本文へスキップ

世代を繋(つな)ぐ人づくり、心を紡(つむ) ぐ絆(きずな)づくり、豊かで元気なまちづくり

電話でのお問い合わせはTEL.042-312-3458

〒187-0032 東京都小平市小川町2−1326−2

開かれた学校と学校支援ボランティア


 今次教育改革のねらいである学校教育の画一性を補い、一人一人の個性の伸張を図り、「生きる力」を育むためには、 基礎的・基本的な事項を繰り返し学習したり、体験的・作業的な学習活動、問題解決的な学習、各自の興味・関心等に応じた学習など にじっくり取り組ませることが必要である。こうした教育活動は、教室の中だけでは十分には行えない。
 「生きる力」の形成には、実社会や実際の自 然環境における体験学習が不可欠となる。今後は「総合的な学習の時間」の導 入に伴って、地域の社会生活環境、自然的・文化的環境全体をもっと効果的に活用していくことが課題となる。特に子どもの興味・関心に 応じた、又、個性の伸張を図る教育活動の充実・発展には、多彩で多様な人材の確保の視点から、「学校支援ボランティア」の導入を図っ ていくことが必要である。
 ところで、「開かれた学校」という言葉は、いつのまにか言葉だけが一人歩きし、その実、学校は今もって敷 居が高く、教員 は閉鎖的で学校支援ボランティアの呼びかけはあっても、実際にはなかなか授業に入れない。教 師や子どもと、どのように関わっていいのかわからないという声が聞かれる。その背景として、教員になって以来 長い間一人で 学級経営、専科経営を任され、一人で児童・生徒指導をしてきたという自負と、他人が学級(授業) にはいることへの抵抗感があることも事実である。しかし、「総合的な学習の時間」の学習活動は、教師だけの力では 創り上げる ことはできない。地域人材としてのゲストティーチャーやアシスタントティーチャーの導入、教育活動を豊 かにし、実感のある納得を得たり、自分の課題を解決するための地域の支援者の協力等、学習活動そのものが保護者・ 地域住民と 一緒になって創り上げなければ、そのねらいは達成できない。総合的な学習の時間が契機となり、他の教科 の学習にも支援者が入り、学習内容の定着に効果をあげている事例も数多く生まれている。多くの方に、学校支援ボラン ティアとして参画していただく仕組みを整備することが急務である。そのためには、まず学校・子どもの様子を知ってい ただき、学校が何を求めているのか。自分には何ができるのか。どんな場面で子どもと関わることができるのかを実感して いただ く必要がある。そこで、平成13年度から、毎学期一週間の市内一斉学校公開週間を実施し、誰でも、どこの学校で も参観できるようにした。昨年度は五万名を越える保護者、市民の皆さんに子どもたちの学校生活の様子をご覧いただき、 社会人 ボランティア・学生ボランティア併せて約七千名の方々に小・中学校に入っていただき、授業参画・支援をいただいた。一層の充実を図っていきたい。   

                 〔明治図書:学校運営研究 平成14年8月号〕


information

坂井 やすのり

〒187-0032
東京都小平市小川町2−1326−2
TEL.042-312-3458
FAX.042-312-3458