「天国の本屋 恋火」を見た。感動した。演奏会から降ろされやけになっていた若きピアニスト(玉山鉄二)は、気づくと天国に連れて来られて
いた。そして天国の本屋で働き始めた。天国の人々は、死んだときの年格好のまま暮らしていた。地上にいたときと同じ服を着、同じ食事をし、本の朗読を聞
き、恋もする。小さな幸せに包まれた、平穏な暮らしだった。玉山は、若くして死んだピアニスト(竹内結子)と出会う。竹内は、生きていたときの心の傷のた
め、ピアノを弾けなくなっていた。竹内に惹かれた玉山は彼女の家を訪ねる。部屋には、YAMAHA
の商標が記されたピアノが置いてあった。天国に YAMAHA のピアノがあるとは!
見る者を大々的な感動に引きずり込まずにおかない展開である。これに比べると、その後のストーリーなど小さい小さい。天国にいるピアノ職人
の手作りピアノ
でないとムードが出ない気がする。天国も人材不足であったか?
日本語の作文技術の講義の準備に目処がついた。今日も苦難続きで、一時はどうなるかと思った。日本語はほんに論理的で奥が深い。勉強になった。とはいっ
てもまだ、講義の準備は終わっていない。明日も頑張らないと。