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「地域の教育力の回復」が「生きる力」を育む


 教育は、社会が国民のために行なう最大の公共事業である。社会がその責任を自覚し、「子どもとかかわり、守り、支え、応援していく地域社会 の教育力の回復」を図り、未来を託す青少年の健全育成に真剣に取り組むことが今こそ必要である。
 今、学校や家庭・地域社会は、「教育の場」としての機能を失っていると指摘されている。 必ずしもそうとは思わないが、その原因の一つに、学校・家庭・地域社会の間の「連帯感の喪失」があげられる。学校と家庭・地域社会の間に「連帯の意識」を回復し、統合的で機能的な教育力の回復を図るために地域社会を挙げて教育改革に取り組み、連帯意識を呼び戻し、教育機能の回復を図らねばならない。更に、学校が「教育の場」としての機能を失っている一つに、「なぜ学校に行かなければならないのか。」「なぜ勉強しなければならないのか。」という子どもたちの疑問に大人や社会が答えられなくなっているとも指摘されている。
 学校は社会性を学ぶ場でもあり、地域社会はその実践の場でもある。道徳性を培い、社会規範意識を育むことは、一部に非難されているような画一性と同じではなく、管理社会と指摘されることとも違う。各自の多様で多彩な個性と自由を大事にするために、周りの人々の個性と自由も大事にし、互いの人権を守るために規則を守り、互いを尊重することを、人と人との関わりや地域社会での様々な体験を通して学ばせることが大事である。そのような視点から学校教育の場においても、学校中心の、教師に都合のよい、主観的な価値観からの転換を図り、客観化・相対化していく必要があり、「子どもの教育の場としての地域社会」の回復を図ることが緊急の課題でもある。地域社会が子どもたちとかかわり、見守り、支え、応援していくことが、「21☆こだいらの教育改革アクションプラン」に示した「教育改革の基調」である「地域で育てよう すこやかな子ども」の精神であり、学校・家庭・地域社会の教育力の回復、基盤づくりを目指した教育改革の取り組みである。世の中が、多様で多彩な価値観に満ち、様々な生き方と充実した人生を送ることが可能な社会に成長したことを、地域社会の人々や人生の先達者との交流・体験を通して学ばせ、児童・生徒自らが、学校での勉強が、充実した豊かな人生を送るための根源であることを理解できてはじめて、自分の将来に夢や希望を抱き、自分の未来像を描き、学ぶ目的意識をもって勉強に取り組むことができると考える。「生きる力」を育むためには、児童・生徒の自主性と主体性を図り、自己責任の重さを学ばせ、自分の将来を切り開くのは自分自身であり、責任は自分にあることを自覚させることが大事である。

〔明治図書:学校運営研究 平成14年9月号〕


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坂井 やすのり

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