欧州車は天井が垂れ下がるというが、それが本当であることを実感した。
2年前にSLKの天井を修理したが、今回はボルボC70(コンバーチブル)の天井修理を行うことになった。
この車は、4座のオープンカーで、幌ではなく鉄屋根なので、屋根(天井)が二つに折れて畳まれ、トランクに収納される構造である。
今回、落ちた天井は、後部座席上部である。
落ちた原因は、天井内張を屋根に止めているグロメットの接着が剥がれたことによる。
異なる素材で、しかも天井の内張はかなりの重量にもかかわらず、単に接着しているだけというのは信じがたいことである。
まず、どのように修理するかを考えた。
最近、針金を使って縫う方法を覚えたので、そうしてみることにした。
グロメットにドリルで1mmの下穴を開けて、0.5mmのステンレスのワイヤーで縫合する外科手術のようなもの。
室内側は補強のために、似た色の皮で当て布とした。
写真では簡単に縫えているように見えるが、実は、落ちた天井が外せなかったので、ぶら下がった僅かな空間を利用しての作業で体中が痛くなった。
前方の4ヶ所を縫い終えた状態。
さらに難題だったのは後部(リアウインド上部)。ヘッドレストとの施工部分にほとんど隙間がなく、外科手術ができないので、思案した結果、Aクラスにフットレストを取り付けたようにアンカーボルトを用いることにした。
天井に下穴を開け、アンカーで、元々グロメットが止まっていた穴に固定した。
後部4ヶ所の補修には、苦労した。
まず、丁度良いアンカーを探すのに、ホームセンタの売り場に2度行って、色々と物色し、何種類か購入し、最終的には現物合わせを試みた。
見事に直った天井。
前部もアンカー方式を採用すれば見た目も良かったが、余りにも大変な作業だったので、やり直す気にはなれず今回の作業を終了した。
費用:約2,000円
作業:2017年9月