第28日目 8月2日(木) 曇り向かい風強し
4時起床。ハエの多かったこの場所ともそろそろお別れ、今日もオホーツクを北上する。近くで は”テッペンカケタカ”とカケスが鳴いている。
池田クンと2人で走り出したものの、向い風が強くなかなか進まない。皮肉にもここの地名を”風烈布”という、いかにも風が強そうだ。向かい風の時は自転車の弱点がもろに出てしまう。 結局はあまりの強風のため2時早々に今夜の宿である浜頓別の駅に逃げこんだ。とても疲れてし まった。
昼食に枝幸でホットケーキを焼いて食ベたのだけれど強風のためコンロの調子が悪く半分 生で食ベた。そのせいだろうか、夕方4時頃から急に体がだるくなり、いきなり吐き気に襲われ、 トイレに駆け込んだ。戻しはしなかったが、生のホットケーキの油が当たったのだろうか? とても 驚いた。1時間くらい駅の隣にある小屋で仮眠をとった。この駅で寝ることができて助かった。ほ んとうに一時はもうダメかと思った。池田クンや他のサイクリストに親切にされた。中には薬をく れた人もいた。旅人の親しさに胸打たれた。僕も困っている人がいたら、親切にしなければとつくづく感じた。現在この駅の隅にテントが6張、人が20人くらいいる。ちょっとしたキャンプ村といった感じだ。
夕暮れになっても風は一向に弱まろうとはしない。僕のまわりでは皆楽しそうだ が、僕は体の調子が悪いので今日こそは早く寝ようと思う。毎日のように寝ながらカセットを聞い ていて、そのまま1時間くらい貴重な睡眠時間と電池を無駄にしてしまう。
明朝は体の調子が戻っていれば、いよいよ日本最北端を目指す。また、体調をベストにしておかなければ船酔いも心配なので礼文島にも渡れなくなるだろう。もうひとつ心配なことに、この頃左手の薬指と小指の指先が痺れる。冗談で書いているのではないのだ、何が原因なのかさっぱり見当が付かない。先日の斜里でのウンコのこともあるし、帰ったら人間ドックにでも入り調べてもらう必要があるかもしれない。今 までは金を節約するために昼食をきちんと取らずにハードに走っていたので、これからは特に健康第 一で栄養のあるものを食ベて元気に走ろう。そして何よりも無事に元気な姿で家に帰らなければ。 吐き気に襲われたときは、最北端の地を踏まずして戻らざるを得ないかとも思った。 消灯8時半。
本日の宿泊地 浜頓別駅、本日の走行距離 82km (累計 2753km)