第16日目 7月21日(土) 晴
4時起床。
2人分の朝食を作るしかないので今日は一段と早起きをした。朝から青空で照り付ける日差しがジリジリと肌を焼く。
朝食後、僕が一服していると、林さんは自分の荷物を片付けさっさと出発してしまったので、ひとりでテントをたたみ、そろそろ出発する。
休憩のため阿寒湖畔の土産物店に寄って店の人にお水をもらったら、氷をたくさん入れてくれた。後で飲もうと、一口飲んでとっておいたら、10分後にはお湯になってしまった。
ここは双湖台(パンケトー・ペンケトーの2つの湖が見える展望台)だ。
相模から来たライダーに写真をとってもらったが、その人に「野性に帰ったようで、実に生き生きとした、いい目をしている。」と言われ、気分がいい。とにかく毎日大自然との戦いなんだ。これがほんとうに生きるということなのかもしれない。ここ北海道では、都会の雑踏がウソのようだ。
弟子屈の街の手前10kmのところで「野天風呂無料」という看板を見付けた。お金のない僕にとって無料の風呂というのは何より嬉しい。早速、汗を流すことにした。石けん、シャンプーが置いてあり、おまけにサウナまで付いていた。髪も洗ってすっきりしたところで自作の”北海道”Tシャツを着た。ここから街までは、ほんの30分くらい。駅に泊まるとしても時間が余り過ぎる。釧路まではとうてい無理なので、摩周湖まで足を伸ばしてみようと思う。予定では知床岬に行った後に、斜里から摩周湖に行こうと思っていたが、これだけ天気がよいと、霧のない摩周湖が見られるかもしれない。登りはちょっときつそうだが行ってみょう。
12時少し前、Aコープで夕食材料を買い込み、今から昼食を食ベる。今日はラーメンだ。夕食と明朝に焼きそばを焼くのが楽しみだ。自炊生活にもすっかり慣れ、自炊がめんどうくさいとはちっとも思わない。それどころか毎日メニューを考えるのが楽しい。今、出されたお茶に何と茶柱が立っている。これは縁起が良い。摩周湖で素晴らしい景色が見られるかもしれない。食ベ終わりたら早速行ってみょう。ここからは片道10kmくらいだ。
そんなことを考えながらラーメンを食っていると、何やら雨が降り出してきた。
今、駅で雨宿りをしているが、ものすごい土砂降りだ。どうやら夕立ちらしい。同じように足止めをくっているサイクリストが2人、ライダーが1人いる。
雨が上がったので早速走り出した。10kmの間かなりきつい登りでちょうど1時間かかって摩周湖に着いた。
ラーメソ屋の茶柱通り、晴れていて湖面や中島は見えたが、絵はがきで見るような真青なものではなく、少々残念だ。しかし思い切って来てみてよかった。
写真をとっていると突然雨が落ちてきたので急いで下山した。何と下りは20分弱だった。登っている間、汗のせいだろうか、体中にアブが寄ってきて、追い払いながら登ったが結局は3ヶ所も刺されてしまった。北海道は蚊やアブがとても多い。
今夜はここ弟子屈駅に泊まることにした。飯を食い終えてのんびりしている。今日は焼きそばを作った。残りもののパンも少し食ベたのだがどうも腹一杯にならず、ホットケーキを焼いてみた。やはり米の飯にはかなわないようだ。夕方から雨 が降ってきて本降りになってしまった。
阿寒湖横断道路は天気にも恵まれ(今までも各所で素晴らしい景色だったのだろうが、雨や霧で見ることができなかったのだ。)とても良かった。今日まで16日間で最高だったように思う。汗をいっぱいかいた後に入った野天風呂も気持ちが良かった。それもこれも、距離を少なくして(今日の走行距離は普段の半分くらいなのだ)じっくり休みながら走りたせいもあるだろう。明日は国道391号線ではなく、道々を通って鶴居村から釧路に出る予定。でもきっと霧だろうな。とにかく今日は おもしろい一日だった。夕食前には駅の水道で今まで着ていた服を洗濯した。決して綺麗になったとは思えないが汗の臭いだけは消えたようだ。北海道はコインランドリーの値段が高い(それ以前にコインランドリーがない)ため、洗濯くらいは自分で済ませ、乾燥機だけを利用する訳だ。明日も朝早く出発して、釧路でゆっくり絵はがきを書こう。とにかく早めにテント場を探し、のんびりしたいなぁ〜。これ実感。今夜はこの街で夏祭りがあるらしく、遠くで太鼓の音などが聞 こえている。 消灯8時。
本日の宿泊地 弟子屈駅、本日の走行距離 73km (累計 1753km)