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「こだいら福祉のつどい」について  平成20年7月1日


6月21日(土)午後1時より、小平市福祉会館市民ホールにおいて小平市社会福祉 協議会による 「第22回 こだいら福祉のつどい」が開催された。
第1部は、小平市社会福祉協議会や福祉活動への功労のあった方々への表彰状、並び に感謝状の贈呈式があり、大勢の被表彰者の皆さんが晴れがましい顔で参列されていた 姿が印象的であった。同時に、これだけ大勢の皆さんが……と、小平市の福祉行政を支 えていただいている皆さんの姿に、頼もしさを覚えたのも事実である。主任児童委員や 民生委員・児童委員の皆さんは、学校経営協力者や学校支援ボランティアとしても日頃 より学校経営にご協力いただいており、改めて感謝を申し上げる次第である。
引き続き第2部は、「心にしみる短歌入選作品発表」が行われた。 今年度は「思いやり」のテーマで募集をしたところ、一般の部には中学生を含む12 - 3 - 9作品が、児童の部には、2012作品が寄せられ、審査員もうれしい悲鳴をあげ、審 査には大変苦労したと伺っている。一般の部の9名の受賞者に、中学生6名が入選して おり、子どもたちの中に確実に福祉の心が培われていることを実感じた。
第3部は講演で、日テレ学院院長・元日本テレビアナウンサーの石川牧子さんによる 「私の介護体験」の演題の下、石川さんご自身がご両親の介護と仕事を続けてこられた 体験談が紹介された。その中で、別々に訪れた両親への介護を通して、何度か仕事を辞 めようと考えたけれども、何故仕事を辞めずに、土・日だけ仙台に帰り、親の介護にあ たったかという話の中で、特に印象に残ったのは、「両親は自分が仕事を辞めることを 望んでいない。やめればきっと、自分の介護ために娘は大好きな仕事を辞めてしまった と、返って両親をつらい状況に追い込んでしまうと分かっていた。だから、大変だけど 仕事も辞めず、休みもなく土・日仙台に通い続けた。」という言葉が印象的であった。 私の母も30年来、病院と特別養護老人ホームを行き来し、多くの皆さんにお世話に なっているが、介護制度と親戚の介助に甘え、仕事を続けることができている現状に心 から感謝している。ある時母に、「一人残されて特養に入っていることが寂しくないか い。」と訪ねたところ、「自分の好きなこと、やりたいことをやるように勧めたのは私 だから、寂しくても我慢して頑張らなくちゃ。」と目に涙を浮かべながら語った母の姿 が脳裏に焼き付いている。そうでなければ、九州の片田舎の古いしきたりの残る町で、 家長の立場でありながら障害の重い母(視力1級障害、下半身不随、2年前には食道に 管を直結し、流動食のみで命を永らえている。)を一人残し、東京で働いていることそ のものが親不孝との誹りを免れない状況にあり、いつも何時も「感謝」の二文字を忘れないよ う心に焼き付けてきた。
30代後半から、一人親家庭の家族のためのサマーキャンプ等の野外活動を企画し、 開催したり、筋ジストロフィーの子供のための車いす登山や成人の重度の障害者のため の温泉旅行やキャンプ、水泳教室等を企画・実施してきたのも、今できることを少しで もやりたい、恩返しをしたいという感謝の気持ちからである。校長職を拝命してからは さすがに自分が企画・実践する立場からは身を退いたが、今もって気持ちは変わらない。
超高齢社会と言われる現代の世の中。世界のどこの国にも見本や手本もない未体験ゾ ーンに突入した我が国では、社会保障の制度が必ずしも平等に行き渡っておらず、介護 に掛かる家族の負担は重く、介護疲れから悲惨な事件が起こることも希ではない。社会 保障制度は、その制度を必要としている全ての人に行き渡ってこそ、介護を負担と思う ことも少なくなり、高齢者の皆さんも安心して老後を迎えることができ、障害があって も共に生きることのできる精神的に豊かな町が実現できると思っている。
まだまだ努力しなければならないことはたくさんある。

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坂井 やすのり

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