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世代を繋(つな)ぐ人づくり、心を紡(つむ) ぐ絆(きずな)づくり、豊かで元気なまちづくり

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〒187-0032 東京都小平市小川町2−1326−2

子どもは社会の宝・次世代の担い手  平成16年6月


地域から「子ども社会が消失した。」といわれて久しい。最近は、「子どもや若者の社会規範意識が薄れてきた。」とも指摘されている。その原因を、「家庭の教育力」や「躾」の低下に求める声もあるが、必ずしもそれらのことが原因とは思えない。戦後貧しい中で、大人が日本社会の復興に日夜汗水流して働いていた頃、子どもの躾や教育のみならず、食事の支度をすることすら、親が手をかけることができなかった時代があった。貧しさ故に、社会に迷惑をかけた子どもも確かにいたが、多くの子どもたちは毎日元気に遊び、しかも、家族や親戚と一緒に少しでも暮らしを楽にしようと働いたものである。当時の子どもたちの「心」と「身体」をはぐくんできたのは、子どもの世界に、「子どもの心を繋ぐ横の社会と縦の社会」があり、その社会を「気にかけ、声をかけ、応援する大人」がいたからに他ならない。貧しく、物質的には何もない時代であったが、子どもたちの社会には同世代の気におけない関係や先輩後輩の子弟関係があり、熱中できる遊びを創り出し、夢中で遊べる環境や子どもに伝承遊びを教えることを楽しみにしている世話好きの大人がおり、子ども社会には子ども社会を律する暗黙の決まりがあったことを思い出す。  

今、子どもの社会は……? 大人のかかわりは……?  

小平の小・中学校ではこの2〜3年、大勢の学校支援ボランティアが、多彩で多様な教育活動を支援・創出し、展開している。昨年1年間の延べ人数は、学生ボランティアが3,305人、社会人ボランティアが、22,951人、計26,256人に上っている。企業や関係機関等の学校支援も活発になり、昨年に引き続き GE Japan(日本ゼネラル・エレクトリック社)の社員70〜80名が、総合的な学習の時間の支援に入ることになっている。また、各地域で行われている青少対の行事に参加するたびに、子どもにかける地域の大人の思いと願いが膨らみ、活動が豊かになり、関係者、親子の参加者が年々増えている状況を見るたびに頭が下がり、地域の教育力の回復を実感として感じている。「大人の思いと願い、その心が繋がっていれば、子どもたちも地域に育まれ、地域活動に参加し、結果として市民性を育まれることによってこれからの街創りが進み、町の活気も……。」と思ったものである。  

今、世の中には様々な企画があり、人と人とがかかわることもなく、興味・関心や自分のニーズを満たしてくれる環境がある。社会は、人と人とのかかわりと繋がりで営まれているものなのに、誰とかかわることもなく、結果として対人関係の煩わしさから逃れ、一人、或いは家族だけで楽しい一時を過ごすことができるし、そのような社会現象も見られる。本来地域社会は共同体であったはずなのに、その支えを失い、孤立化が進んでいる。「人とつきあうことが苦手。」「人と協力して仕事をすることが苦手。」「自分の考えを相手にわかるように伝えることが苦手。」という若者が増え、否、地域社会(大人)にもその現象が見られ、様々な地域社会問題が起きている。人の心の繋がった、お互いを気遣い合うまち創りを進めることが、「共に生きる、心豊かなまち創り」の大原則であることを忘れてはならない。日本の社会が大事にはぐくんできた「家庭の躾」や「礼儀作法」「思いやり」や「むこう三軒両隣り」の精神と社会風土を大事にし、「子どもたちの成長を見守り、支え、応援する社会」を、「世代を超えたコミュニティづくり」を、家庭・学校・地域・社会が一緒になって考え、実現し、未来を託す子どもたちへの責任を果たしていくことが望まれる。

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坂井 やすのり

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