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「科学技術創造立国」を掲げる日本の未来は?  平成19年12月10日


5日朝刊にまたまたショッキングなニュースが走った。「2006年国際学習到達度 調査(PISA)」の結果 が報道されたが、前回(2003年)の調査から更に順位が後退し、もはや「学力の低下は認められるが、日本 の子どもの学力は依然として世界のトップレベルにある。」等という言い訳はできなくなったと認識しなければ ならない。
各教科の調査内容の分析と課題についてはこれからその作業が進むと思われるが、いずれにおいても、日本の子ど もたちの応用力の低さには危機感を覚える。今回特に気になるのは、「科学を学ぶ事への興味」が調査参加57 の国・地域中52位と極端に低く、将来、科学に関係する職業に就くことを夢見ている子どもは10%を割ってい る結果が出たことである。私が子どもの頃には、「日本は少資源国であり、中には100%外国に依存している ものもある。外国から資源を輸入し、世界に通用する製品を創り出し、世界中の人に買ってもらわなければ日 本はいつまでたっても貧乏な国のままだ。」等と、敗戦後の貧しさから抜け出すために日本中の大人が汗水ながして 働き、「子どもはしっかり勉強し、立派な大人になるんだ。」と、大人が「日本の将来を子どもに託している姿」 を直接肌で感じ、緊迫感を子どもながらに覚えたものである。先生方も教育熱心で厳しく、「勉強するのが子ども の仕事だ。」と、毎日のように言い聞かされて育った。
教材等、今の時代のように充実しておらず、理科や図工の時間には、身近にあるもの、 埋もれているもの、利用できるもの等、使える物は何でも探し出し、頭をひねりひねり必要な道具を創り、 実験・観察に没頭したり、生活に役立つ物、生活に潤いを与える物、創造力をかき立てる物など、図工の作品創りに 夢中になっていたことを思い出す。夕方家に帰ってからも夢中になりすぎ、母に怒られ怒られ、冷たくて硬くなった 夕飯を食べたことも幾度となくあった。思い起こせば、私の学びのスタイルや学習に対する考えは小学生の時に習慣化、 確立され、その後の私の成長に一役買っていたようである。
「科学する心」「もの創りの心」は、生活を豊かにし、生活を楽しくし、生活を創造する要素であり、 何よりも著しい科学技術の発展が続く社会にあっては、理解し、活用し、創造することが日常生活や人生を充実 させる力となる。にもかかわらず、これまで理科離れや自然科学に興味を示さない子どもの実態が報告され、 その対応策が考えられてきたにも関わらず結果が出せなかったことを謙虚に認め、具体的な、しかも実行性のある 対応策を早急に検討し、日本の未来を託す子どもたちの教育について国家を上げて(身近なところで言えば、 教育行政と学校、保護者、地域社会が)真剣に取り組まなければ、教育に力を入れている国々と比較し、 やがて国力が低下していくことは目に見えている。「教育は国家百年の大計」と言われるように、 大きく言えば「国の存亡」を懸けた国家的政策・戦略であり、身近に言えば、「子どもの将来の夢を育み、 人生を切り開く人間力を培う営み」である。そろそろ本気にならないと手遅れになる予感がする。

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坂井 やすのり

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