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世代を繋(つな)ぐ人づくり、心を紡(つむ) ぐ絆(きずな)づくり、豊かで元気なまちづくり

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〒187-0032 東京都小平市小川町2−1326−2

「感受性豊かな心」と「人のことを思いやる優しい心」はどこへ‥‥  平成18年5月


 子どもの健全育成に向けて、家庭・学校・地域・社会の役割分担と連携の在り方が大きな課題となっています。中でも「家庭の教育」は、全ての教育の出発点となります。  親が、心にゆとりを持って子どもと接し、子どもを見守り、子どもと関わり、子どもの成長を応援していきたいものです。  ところで、以下の事例から、皆さんは何を感じ、何を考えられますか。そしてこのことが、子どもの成長にどんな影響を与え、どんな人生をつくっていくと想像されますか。

その1 武蔵小金井駅前の商店街通りを歩いていた時のこと
3〜4歳位と思われる男の子と、その子の手を引いた母親が、楽しそうに話をしながら歩道を歩いていました。とても微笑ましい光景でした。と、突然男の子が母親の手をふりほどき、前の方に走り出しました。その先には、車にはねられたと思われる小犬が、身動きもせずに道路脇に横たわっていました。その時母親は、ものすごい勢いで子どもを追いかけ、腕を掴むや否や、「汚いでしょ。さわってはだめ。」と、大きな声で子どもを叱り、引き離しました。

その2 立川の駅ビルでのこと
移動教室から戻り、引率教員の慰労のため駅ビルの食堂街に行くことにしました。  エレべーターに乗ろうとした時、中にいた4年生位の女の子が開閉ボタンを押し続け、私たちが乗り込むのを助けてくれました。バックやリュックを背負い、手には家族への土産などを持っていたので、見るに見かねたのでしょう。ところが、先に降りた母親が振り返り様、「よけいなことをしなくていいの。早くいらっしゃい。」と、女の子を急きたて、足早に去っていきました。

その3 「遊びに行っちゃだめ」と「仲良く遊んでおいで」
私が育った町は港町(漁港)で、背後には農村部を控えた自然の豊かな町です。 山あり、川あり、田んぼあり、海ありと、一日中遊びまわっても、遊び場に事欠かない環境であり、身も心も自然にはぐくまれて成長しました。行動力がつき、遊びの範囲が広がったある日、港のはずれにある部落の友達の所へ遊びに行こうとした時に、近所のおばさんに、「遊びに行っちゃだめだよ。」と、注意されました。当時は、近所の大人の注意は守るように育てられていましたので、「どうしていけないの?」と思いながらも、遊びに行くのをやめたことがあります。夕食後母に、「どうして遊びに行っちゃだめなの?」と尋ねたら、「遠いからだめと注意されたんだよ……。どうしても行きたかったら、気をつけて行っておいで。仲良く遊ぶんだよ。」と諭され、翌日思いっきり遊んだことを思い出します。こんな所に、差別心を生み出す根っこがあり、人権教育の心を開く小さな窓や人間性をはぐくむ心の扉があります。

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坂井 やすのり

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