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特色ある教育・特色ある学校づくりの基本的な考え方とその視点


 教育課程審議会は、今次の教育課程の基準の改善にあたり、改善の基本的な視点として「完全学校週五日制の下で、各学校がゆとりのある教育活動を展開し、子どもたちに『生きる力』を育むこと」をあげ、次の4点を改善のねらいとしている。 

  1. 豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること
  2. 自ら学び自ら考える力を育成すること
  3. ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること
  4. 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること

 1〜2は、これまでのねらいを一層徹底するため、その内容の改善や指導法の創意工夫を図ることが求められる。3については、大幅に削減、縮減された学習指導要領の趣旨を生かし、基礎・基本の確実な定着を図るとともに、臨教審答申以来の課題である、「個性重視の原則」をいかに具体化するかが、依然として大きな課題である。「4 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めること」が新たな視点として明記されたが、ここに今回の改善の大きな特色がある。ここで注意したいことは、特色ある教育、特色ある学校づくりというと他の学校と何か違いを出そうとか、体験活動を入れたりして子どもがただ動き回っているだけの、一見華やかに見える活動に特色を出そうとする傾向が見受けられる。学校の中心である授業のあり方や教科の指導に創意工夫を凝らし、学校全体として基礎・基本の確実な定着に特色を出していくことを大事にしたい。
 さらに、現在の社会の様々な改革の流れの一環として、教育そのものが年々多様化、弾力化していく方向にある。これからの教育においては、多彩で多様な教育活動、特色ある学校づくりがこれまで以上に活発に行われることにもなるであろう。そこでは、教育そのものの内容や子どもの活動を豊かにし、いかに子どもの変容を図ったかという、結果の責任が問われるということを忘れてはならない。さらに付け加えるならば、学校の教育目標づくりにも、開かれた学校づくりの視点から保護者や地域社会の願いを取り入れ、教育課程の編成や実践に活かしていくことを大事にしたい。そのことを校長の責任の下に保護者、地域住民に説明し、地域と一緒に教育活動を展開したり、自己点検、自己評価のみならず、外部評価の導入を図り、経過報告、結果報告を実施し、それらの内容の検討を重ね、次年度の学校経営、教育課程の編成・運営に生かしていくシステムを構築することが緊急の課題となる。これらの考えの下に特色ある教育活動や特色ある学校づくりを進めていきたい。
 その視点として、

@時間割の組み方の工夫が考えられる。
それぞれの学校の教育目標、教育活動をより効果的に達成するために、これまでの週時程で決められた時間割ではなく、 時間運用の工夫をすることにより、これまでの画一的な時間割システムを各学校の教育活動の実態に合わせ、創意工夫することができる。 すなわち、指導内容や指導方法、子どもの実態に応じ、それに必要な時間割を設定することにより、学習効果を上げることが期待される。 (モジュラースケジューリングの活用等)
 その他、
A基礎・基本の確実な定着を図る指導法の創意・工夫 
B地域と一緒に創る総合的な学習の時間 
C異種校間の交流教育 
D地域連携の学校行事 
E地域と育む心の教育 
F進路指導(生き方指導) 
G多彩で多様な選択教科の準備 
H学年内教科担任制 
I複数学年間教科担任制 
J学級編成の弾力化
等が考えられる。特色ある教育・特色ある学校づくりの創造に期待したい。

(明治図書:学校運営研究 平成15年1月号 一部改訂)


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坂井 やすのり

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