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最涯を求めて 


第43日目 8月17日(金) 晴れ

 4時半起床。7時に朝市に着く。買いたい野菜はたくさんあるのだけれど、いずれも量が多くて 自転車に積むことができずに諦めた。昼食用の食パンとククレカレー、そして缶詰を買い 込んだ。とても安くいい買い物をして満足している。
 “イカソーメン”の方は600円も出して食べてみ たが、量は少ないし、特にうまい物だとは思わなかった。よく考えてみると、生寿しでイカを食う ことの少ない僕がよく“イカソーメン”を食ベたと思う。名前負けして食ベてはみたものの高い金を払 って少し後悔ぎみ、でも名物をまったく食わないというのは残念だし、まあそのために、ここしぱ らく節約していたのだから、少しぐらいはいいだろう。とうとう北海道でビールを飲まなかった。 その点が惜しまれる。味が同じことは分かっているのだが、雰囲気を楽しみたかった。でも一応、 ラーメンは食ベたし、チーズ、牛乳、とうきび、バターそしてじゃがいもを食ベたので満足だ。贅沢はきりがないことは分かっているが、カニが食ベられなかったのが心残りだ。

 8時15分、フェリー乗り場へ行く。乗船券を買おうと思い窓口で尋ねると、「予約はしてありま すか。バイクは何ccですか」と聞かれビックリしたが、「自転車です」と答えると「では2100円 です」と言われ安心した。
 車やバイクでは予約が必要なくらい混んでいたのだ。時間がたっぷりあ るのでトイレで洗濯をすることにした。汗と汚れのため生地が弱っているためであろうか? 力 一杯絞ったら、Tシャツがピリピリ音をたてて破れてしまった。先日もTシャツの破れを発見 して原因が分からなかったが、これで謎は解けた。気に入っていたTシャツなので残念だけれど、これも走り続けたことの証明で、誇りにすベきことだ。
 トイレには僕と同じように洗濯をしているライダーや、髭を剃っている人などたくさん居た。
 足かけ35日間。いよいよ北海道とも別れだ。
 フェリー出港まであと1時間を切った。青函連絡船にするか迷ったが東日本フェリーにして正解だ った。所要時間はほぽ同じでも、青函だったら2500円くらいかかるところだった。
 朝方小雨が降 っていたが、今は青空。本州は果たしてどうだろうか? そろそろ自転車の積み込みが始まりそうだ。朝市で買っておいた食パンでフェリーの中で昼を済ませよう。

 1時50分、無事本州に戻ることができた。4時間に及ぶ長い船旅だった。その後青森からここ鯵 ケ沢までずっと向かい風に悩まされた。
 この分では日本海側の南下はずっと向かい風との戦いにな りそうだ。また、夕方のニュースから台風が南方に来ていることを知り、そのことも心配だ。何しろ 8月の下旬だからなぁ。本州に入りますます暑くなったような気がする。
 ここも満天の星空、天の 川が東の地平線から北までずっと長い帯になっているのがハッキリ分かる。まるで雲のようにくっ きりと見えて実に美しい。

 今日一日で北海道と本州の道路の差をはっきりと感じた。とにかく本州 は信号が多く、狭い道が曲がりくねっている。街並みが続き家が多い。そして何よりも自然が少な い。本州最北の青森県でさえそう感じるのだから、いかに北海道が素晴らしいか想像できるだろう。 排気ガスが臭く走っていてすぐに頭が重くなった。北海道ではそんなことはただの一度もなかった ことだ。これは信号が多いため車の発進・停止の回数が多くなるためであると同時に、道の両脇 に家が立ち並んでいるため排気ガスが散らないのではないだろうか? また、まわりに緑が少ないから 浄化できないためであろう。 “街でなくとも家がある”出発前は僕の生活の中でもそれがあたり前 であったのだが、道内を1ヶ月以上も走っていたため、感覚が違ってしまったのだ。その嫌な半 面、次々に街が入れ替わるために距離が稼げる。道内に入った初日に長万部まで走った時に感じ た精神的な疲労とはまるで反対だ。そしてテント場を探すにしても、心細くないのでこれからは助 かる。まだ青森県だとは言っても本州に入っただけで急に家が近づいたような気になった。とにか く北海道と本州の違いをまざまざと知らされた一日だった。
 夕食を作っている間にも、アブや蚊に たくさん刺されて、体中がかゆくて落ち着かない。いらいらして精神衛生上悪い。そのためにも これからは、億劫がらずにテント場に着いたら気休めでもいいから虫よけスプレーを付けるよ うにしよう。

 本州に入り家が近づいたとはいえ、これから富山まで南下すると思うとぞっとする。 日に日に体力の消耗が感じられて悲しい。疲労が相当溜まってきているようだ。精神的にも肉体的 にも限界に達しているような気がする。今の調子では新潟あたりから帰ってしまうかもしれない。 そうしたらせめて佐渡には渡りたいものだ。明日、男鹿半島に行く元気もない。体中虫にさされてイ ライラ、急に家に帰りたくなった。満天の星を見てたばこを一本吸ったら少しは落ち着いた。今日 はフェリーの中でずっと寝ていた。改めて考えるとテント以外のところで体を伸ばして寝たのは初 めてのことだ。フェリーの中はカーペットが敷いてあり、まるで自分の部屋で寝ているようだった。 時間が経ち青森が近づくにしたがって自転車に乗りたくなくなった。とても不安になったのだ。
 でも 青森に着き、自転車を見た時、やはり僕はこれに乗らなければ帰れないし、帰るしかないのだ。そ うして気を取り直してここまで夢中で走った。これからは道内以上に走らなければならないし、早 く帰りたければ帰りたいほど多く走るしかないのだ。とにかく僕と自転車はもう切り離せない存在 となってしまっているのだ。また、フェリーの中で右の親不知が痛み出した。頬が少し腫れている ような気もする。親不知の痛みは精神的な面が影響しているということを以前に聞いたことがある が、きっと関係があるに違いない。今は少し治まっているが、これ以上痛み出したら信州どころ ではない。いけないことだとは思うが内心そのほうがいいという気持ちもある。しかし、帰宅して「やはりもっと走っておけぱよかった。」などと後悔したくはない。
 こうしてもう1時間近く日記を書いているが、書いていると少しは落ち着く。
 朝になると、起きたくなくなるし、自転車に乗り出 発するのが嫌になる。ああ自分がますます嫌になってくる。
 自転車に乗りたくないという気持 ちと、帰宅したときの後悔とで気が変になりそうだ。こう思っているのが実は花なのであろう。帰 宅すると「もっと長くもっと多く走りたかった。」と思うに違いない。
 気を取り直して明日からも一 日一日を大切に走るしかないのだ。今日は夕食に朝市に買った玉ねぎを使い一風変わったオニオン スープを作ってみた。塩、こしょう、かつおぶしの味付けだが、とても上手い。これからはみそし るも良いが、たまにはオニオンスープも作って楽しもう。今となっては自炊が何よりも楽しみだ。外 は満天の星空。明日も暑くなりそうだ。 消灯9時5分


 本日の宿泊地 鰺ヶ沢二中、本日の走行距離 70km (累計 4199km)



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