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最涯を求めて 


第42日目 8月16日(木) 晴れ

 4時40分起床。今朝も残念ながら奥尻島は見えない。北海道最後の日になりそうだ。ある種の充 実感と、そしてさびしさの混った複雑な気持ち、とにかくベストを尽くすことだ。

 静かな日本海の海岸線と別れ厚沢部町に着く。昼食用のパンを買い、これから道内最後の中山峠 に望む。峠で昼食をとることにする。函館は近い。9時40分出発。
 自分に勝つのだ、ただその一心でペダルをこいだ。照りつける太陽が暑く、僕の最もきらいなダ ラダラとした長い上りの末、ついに峠へ。11時6分。峠のトンネルや標識に“中山”という2文字 が見えたとき、僕は遂にやったんだ。心の底から湧いてくる充実感・征服感が心地よい。
 日陰 でいつものように食パンにきゅうりで中山流サンドウィッチを食ベたが、いつもとは味が一味も二味も違い、最高の味だった。ここから函館までは55km、もう一息だ。峠を下ってしまうのがもったいなくも感じられた。

 大野町あたりから函館山が見え始めた時は、自然にペダルが軽くなった。そして、1時45分。強い向かい風と尻の痛みに悩まされながらもついに函館入、1ヶ月以上も前に上陸したこの地に着いた時”遂に北海道を一周したんだ”という気持ちで胸は一杯。言葉で表わすことのできない最高の気分だ。
 函館駅は、これから本州に帰るサイクリストやライダー達で賑わっており、僕が上陸した時に比べてとても明るく感じられた。
 青森に帰るフェリーの時間を調べ駅を出た。これから献血をするために函館赤十字センターに向かう。
 念願の献血ができてよかった。血液センターの受付けの女の人がとてもかわいい人だった。自転 車で北海道を回っていたと話すと、とても驚いていた。夜景や朝市などのことをいろいろ聞いて、 話をした。女の人と話す機会が少ないので、たまに話をすると嬉しくなってしまう。その人がと ても輝いて、眩しく見えたものだ。献血手帳に打たれた”函館”の2文字がキラリと輝く。いい 気持だ。これでまたひとつ北海道の思い出が増えた。
 その後は上陸した日にはじめて入った銭湯に 再び行き、さっぱりと体を洗った。
 夕方から函館山にはガスが発生して、夜景は望めそうもないの で諦めて、テント場を求めて走り出す。

 6時15分、道内最後のテント場となる大森公園に着く。
 夕食後、北海道の白地図にマジックで今まで走 ってきた道をなぞって(最後のデーターのページに写真を載せています。)みたら、一周したという実感がますます湧いてきて何とも言えない気分。
 明朝は今まで以上に早起きして朝市をのぞき、9時にフェリーで青森に向かう予定。もう少し北海道 にいたい気もするが、この先のことを考えると少しでも体力を蓄えておかなければならない。せめ て明日は朝市で名物の”イカソーメン”を食ベて北海道に別れを告げる。苦しかった北海道、楽しかっ た北海道とも今夜で別れ、今度はいつ来られるか分からないが是非、また来たいと思う。
 1ヶ月以上も走り続けた道内のことが頭の中を駆けめぐりとても普通の状態ではない。34日間北海道を走ったことになるが、遂にやった! 今はそれしか頭にない。
 あと2週問くらいで帰宅だが、これからの14日間は今まで以上に辛いだろう。自分でもはっきりと疲労が蓄積しているのが分かる。気合を入れて走らなくては、くれぐれも事故のないようにしなくては、”百里の道を行くものは九十九里をもって半ばとせよ。”
 こうして日記を書いていると外から懐中電灯で照らす人がいたので、テントから顔を出してみると、地元の人から「この公園は毎晩6、7人の浮浪者が寝ぐらにしているので注意しなさい。」と言われた。今の僕にはそんなことまったく気にならない。ある意味では僕 自身も浮浪者だからだ。それにその浮浪者達が旅人の僕に危害を加えるとは思えないのだ。
 今、母に電話をした。「函館に着いたよ。一周したんだ。」と言ったとたん涙が出そうになった。母から、「いつ帰る。」と聞かれたが、「まだ、いつになるか分からないが、とにかく明日フェリーで青森に渡る。」と言い電話を切った。 消灯9時


 本日の宿泊地 函館大森公園、本日の走行距離 120km (累計 4129km)



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